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感想・レビュー・書評
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自分と周りの人々の人生をより豊かにするためのメソッドが惜しみなく盛り込まれた、愛情のこもった本。相手軸に立ち、褒めて相手の生き方や人間性を肯定する。「愛」の反対は「無関心」。「褒める」の反対は「比較」。誠実に相手と向き合い、相手が大事に思うものを自分も大事にしたい。
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いまだに世の中にはブラック企業と言われる会社があったり・・・
パワハラで自分の権力を誇示したり・・・
電車の中で小さな事で口論しているいい歳の大人がいたり・・・
「何か間違ってませんかね?」って分かっているはずなのになかなか改善されない。
これらに関係する人々に、是非この本を読んで感じてもらいたい。
「褒めの効果」については、様々な本でも紹介されているが、この本は他よりも一歩踏み込んでいる点がいい。
それは大きく2点ある。
1点目は「褒め方が大事」ということ。
単純に褒めるだけではダメ。
「行動をほめる」事が重要。コレ結構大事ですわ。
「テストで100点取れてスゴイね」だけでなく「ゲーム我慢して勉強頑張ったものね」を付け加える事だという。
結局「この人は自分を見てくれている」と思うかどうかなのですよね。
前者の褒めだけだと、受け取る側が「表面的」に感じてしまうことがあるそうだ。
これは確かに心当たりがある。
褒められる側の論理として「こう褒めてほしい」という欲求を上手くくみ取ることが信頼関係につながるのだろう。
これについては、ある意味「褒めのテクニック」と思って、すぐにでも実践した方がいい。
決して悪い事ではない。
一言を付け加える事で、劇的に人間関係がよくなるのだから。
2点目は「自分で自分を褒める」ということ。
これは結構意外だった。
日本人の美徳として「謙虚」とか「控えめ」がある。
逆に「自分大好き人間による、他者へのトラブル」が顕在化しているのも、文頭で説明したとおり。
これらを考えると、常識的で真面目な人ほど「自分で自分を褒める」事がしにくい。
しかしこの本では「自分褒め」を推奨している。
落ち込んで、うつ症状に向かってしまう人は、どうしても「自分はダメな人間だ」と「負のスパイラル」に落ちてしまう。
自己評価の厳しい人ほど、そういう傾向にあって、「今日もコレが出来なかった」と自分のマイナス面ばかり見てしまうのだ。
これがよくないのだと言う。
たとえ直属の上司にパワハラされても、冷静に他人が見れば、あなたがダメ人間なハズがない。
逆に「今日はこれが出来た」と自分を褒めることが大事なのだそうだ。
たとえ仕事でミスをしたとしても、朝起きて、満員電車の乗って、会社に来て仕事しているのだから、まずそれを褒める。
小さな「出来た事」を褒めて、それを積み重ねるのだ。
不思議だけど「自分褒め」が出来ると、次は「他者への感謝」、そして「謙虚な姿勢」へと「正のスパイラル」が循環していくのだという。
落ち込んでいても気持ちは決して前に向かないが、「自分褒め」で前に向く。
これはすごく効果あると思う。そしてすぐに実行できる。
この2点に気付くだけで、相当に気持ちが前向きになるのではないだろうか?
(2017/8/16)