リップヴァンウィンクルの花嫁 [DVD]

監督 : 岩井俊二 
出演 : 黒木華  綾野剛  Cocco 
  • ポニーキャニオン
3.63
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  • (21)
  • (4)
本棚登録 : 504
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013054592

感想・レビュー・書評

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  • 岩井監督の書く人物には何もないにしても、うんこしたりする人間の厚みがないのは大問題だし、ナイーブ気取ってる頭弱いのの集まりに見えてウンザリする。
    人間には美しい部分があるはずで、それが生きるに値する部分じゃないのか

  • 東京で派遣教員をする七海(黒木華)は、お見合いサイトで出会った男性と結婚を決める。結婚式に出席してもらう親戚がいなかったことから、SNSの知り合いに紹介された代理出席のバイトを雇うことになり、斡旋屋の安室(綾野剛)と出会う。
    人に流されやすい七海は、あやしい安室を疑いもせず(多少あやしか思っても流され)、安室は七海を自分の良いように利用していく。
    ポイントは、安室が七海を特別騙そうとか恨んでいるとか、そういった理由もないことだろうか。ただ、利用できる人間がいたから、それだけ。逆に言えば七海はそれだけの人間でしかなかった。
    しかし、安室に振り回されながら、夫との離婚や代理出席のバイト、真白との出会いを通して七海はしだいに逞しくなっていく。
    最後まで安室は何も変わらないが、ラストシーンの七海は明るい表情をしている。
    幸の薄い主人公を黒木華ちゃんが本当に上手く演じている。『凪のお暇』の凪ちゃんに近い。

  • 岩井作品は最近よく見るが、相変わらず難しい。シーンごとの意味は分かるも、それらをつなげて一つのメッセージ性を理解するのが毎回苦慮する。観客に能動的な映画への接し方を教えてくれる。
    本作ではSNSで人とつながり、気弱な女性を黒木華が演じる。「凪のお暇」でも見せてくれた、薄幸らしさはうまい。
    安室の魂胆や、真白の思いといった部分が明示されないのは、そうした余白を観客にいろんな視点で考えさせるためであろう。ゆえに岩井作品は考察サイトが多数存在する。
    映像も白い三角帽(?)を被る主人公が冒頭に現れるなど、不可思議でありながら印象的なシーンが数多く登場する。

  • THE・岩井俊二監督映画です。個人的にはとても良かった。
    黒木華さんを見た時のイメージで作った物語ということもあって、どのシーンも黒木さんの演技が印象的でした。

    前半は少し冗長だと感じましたが、登場人物たちを描き切るために監督的には必要最低限の物語だったのかなと思います。

    後半のスピード感がありながらもとても濃密な物語に圧倒されます。(それだけに前半を冗長と感じてしまう)
    全編を薄気味悪いベールが包んでいるように感じられるのですが、現代社会と人々の危うさによるものだと思います。
    そんな中、最後の最後、現代の気味悪さとスマートに生きる仮面をはぎ取られた人間の剥き出しの感情が混ぜこぜになったシーンには圧倒されます。

    音楽はウェディング曲で構成したのかな?
    岩井俊二作品らしい画と曲の構成も魅力の一つです。

  • 危うい主人公
    怪しいけど優しいなんでも屋
    幸せが幸せにならない女優
    現実のような現実でないような不思議な世界
    自分の日常も、傍から見たら危ういのかもしれないと思った
    不器用な毎日も、これでもいいのかもしれないと思えた
    ピアノの音が心地よかった

  • 岩井俊二さんファンとしては、納得の作品でした。

    俳優陣も好きな人が多く、特に綾野剛さんの安定感は山田孝之さんを超えてますね。

    長尺なのもあり賛否ある映画ですが、こういう作品を楽しめる人間で本当に良かったです。

  • 映像の美しさや漂う雰囲気は素敵だと思う。
    登場人物は自分は共感できる人がひとりもいなかったので
    物語にはどうしても入り込めなかった。

    久しぶりに偶然にあってお茶でも、までは理解できるが
    それまで連絡を取り合っていなかった程度の仲なのに
    家に呼んで手料理を食べさせ
    更に食事中にAVを見せてくる知人。
    それに対してはっきり拒否もできない七海は
    生徒の言いなりで何一つ言い返さないし
    見知らぬ男を家に入れてしまうし、ホテルにも行くし
    折角トイレという鍵のかかる場所に籠城できたなら
    そのまま警察なりホテルなりに電話をすればいいのに
    安室にチャットツールで連絡をする。
    更にトイレから出て風呂へ入るし、時間稼ぎなら
    他にもある上実際服を脱いでシャワーを浴びる必要もない。
    そもそも安室を何故そこまで信用するのかも謎。
    危機管理能力が無さ過ぎる。

    七海や他の脇役たちがあまりに常軌を逸した言動をするので
    食えない男である筈の安室が際立たない。

    それまでも時間講師で働いていた七海が
    いきなり家を追い出されて細々とでも
    切り崩せる貯金があることも少々不思議だった。
    ネット家庭教師の仕事を増やすとか
    ネットカフェに行くのではなくてホテルでそのまま
    泊まりながら働くというのも謎過ぎる。
    住所不定でも雇ってくれるホテルなら、
    他にやりようがあったのではなかろうかと思ってしまう。

    真白のキャラは魅力的で良かったが
    あまりに破天荒なのにあの七海がなぜ懐いているのか
    イマイチぴんとこなかった。

    悩みを抱えた女性が出口を見いだせず
    一緒に死んでくれる友達が欲しくて
    というあたりはよしもとばななさんのN・Pを思い出した。
    迷惑なキャラなのに魅力があり
    迷いを抱えていて友達と楽しい日々を演じる、
    その切ない感じは個人的にはN・Pの方が好きだし
    設定の酷さの割にあちらの方がちゃんと救いがある。

    ただ本作でも一応七海が前向きになれているようで
    七海だけには救いがあることはある。

  • 2019年10月19日観終わった。アマゾンプライムで。

    なんだか不気味な話。

  • 3時間という長さを全く感じず、不思議な物語の世界の引き込まれていきました。岩井俊二の映画は「Love Letter」以来なのですが、彼が当て書きしたという黒木華の魅力がぐいぐい引っ張ってくれました。

    夫と離婚させられたり、自殺の道連れにされそうになったりと、幸せを掴んだかに見えては不幸に落ちていくスパイラルはなかなか見ていて辛い。これって、善意の固まりのように見える綾野剛が仕組んだことなんだよなぁ。ひどい話です。多分彼の善意の行動は、最後に黒木華にリサイクル品を届けたときだけだと思われます。さんざん酷い目にあった彼女がなんで最後にあんなすがすがしい表情をしているのか不思議なのですが、彼の行動と関係あるかもしれませんね。

  • これは、何という映画でしょうか。なんか意味わからないけど、すごく印象に残る。
    綾野剛がこれまで見たどの役より良かった。ほんと意味わからんけど。
    これなに?

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著者プロフィール

映像作家。1963年1月24日仙台市生まれ。横浜国立大学卒業。主な作品に映画『Love Letter』『スワロウテイル』『四月物語』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』『ヴァンパイア』『花とアリス殺人事件』『リップヴァンウィンクルの花嫁』など。ドキュメンタリーに『市川崑物語』『少年たちは花火を横から見たかった』など。「花は咲く」の作詞も手がける。

「2017年 『少年たちは花火を横から見たかった 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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