- Amazon.co.jp ・電子書籍 (80ページ)
感想・レビュー・書評
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なんとなく内容は知っていたが、きちんと読んだのはこれが初めて。
銀河鉄道に乗ってからの描写はとても綺麗かつ幻想的でとても読んでいて心地よかった。誰かのために生きるという宮沢賢治らしさがとても感じられて読み終えた後の余韻は最高でした。ページ数も少ないからサクッと何か読みたいときにおすすめです。
テスト期間中に読んでしまって反省しているが、後悔はしてない作品! -
お母さんの牛乳を取りに行く最中に眠りこみ、銀河鉄道に乗るという不思議な体験をする。銀河鉄道での旅を通じながら、本当の幸せとは何かを探る主人公の少年ジョバンニ。
様々な出来事を通じて、幸せとは自己犠牲の上に成り立っているのでは、と思うジョバンニであるが、それでも本当の幸せってなんだろう、と自問自答を続ける。
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幸せって何だろう。多分遡ること高校生くらいの頃からだろうか、考えるようになったと思う。
テストでいい点数をとることか、学年で上位何番に入ることか、いい大学に進学することか、彼女がいることか、大手企業に就職することか、好きな人と結婚をすることか、自分の願う部署に就くことか、出世することか、仕事で成果を出すことか、昇進することか、大きな家に住むことか、高級車に乗ることか、高い年収を手にすることか、老いた親を安心させることか。
年を重ねるに連れ幸せとは何かという問いに対する解答案が変化していく。
幸せってなんだろう。
というより今の僕の答えは何だろう。一つに絞るとしたら?
妻をいつまでも思い、支え、愛し、二人で笑いに満ちた暮らしを続けること。
これだ。あ、でもこれは結婚のときの誓の言葉と同じだってことに気がついた。まあ、変化しないこともある、ということでいいじゃないかと、変に自分に言い聞かせて、銀河鉄道の夜を読み終えました。 -
大昔に教科書か何かで一部を読んだかもしれないが、通して読んだのは初めて。言葉の密度が濃くて、一言ずつをかみしめて読んでいく必要がある。
夢の話であることは察しがつくが、最後が悲しく終わるのは意外だった。
今回、電子書籍でお試しとして読んでみたのでした。 -
子供に読み聞かせていたのだが、途中から面白くなって一人で読み終わる。しかし、スラスラと黙読していくと、朗読していたときほど面白くない。細部の書き込みが素晴しく、ゆっくり朗読するくらいのペースで読まないと本当の素晴しさが読み取れないみたい。
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中学生のころに宮沢賢治の作品をよく読んだ。本書も過去に読んだはずである。悲しいかな、本作品についてはあまり記憶がなく、ファンタジックな物語という覚えしかなかった。今回、改めて読んでみて、こんなに見事に人の死を表現していたことに驚いた。不謹慎な言い方かもしれないが、死の病におかされた病室の子供に読んでほしい。乱暴かもしれないが、きっと死への恐怖がなくなるはずだ。しかし、こんな素晴らしい物語を記憶していないなんて、中学生のころの自分は、よほど読解力がなかったのだろう。残念である
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初出は1930年代。最終形に至るまで、大きな改稿が繰り返されたらしい。
当時の時代背景を考えると、かなり先進的な表現だったのではないだろうか。幻想的で空想的な世界観は唯一無二だと思う。
この描写と、「ほんとうの幸福」を探す、というテーマが本作を名作たらしめているものだと理解した。テーマのほうはそこまで汲み取れなかった。