町中華とはなんだ (立東舎) [Kindle]

  • リットーミュージック
3.67
  • (1)
  • (2)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (179ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • チャーハンをつくる鍋振りの音をBGMに瓶ビールを飲む。アテは叉焼の切り落とされた端っことメンマが小皿にのってるサービス品。年季が入った赤テーブルは色薄くなり、床は油でだいたい滑りやすい。なぜか中華でカレーライスを提供し、カツ丼までショーケースに鎮座している。
    色褪せた記憶の中で食べた初めてのラーメン。残念ながら後継者がいない場合が多く、「もう一度あのラーメンが食べたい!」と思ってももう遅い。
    馴染みの店に行きたくなる、もしくはあの店の馴染みの客になりたい!と思わせてくれる「町中華」への愛に溢れた一冊。

  • Kindleのリコメンドに出てきた作品。
    まず著者の「町中華探検隊」とは、サブカルの世界では高
    名なライターである北尾トロ・下関マグロの両者が結成し、
    その後薔薇族編集長の龍超などを巻き込んで巨大化してい
    る食べ歩き愛好団体の名称と説明しておく。現在何人の隊
    員がいるのか、正確な数は・・・まぁ解らない(^^;)。

    日本全国、ほぼどこの町にもだいたい存在する「中華屋」。
    昭和以前に開店し、大資本のチェーン店傘下ではない個人
    営業のお店。中華と言ってもラーメン専門店ではなく、メ
    ニューにラーメン・餃子・炒飯が必ずあった上で、セット
    も充実、さらに中華なのにカツ丼やカレー、オムライスな
    ども置いているような、昔ながらの中華食堂のことを
    「町中華」とカテゴライズ。後継者不足などで絶滅が叫ば
    れる町中華を、しっかり記録しておこう、というわりと崇
    高な企画らしい。

    ・・・いやぁ、面白いわ、コレ(^^;)。
    僕自身は決して町中華が好きなワケではない。強いて言う
    のなら、炒飯が時折強烈に食べたくなる程度で、後は冷や
    し中華の出される夏期に数度そういうお店を訪れる程度。
    そして残念ながら(^^;)、この本を読んでいても、紹介
    される料理を食べたい、という気持ちは少しも沸いてこな
    い(^^;)。にも関わらず、読んでいると何故か強烈にその
    お店に行きたくなってくるのが不思議。

    北尾トロも下関マグロも、以前は本当に好んで読んでいた
    アングラの申し子のようなライター。高尚でもなく、心を
    打たれるワケでも無いが、妙な居心地の良さを感じる文体
    は円熟の域。特に中華料理に興味の無い僕が、読み終わる
    頃には特にいっぱしの町中華愛好家の気分になってるのだ
    から、やっぱり彼らの実力はホンモノ。ま、胡散臭いこと
    も間違いは無いけど。

    こちらはUnlimited扱いなので、会員ならとにかく読んでみ
    るべき。アングラの実力を堪能出来ると思うので、ぜひ!

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

同じ1958年生まれのライター、北尾トロ(隊長)と下関マグロ(副隊長)がふたりきりではじめたグループで、経営者の高齢化や後継ぎ問題などによって滅亡の危機に直面している「町中華」を訪問し、日々その研究と記録をおこなっている。当初、メンバーはふたりの周辺にいる出版業界人が中心であったが、いまは職業を問わず、全国的に広がりつつある。2020年1月31日現在、「町中華探検隊(MCT)」のLINEグループには88名が集っている。

「2020年 『町中華名店列伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

町中華探検隊の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×