熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 増補完全版 (幻冬舎文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 印刷会社を経営している身としましては、大王製紙様をよく存じております。とは言え弊社は日本製紙のものが多いですかね。これは流通上の問題です。実は印刷用紙の闇は深いのですよ。メーカー→一次卸→二次卸・・・基本弊社のような超零細企業はメーカーから直接購入できませんので無駄に高い用紙を購入するしかなく、県外の用紙が安いからと言ってもそう簡単に購入できないんですよねー(プンスカ
    それに大王製紙様の工場は愛媛県ですが、近隣の四国より遥か遠い東京の方が用紙代が安いという物流費の謎も有り、やはり用紙メーカーだけに筆者も含めて色んな闇があるのだろうと感慨深く、いや、本題はそこじゃなく、ずっと気にはなっていた本でしたので遂にその闇へ!

    って、滅茶苦茶面白い!何なんですか、これ。一気読みしたので目が乾いてしまったじゃないですかー!
    規模は糞程レベルが違いますが、経営者として非常に理解できる部分も有り、この筆者の凄さ、いや、実に勉強になります。
    もちろん、有名人との交際のくだりはゴシップ好きの私の胸をトキメカセテいただきましたが、何より幼少の頃から社会人までの話を見るに、やはりエスタブリッシュメントの必要性を実感し、あらためてこういう方々が日本を動かしていくのだなあと、差別はいけませんが区別は必要で、地元の飲み屋街でお会いする知識と教養の無い下品な経営者とは全く別次元の方だったんだと、早く復活して欲しい次第であります。

    そもそも会社から100億以上も借りて博打をしてはいけませんね。
    ただ現在株で大損している私の立場からしますと、借りられて羨ましいと、熔けそうな自分を何とか冷やしておりますので個人の借金は住宅ローンだけです。

    安心してください会社からは借りてませんから。

  • 懺悔録ということで犯罪を犯した人だがその考え方は経営者、管理職としては極めて優秀で理想の上司だとわかる。創業者3代目でよく言われるボンボンかと想像するが謙虚であり経歴と実績はたしかなものだ。学歴もさることながら現場での下積みを経験し、赤字を黒字に転換させた具体的な手法が書かれており説得力がある。資産家としてのリアルな生活の描写もとても面白い。会社を相続するのも一見羨ましいが実の弟さんが言うように長男として特別厳しく育てられること。自分の将来が予め決められることは決して幸せだけではなく苦労されたとわかる。

  • 事件報道時には、あまりの金額に驚愕しとんでもない御曹司との印象を持っていたが、堀江貴文氏との対談をきっかけに興味を持ち、この本を読んでみた。対談での受け応えから井川氏の聡明さと人柄の良さを感じたが、やはり本書からもそれを伺い知ることができた。また経営者、カジノといった未知の世界を垣間見ることができた。

  • 本人の懺悔録で、当然面白い。全くの別世界、異次元。欲を言えば沼にハマるプロセスを省略することなく記述して欲しかった。凡人にはそのプロセスを想像することすら出来なかったので。
    筆者は、この本で幾度となく筆者自身は企業人、経営者として真摯に経営に取り組み、能力もあったと振り返る。そうなんだろうなと思わせる点も多い。実績も大したもの。ただ、決してイノベーティブな経営者ではなかったように思う。

  • 水谷隼推薦図書。人間は一面だけ見ていては正しい判断できない。バカは経営者になってはいけない。この人は経営者としては超一流だった。パチンコ、競馬はOKでIRがダメなのはなぜ?との問題提起は核心をついている。

  • 井川氏の最近の活躍を目にして、ご本人の波乱万丈の人生に興味をもって手にしたもの。
    名門企業の創業家の子息の教育論、学閥頂点校(筑駒・東大)での学び、企業経営者として発想・振舞い、有名人の人脈形成やその交流録、海外カジノの裏側、ギャンブル依存症の心理状況、刑務所の生活・・・等様々な経験に基づくテーマをもった書籍であり、それぞれについて関心をもって読めた。また、新たな発見や学びも多かった。
    どれをとっても一般レンジを超えた人生経験であり、本書籍を通してその疑似体験をしてみるのも一興。

  • 結構面白く読めました。
    あまり事件について知らなかったので一人称語りとはいえ読んで良かったです。

  • 大王製紙元会長の自伝(自虐)本。
    カジノでの経緯やその時の勘定が生々しく描かれており、類を見ない稀有な内容。
    特に冒頭と結末は引き込まれてしまうほど素晴らしいのだが、本作中盤は著者の交友関係自慢(?)みたいな内容が続きうんざりしてくる。正直「〇〇と知り合いだ」といった話はどうでもいいし、そんな内容を期待して本作を読んでいるわけではない。唯一そこだけが残念。
    超優秀で、良くも悪くも他の人ができないような経験をできたのだから、ぜひ今後また活躍してほしい。

  • ギャンブルに深くはまっていく人とはどういう特性を持っているのか垣間見える。そして、社長でもあり、成功者でもあるが、仕事は全然楽しくなかったとあった。つかまり退任して、ある意味肩の荷が下りたという気楽さもあるということだった。仕事についても考えさせられる。

著者プロフィール

1964年、京都府生まれ。東京大学法学部卒業後、1987年に大王製紙に入社。2007年6月、大王製紙代表取締役社長に就任、2011年6~9月に同会長を務める。社長・会長を務めていた2010年から2011年にかけて、シンガポールやマカオにおけるカジノでの使用目的で子会社から総額約106億8000万円を借り入れていた事実が発覚、2011年11月、会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕される。懲役4年の実刑判決が確定し、2013年10月から2016年12月まで3年2カ月間服役した。著書に累計15万部のベストセラーとなった『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』(双葉社、のちに幻冬舎文庫)のほか、『熔ける 再び そして会社も失った』『東大から刑務所へ』(幻冬舎)がある。

「2023年 『熔ける日本の会社』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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