レッドタートル ある島の物語 [DVD]

監督 : マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット 
  • ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
3.22
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本棚登録 : 118
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4959241766229

感想・レビュー・書評

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  • 「いつものジブリアニメ」だと思って親にせがんで観に行った子どもは、目がテンになったであろう。

    スタジオジブリが製作に携わっているものの、これはオランダ出身のアニメ作家マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットの作品であり、一般的なジブリアニメとは大きく異なるからだ。

    セリフは一切なし。映像詩に近い作品であり、子どもには退屈だろう。

    ジブリアニメの映像の情報量に慣れた目からすると、すごく情報量が少ない。
    ただ、そのことがイメージの貧弱さにはなっていない。余白が多く、静かなシーンが多いものの、その余白と静謐さの中に豊饒な時間が流れているのだ。

    これは映画館で観るべきだったなァ。
    大スクリーンで観たら、舞台となる無人島に身を置くような感覚が味わえたことだろう。

    物語は神話的というか、まるで日本の昔話のよう。〝物語の原型〟を純粋抽出したようなアニメだ。

  • 言葉がなくてもわかる映画。
    人生について思いを馳せる。

  • フランス昔話『亀女房』

  • 海亀と人間の恋。
    とにかく静かな映画。打ち寄せる波のリズムとともに時間が流れていく。何匹も何匹も死んだだろうに、長い年月が流れてもそこには数匹の白い蟹がいる。そしてその蟹たちはいつもちょっとユーモラスだ。
    難破した男の視点で始まった映画は、海亀の視点で幕を閉じる。男の死後も、世界はずっと続いていくのだ。だからこそ、島に閉じ込められた男の人生は、決して不幸ではない。むしろ死後も世界はある。個人の幸福というケチくさいスケールではない。死後も世界は続いていくからこそ、幸福が存在するのかもしれない。

著者プロフィール

1953年、オランダ生まれ。スイスとイギリスの美術大学を卒業。スペインでアニメーターとして働いた後、1980年からイギリスに居を構える。その後フリーランスとして複数のスタジオで働き、ディズニー作品「美女と野獣」(1991)「ファンタジア2000」(2000)などに参画する。過去の短編アニメーション監督作品では、「お坊さんと魚」(1994)でアカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート、「岸辺のふたり」(「FATHER AND DAUGHTER」)(2000)では同賞を受賞。最新作長編アニメーション映画「レッドタートル ある島の物語」で第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門特別賞を受賞。日本で出版されている絵本に、「岸辺のふたり」(くもん出版)、「オスカーとフー」「オスカーとフーいつまでも」(共に評論社)がある。

「2019年 『あのひと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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