海亀と人間の恋。
とにかく静かな映画。打ち寄せる波のリズムとともに時間が流れていく。何匹も何匹も死んだだろうに、長い年月が流れてもそこには数匹の白い蟹がいる。そしてその蟹たちはいつもちょっとユーモラスだ。
難破した男の視点で始まった映画は、海亀の視点で幕を閉じる。男の死後も、世界はずっと続いていくのだ。だからこそ、島に閉じ込められた男の人生は、決して不幸ではない。むしろ死後も世界はある。個人の幸福というケチくさいスケールではない。死後も世界は続いていくからこそ、幸福が存在するのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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DVD
- 感想投稿日 : 2017年7月17日
- 読了日 : 2017年7月17日
- 本棚登録日 : 2017年7月16日
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