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感想・レビュー・書評
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「ゆる言語学ラジオ」にて紹介されていたため購入・読了。
西洋の
・真理の真理
・国家の真理
・神の真理
・存在の真理
の4つの項目に関する哲学的議論の変遷の主要なアウトラインがかなり平易な言葉で非常にわかりやすく書かれている。
いきなり哲学者の著作を読むと「木を見て森を見ず」的な状況に陥ってしまうが、この本は哲学議論の流れとアウトラインをつかむという意味においてたいへん優れたものであろう。
「ゆる言語学ラジオ」で紹介されていた通り、これを読んでおけば「知ったかぶりができる」くらいにはなるだろう。
哲学の普及作として素晴らしい。良書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■こんな人におすすめ
西洋哲学のおおまかな流れを知りたい人
■概要
西洋哲学に大きな影響を与えた人物と考え方が、歴史の流れに沿って丁寧に紹介されています。難しい内容にも関わらず非常にわかりやすく説明されており、事前知識なしでも気持ちよく読み進めることができます。 -
数ある哲学入門書の中で今のところ最強でしょうかw
プロタゴラスからソシュールまで、枝葉末節を極力省き西洋哲学、とりわけ真理探究の現在の到達点を示してくれています。そこから逆算して、いろんな哲人の功績を振り返る見取り図としてもとても有益。
また西洋哲学の限界点もみえたので、ここから東洋哲学に走るのもよし?w -
<概要>
西洋哲学のメインストリームを初心者にも分かりやすく解説している本。哲学は前時代の思想の否定を繰り返して進化していることが良く分かる。中世のデカルト・カントからニーチェへ至る文脈を理解できたことで西洋哲学の輪郭が見えてきた。これまで読んだ哲学に関する本で最も理解しやすい本だった。
<対象読者>
哲学に興味はあるが、どの本を読めば良いか分からない人。 -
ニーチェに興味が少し出てきて、ついでに他の哲学者たちも知りたいと思って手に取りました。
面白いです。 -
★★★☆☆ 育児の合間に楽しく学べる♪
みなさん、おはようございます☀️
3人子育てママ|プロコーチのゆうきです。
子育てに役立つ本紹介→ https://www.instagram.com/bookmamaaaa/
✨子育てに役立った一言
▷真っ直ぐな人生を生きたいと、自分で決めて自分で実行して生きる(Byニーチェ)
知識ゼロでも西洋哲学をざっくりと理解できる一冊。エンタメ感満載で、次が気になる展開だから、子育ての合間に気軽に読めるのがおすすめポイント。知的好奇心を満たしてくれました♪
子育て本ばかり読んでいると、どうしても「やり方」「言い方」に目が行きがちなので、人間の本質的なことを考えるきっかけがほしくて手に取ったのですが、やはり、1段視座が上がった感じがします(たぶん)。
真理とは、国家とは、神とは、存在とは・・・と、壮大なテーマについての偉人たちの考え方を現代風に書き上げてくれています。特に『神は死んだ』の名言で有名なニーチェの章は感動 -
最後まで面白く読めました。
特に近代、現代の哲学者について、
これまでの本より引っ掛かりがあり、
今後読む上で何度か読み返そうと思えました。 -
・プロタゴラス、紀元前485〜紀元前410 ギリシャ
相対主義...場所、時代、人によって価値観・尺度はそれぞれに違っている相対的なものにすぎない。
(尺度...冷たい水も極寒では温かい水となる)
・ソクラテス、紀元前469〜399、ギリシャ
ソクラテス式問答法(質問を繰り返し相手が知らないことに至った時に、知らないことを語っていたとバカにする論法)
無知の知(知らないと思うから知ろうとする、まずは自分が知らないということを認めよう)
・デカルト、1596〜1650、フランス
公理(絶対に正しい基礎的命題)を哲学に定めよう試みる。その方法は真理を見付けることに等しい作業で、全ての物事を疑う事に徹底した。結果「我思う、ゆえに我あり」に辿り着く。全てがウソでも我がウソと疑っている以上、我が存在することは絶対だ。
・サルトル、1905〜1980.フランス
「自由の刑」何を選んでよいか分からない世界に頼んでもいないのに突然放り込まれ、どう生きるか好きに選びなさいと自由を強制され選択させられたあげく失敗したら全責任を負わされる、という宿命を持って生まれてくる。自由に呪われている、自由の刑に処せられている。
・デューイ、1859〜1952、アメリカ
プラグマティズム(道具主義)。「道具として何の役に立っているのか?」というキーワードで考えればよい。例えば、「人殺しはなぜ悪い?」は問題設定がわるく、→「人殺しを悪いとすることが何の役に立つか」と問う。そうすると、人々は安心して生活することが叶うようになる。有用性があることが真理である。
・真理とは、「どんな真理を持ち出してもそれを否定する他者が必ず存在すること」である。すなわち、確実なのは「私」と「他者」の存在。
【国家】
・プラトン、紀元前427〜347、ギリシャ
イデア論...あると信じられているもの(正義や美や三角形など)は、現実とは違う別世界に「ホントウに存在する」と考えた。別世界にある究極の理想のホントウの存在をイデアと呼んだ。
イデア、すなわち「究極の理想」がわかっている優れた人間が、国家を運営すべき「イデアを知るものが王になるべき」論
・アリストテレス、紀元前384〜322、ギリシャ
プラトンが開いたアカデメイアの生徒だが反旗を翻す形。国家は腐敗と革命を繰り返す。
君主制→独裁制
貴族制→寡頭制(寡...人数が少ない、徳がすくない)
民主制→衆愚制
・ホッブス、1588〜1679、イギリス
人は利己的で殺されないためにも殺してしまう。圧倒的強者には立ち向かわない。国家とはその強者(リヴァイアサン)である。現在国家間で戦争が起こるのはリヴァイアサン的な存在が不在であるため。
・アダムスミス、1723〜1790、イギリス
見えざる手。市場原理主義。
・マルクス、1818〜1883、ドイツ
共産主義
【神vs哲学】
ユダヤ人が奴隷として迫害される中、ユダヤ人は唯一神のユダヤ教に身を寄せる。パレスチナに救世主イエスキリストが現れるも「汝の敵を愛せ」など博愛の精神に反感を抱いたユダヤ人はキリストを十字架にはりつけ殺してしまう。後にキリスト教が権力を握り1000年経つ頃、アリストテレスの論理学とぶつかる。論理学の「神は持ち上げることのできない重い石を作ることができるか?」などのパラドクスに屈してしまいそうになるが、キリスト教側は物事の原因の原因の原因...を突き詰めていくと哲学では辿り着けないレベルに至る、つまり哲学と神学とではレベルが違う、と説くことに成功。
・ニーチェ
「神は死んだ」非自然的な幻想、弱者救済システム。それこそが「信仰」や「道徳」の正体だ。
神は弱者(ユダヤ人)が作った弱者による嫉妬や恨みの現れだ、自然では強者が正しかったが、キリストの死は全てを許す(苦渋を耐える、耐えても救いがない、だから相手も許すことで自我を保つ)という思想が弱い者が善であるといった価値観に逆転させた。 -
初心者にはとても難解に見える、哲学をここまで分かりやすく書いてくれる著者に感謝。エンタメ要素もあり楽しく読みすすめる事ができた。特にキリスト教の部分は腑に落ちるところが沢山あり、助かった。
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◎こころ:哲学なくして方法なし
●つぼ:西洋哲学の認識論、存在論の影響が自分の中にどのようにあるかを理解しておく。
★問い:あなたはどんな認識論・存在論の上に自分の方法を置いているか?