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- / ISBN・EAN: 4988013533585
感想・レビュー・書評
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先日、NHK総合で放映していた『岸辺の旅 /2015』を観ました。
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「湯本香樹実」の同名小説を『トウキョウソナタ』『リアル~完全なる首長竜の日~』の「黒沢清監督」が映画化した感動の夫婦ドラマ。
3年前に失踪し、死者となって帰ってきた夫と、そんな彼を静かに受け入れた妻が、一緒に彼が世話になった人々を巡りながら永遠の別れに向かって旅を続ける姿を描く。
主演は『悪人』の「深津絵里」と『劔岳 点の記』の「浅野忠信」。
第68回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門でみごと監督賞を受賞。
夫の「優介」が失踪して3年になる「瑞希」。
ピアノ教師をしながらも喪失感を拭えないままの孤独な日々を送っていた。
そんなある日、「優介」が突然帰ってきた。
しかも富山の海で死んだと淡々と語る「優介」。
「瑞希」は驚きながらもそれを受け入れる。
やがて「優介」は、死後に自分が旅してきた美しい場所を「瑞希」にも見せたいと、彼女を旅に誘う。
こうしてふたりは、「優介」が3年の間を過ごした足跡を辿り、彼が世話になった人々巡る旅へと出発するのだったが…。
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3年前に夫「優介」が失踪してしまってから喪失感を抱えていた「瑞希」は、ようやくまたピアノ講師の仕事ができるようになった… そんな中突如優介が帰宅し、自分は死んだと告げる、、、
「優介」に誘われるまま旅に出た「瑞希」は、初老の新聞配達員、小さな食堂を営む夫婦、山深くにある農園に住む家族といった3年の間に「優介」がお世話になった人々を夫と一緒に訪ねていく… 空白の時を巡るように「優介」と一緒に過ごしながら彼が感じたことを同じように感じるとともに、見たことのない「優介」の一面も知っていく「瑞希」。
二人は改めて互いへの愛を感じていくが、告別のときが近づいていた……。
不思議な感覚の、独特な雰囲気を持った作品でしたねー 「浅野忠信」演じる「優介」が、彼岸(あの世)と此岸(この世)を結びつかせて、その間を行く旅… なのかな、、、
「深津絵里」も好演していましたね… ホント、独特で不思議な作品でした。
-----staff/cast-------------
監督:黒沢清
製作:畠中達郎
和崎信哉
百武弘二
水口昌彦
山本浩
佐々木史朗
エグゼクティブプロデューサー:遠藤日登思
青木竹彦
プロデューサー:松田広子
押田興将
ゼネラルプロデューサー:原田知明
小西真人
原作:湯本香樹実
『岸辺の旅』(文春文庫刊)
脚本:宇治田隆史
黒沢清
撮影:芦澤明子
美術:安宅紀史
編集:今井剛
音響効果:伊藤瑞樹
音楽:大友良英
江藤直子
音楽プロデューサー:佐々木次彦
照明:永田英則
飯村浩史
VE:鏡原圭吾
録音:松本昇和
衣裳デザイン:小川久美子
ヘアメイク:細川昌子
スクリプター:柳沼由加里
助監督:菊地健雄
COプロデューサー:松本整
マサ・サワダ
VFXスーパーアドバイザー:浅野秀二
出演:
深津絵里 瑞希
浅野忠信 優介
小松政夫 島影
村岡希美 フジエ
奥貫薫 星谷薫
赤堀雅秋 タカシ
千葉哲也
藤野大輝
松本華奈
石井そら
星流
いせゆみこ
高橋洋
深谷美歩
岡本英之
蒼井優 松崎朋子
首藤康之 瑞希の父
柄本明 星谷詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不思議なお話。
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「人間は二度死ぬ。肉体が滅びた時と、みんなに忘れ去られた時だ。」という言葉がある(私が知ったのは松田優作からで、原典は不明)。この映画はそれを具現化したものだと私は受け止めたのだけど、他の方のレビューをワクワクしつつ期待して読んだら、「記憶」について触れてる方がいないようだった。残念。
『岸辺の旅』、まあまあでした。黒沢清という人はカルト映画作家で、昔から映画ファンには人気があったと思う。持ち味は不条理さ、その独特な表現だから、ホラーやサスペンスを作ると「ズレ」ていてとても怖い。それでメジャーな存在になったと思うけど、今作は一応「ヒューマンドラマ」だそうで、不条理、つまり「ルールがない」作風だと、普通に面白いものや感動できるものを期待している一般観客層にはウケないと思う。ブクログの★評価がほぼ3.0なのがその証拠。2.9以下の作品はたいがいつまらない。私もこの作品ではちっとも感動できなかった。元より、本当に観客を感動させたいのか、黒沢清の中に言いたいことがあったのかが疑問で、なんでこういう作品を作ったのかが謎。単純に表現をしたいだけなんとちゃう?カルト映画、カルト作家ってその人のファンは好きだと思うけど、私はそういうカルトに入信するつもりはない。好きな映画監督はたくさんいるけど、面白い作品は面白いし、つまらない作品はつまらないだけです。
と、悪口のような感じになったけど、黒沢清のインタビューをちょいちょい見てたので、ご本人についてはむしろ好きです。
話は最初に戻って、「記憶」について。
この映画がブレていると思う理由は、主人公の深津絵里は死んだ夫のことを忘れたくないし、忘れる必要もないのに、「悲しみを手放して再生する話」のようになってるからかも。話の方向性が違うものを最後に提示されるから、まとまってない。
とにかくルールがない。各キャラクターが消える理由が不明。小松政夫についてはまったく不明で、ぼやかされている。死因は殺害されたか、パソコンには妻との関係性でどういう意味があるのか。
中華料理屋、蒼井優、ラストのおっさんについてはわりと一貫してると思う。ラストのおっさんが一番悲しい。息子がおっさんを見て「知らないおじさん」って言うもの……だから、消える理由は他の人に忘れ去られた時だと思ったけど、そういう一貫した法則性はみられず。
蒼井優のシーン、深っちゃんが頑張ってこれたのはライバルという名の同志がいたからで、ライバルも夫のことを「忘れられない」んだろうなと思っていたのに……ということだと思う。そして、自分が大切に守っていた夫婦生活なんてつまらないことなんだと……。あそこは不条理さが引っかかるところで、むしろ良かったと思う。『スパイの妻』よりもこっちの蒼井優の方が100倍怖かった。
この作品の特徴である「幽霊が実体化する」ことについて。実体化つまり肉体があるということで、これについては序盤から一貫して、深っちゃん演じる主人公は肉体関係を求めている。この点は良かった。『スパイの妻』でも「寂しいかどうか」「裏も表もありません」のセリフで肉体関係が仄めかされていて引っかかったので、そこと通じる。
失踪した男(の肉体)をずっと忘れられない女の話を男性作家が描くと、男のエゴやナルシシズムにどうしてもなりやすい。が、これは原作が『夏の庭 The Friends』の湯本香樹実さんなんですよね。
深っちゃんと浅野忠信はどちらも良かった。浅野忠信は最近よく父親役で見るようになったけど、とても良い。深っちゃんも良い女優さんですね(ただ、今の朝ドラはちょっと……制作陣は何を考えとるんや?)。特に顔が好きなタイプではないからファンまでは行かないけれど、声質、セリフの言い方、語尾の感じ……私にとってはそれらが心地よいことに今回気づけた。同郷なせいもあるかもしれない。
深っちゃんの着てる、緑色のスカート、グレーのカーディガン、ほぼ同じ色のグレーのバラクータG4がすごく可愛くて良かったです。 -
原作未読。ひたすらに深津絵里がかわいいです。
生と死と夫婦愛の物語がベースなのですが、結構不条理でホラーな世界観でした。監督の『クリーピー』を観たことがあり、ホラーテイストなことに妙に納得しました。
三途の川を渡る前の岸辺にで愛する人と旅をして後悔を晴らし、お別れを告げて渡れるなんて、幸せなことなんだと思う。 -
不思議な映画。
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不思議な雰囲気の、よくわからない映画。
見る時によって評価も変わってきそうなタイプの作品。
しかしよくわからない。
セリフが多少文語的な感もある。
出てくる場所はどこも、行ってみたいと思えるところばかりでした。 -
もはや演技かどうかもわからない浅野忠信の自然体が際立つ。
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なんだかピンときませんでした。