- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4907953085732
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
軽い気持ちで見ていいものではなかった。
今までに見た戦争の映画で1番重くて苦しくて目を背けたくなる作品だった。
多分二度と見ないと思う。それくらいキツかった。
でもサウルの執念、ラストのシーン、ストーリーは良かった。カメラワークにも意味があって凄いなぁと感心したけどそのせいで余計にくらくらした。
背中の赤いバツが酷く印象的で、悲しく胸が痛かった。 -
ただひたすらに情緒を失わせるアウシュビッツの、
死体まみれ恐怖まみれの状況に、
あえてフォーカスを当てない狭い映像が、
サウルを背中から主に追っているのに、
サウル自身の視野にも見える効果。
命をかけているのに、
何度も「お前には息子はいない」と言われるのは、
真実なのか、どうなのか。
いずれにしても、
人間として他者への慈しみを保とうとすると、
あのような極限的な現状では、
それ自体が狂気に見えてしまう。
そのような異常さを伝えるためにも、
戦争に関連した作品は、
この世に残されるべきものだし、
そこから学ばなくてはならないと痛切に感じるのだが、
今なお戦争と差別は消えない。 -
★★★liked it
『サウルの息子』 ネメシュ・ラースロー監督
SON OF SAUL
アウシュヴィッツで死体処理を行うユダヤ人
カメラワークで臨場感、背景のピントをずらした描写で
残酷さをより想像させられ、見てなくても伝わってくる
メッセージ性の強いストーリーを走らせ
偏ることなく両立させてるのが素晴らしいと思いました
ホロコースト物はホントに観るのがツライ
ナチスとユダヤ人
イスラエルのユダヤ人とパレスチナ
人間の愚かさに気がめいる -
アウシュビッツに行き、そこでガイドさんに教えていただいた作品。私は主人公の目線になり、追体験できるものと思ったけど、やはり傍観者になっている自分がいた。ラストのシーンで子どもに微笑むサウル。そこでようやく気持ちが報われたのかなと思った。慈悲なく響く銃声。もっと知りたい。もっと知らなきゃならない。目をそらしてはいけない事実が確かにここにある。
-
共感とか感動とか、そんなものはあるはずがない。人間としての尊厳など微塵もなく、なんの躊躇いもなく頭をぶち抜かれ、次から次にただのゴミのように穴の中へ「廃棄」される。ナチスによるユダヤ人虐殺については、今までいくつもの映画や本やドキュメンタリー番組で見てきたし、私は実際にアウシュヴィッツ収容所にも行った。それでもやはりこういう映画を見ると絶望的な気分になる。
収容所で見つけた自分の息子の死に対して、正常に埋葬する、ただそれだけを描いた内容であるが、あらゆるものが異常な世界では、正常がいかに浮き立つか、ということなのだろう。近接的な映し方ゆえに、余計にもどかしい気分になる。