守り人シリーズ電子版 2.闇の守り人 [Kindle]

著者 :
  • 偕成社
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感想・レビュー・書評

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  • ずっと苦しんで生きてきたバルサとジグロの過去を掘り下げた作品。
    二人のあまりに過酷な人生を思うと本当に苦しくなる…。
    でも最後はすべて昇華されて、バルサと一緒に号泣。
    今作も上橋先生の描写力が素晴らしく、闇に包まれた洞窟の息苦しさや、その中で光る石たちの息を呑むような美しさが目に浮かびます。
    ロッソ美味しそうすぎる笑

  • バルサかわ養父ジグロの汚名を晴らすために、無念を祓うために生まれ故郷のカンバル王国を訪う物語。
    比較的柔らかな切り口で人間の闇が描かれていた。
    読み終えるとしんみりした。大人になった今だからこそ響くものがあった。

  • ドラマを見た後に読んだけれど、こちらの方がよかった!文字にされた方が、ジグロとの気持ちのぶつかりあいもよく理解できた。そしてドラマでは登場人物が集約されたりしていたことがわかった。原作通りに作ったドラマを観たかったな~

  • 前々から読みたかったのにKindle版がいつまで経っても出ないので、しびれをきらして図書館で借りて読んだ。

    主人公バルサが養父ジグロを弔うために何年振りかに故郷に帰るお話。

    - 追記 -
    そしてついに出たKindle版を買って久しい今やっと登録(笑)。

  • 架空の国で、さらに現実世界と別世界が混ざる舞台設定。
    女性の「用心棒」バルサが、皇子チャグムを守るという物語。
    そんな『精霊の守り人』の世界に、引き込まれてしまいました。
    長いシリーズだと知って躊躇する気持ちもありましたが、続けてこの第2作も、読むことにしました。
     
    長いこと故郷を離れていたバルサが、国境の洞窟を抜ける場面から、本作品はスタートします。
     
    故郷を訪れて、自らの人生に起こったことを、関係者に語ろうとするバルサ。
    しかし国境の洞窟で、彼女はある出来事に巻き込まれます。
    その出来事をきっかけに、バルサの帰郷は風雲急を告げて・・・というはじまり。
     
    彼女はどのような事態に巻き込まれたのか。
    それは彼女のこれまでの人生と、どう関わっているのか。
    そして、彼女は自らの短槍の腕で、どのような活躍を見せるのか。
     
    そんなストーリーを追いながら、今回もさまざまなことを考えさせてもらいました。
     
    ・歴史は勝った者によりつくられ、継承されていく
    ・自分たちが生活するすぐ近くに、別の世界がある
    ・その世界とは関係が無いようで、自分たちの世界とのつながりがある
    ・命をなくすと、その人はいなくなるのか
     
    第1作と比較すると、活劇シーンはやや抑え気味かなと感じました。
    そのぶん、主人公バルサの内面を、深く掘り下げるような作品かと思います。
     
    ここまでくる、次が気になってしまいますね。
    味わいながら、このシリーズを読み進めたいと思います。
     
    『守り人シリーズ 1.精霊の守り人』
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B019IJRR40
     
     .

  • カッサの成長が好き。危ない稼業をしているバルサを信じて待ち続けるしかないタンダが哀しい。

  • バルサ・ジグロの怒りや悲しみが克明に描かれているのが心に響いた。バルサが主人公で活躍しつつも、他の人の行動や心理によって話が進んでいき解決に向かうバランスが良い。全体的に話が説教臭くないのもいい。

  • 女用心棒バルサが主人公の物語シリーズ2作目です。

    バルサは、幼いころに故郷のカンバル王国で起きた政変に巻き込まれ、父を殺された過去を持っています。そのときに、バルサを救って育てたのが、父の親友で、反逆者として追われているジグロという男です。バルサは、数十年ぶりにカンバル王国に戻り、ジグロの汚名を晴らそうとします。しかし、そこには、王家の陰謀や、バルサの過去に関わる人々が待ち受けていました。バルサは、自分の過去と向き合いながら、ジグロの真実を探る旅に出ます。

    この本の主要なテーマは、『守る』ということです。バルサは、ジグロから教えられたことで、人を守ることを生きがいとしています。彼女は、自分の命を救ってくれた人の分だけ、他の人の命を救おうと決めています。そのために、彼女は、用心棒として、様々な人や物を守ってきました。しかし、カンバルに戻ったことで、彼女は、自分が守るべきものが何なのか、再び問い直すことになります。

    この本のおすすめポイントは、バルサの心理描写です。バルサは、強くて勇敢で優しい女性ですが、同時に、孤独で傷つきやすい女性でもあります。彼女は、自分の感情をあまり表に出さないので、周りの人には分かりにくいかもしれません。しかし、この本では、彼女の内面が細やかに描かれています。彼女の思い出や夢、恐怖や悲しみ、愛や憎しみ、などなど、私にとってはすべてがリアルに感じられました。

    特に、ジグロとの関係は、複雑で深いものです。ジグロは、バルサにとって、父親であり、師であり、友でありでもある存在です。彼女は、ジグロに対して、様々な感情を抱いていますが、それらは、矛盾しているわけではありません。バルサのジグロへの想いは、この本の魅力の一つです。 

    総評として、この本は、素晴らしいファンタジー小説だと思います。登場人物たちの感情や背景が丁寧に描かれているのはもちろんのこと、人間の世界と精霊の世界が混在する不思議な世界も魅力的でした。が広がっています。ファンタジーが好きな人はもちろん、人間ドラマが好きな人にもおすすめです。

  • いろいろ拗れていて、途中で読み直す。

  • 2017/01/30

    1冊目の精霊の守り人がイマイチで、期待せず読み始めたら、これは面白い。
    前回の精霊は描写が薄くてイメージしづらく、背景的な部分も興味を持てなかったけど、
    今回はバルサの故郷での歴史的な儀式、闇の守り人の謎、と引き込まれる要素が多い。
    闇の守り人の真実が明かされる時はハッとした。

    フワフワしたファンタジーよりも、こういったブラックな要素があるとグッとストーリーに深みが出るなと感じた作品。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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