新潮 2017年 04月号

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  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910049010471

感想・レビュー・書評

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  • 又吉直樹の「劇場」を読む。 ちょうど、ララランドを観ていたので世界観が全く真逆だなと感じた。
    上京して都会で済む男女の話だけど、ありがちなんだけど少し違和感があった。恋愛小説なのに性的な描写が皆無だったこと。著者本人が意図的にそうしたのかわからないけど、想像がすごく広がるというか、主人公と彼女には性的な想像が浮かばなかったけど、彼女とバイト先の店長、という言葉にはすごく何だか、何かあるんじゃないかと想像してしまった。
    主人公は本当にクズなんだけど、でも主人公と彼女の痛々しさがリアルに、でもキラキラしてるように見えた。

  • 文芸誌を読むのは初めてだが、又吉直樹さんの新作『劇場』を読みたいと思い、購入。『劇場』は、著者の前作である『火花』とは違うテイストで楽しめた作品。恋愛ものがメインであるが、いかにも恋愛感が詰め込まれている作品でなく、恋愛要素が薄かったという印象。純文学の要素の方が強いかなと思う。作中の小説に関して、読者目線での俯瞰的な目で厳しく評価されていて、文章表現に関することで少し驚く所もあったが、ズバッと切り込んでいたのがまた良い味だと感じた。作家は読者からこのような目線で見られているのかなと感じる。

  • 劇場を読むために買った。ものすごくヒリヒリした。

  • 又吉直樹の『劇場』を読んだ。
    前の『火花』にもましてイタいセツない都会に住む若者の話。これで又吉は本格的な小説家になれたと思う。
    ただ、一般ピープルにどこまで受け入れられるか。
    普段小説を手にしない、TV番組でしか彼を知らない人間が何かを期待して読んで的外れな感想をSNSに流すとしたら‥・と杞憂に終わればいいけれど。
    私は大いに評価する。世間の皆様も是非にと願ってやまない。

  • 又吉さんの「劇場」を読む。火花よりはこちらの「劇場」の方がまた良かったと思う。又吉さんが書いた小説になのだから当たり前なのかもしれないが、基本は火花と同じ文体で書かれている。火花をあまり好きにはなれなかったものとしてはそこが残念。でも、サッカーゲームのメンバーを全て文豪にしたところは面白えと思った。

  • 又吉さんの「劇場」読了しました。Nスペで、ご本人がおっしゃっていた通り、前作「火花」に比べて読みやすいように思いました。沙希が、愛おしくてなりません。でも、永田の屈折した感情も理解できます。火花を読んでいる時と同じように、どうしても永田と又吉さんが、ダブってしまいます。

  • 17/3/17
    劇場のみ読了

  • 又吉2作目。個人的には好きだけど、火花を恋愛小説で焼き直しただけにも感じる。今後を考えると、ここから一皮むけることができるかが勝負になりそうだなぁ。なんというか、文章が若くて男のセンチメンタリズムを恥ずかしげもなく出してる感じ。たぶん、前作もそうだけどかなり本人の経験が色濃く反映されてる気がする。とりあえず疑問だったのは、セックスを描かなかったこと。2人に体の関係があったかどうかは想像するしかないけど、あったと考えるなら、そこは正面から描いて欲しかったなぁ。

  • 「劇場」又吉直樹

    もやもやしてる主人公のことはよくわからないけど、人としてかわいいヒロインのかわいさが存分に出ててすごくいいなと思った。

  • 又吉直樹『劇場』目当てで購入。
    もともと著者のエッセイがとても好きで文体が好みなので2作目云々のまえに期待値はあがってしまっていたどうしても。それでも普通におもしろく読み切ることができて、なんだかとってもホッとしたんでした。

    本編は売れない劇作家の恋愛ものがたり。
    恋愛もするけど芸事で飯を食う人間の苦労、それを支えるひとの苦労、それらを取り巻く人間関係のもつれ、たまにみる奇跡、そんな一連のお話すべてが、「つくりもの」感が少ないので読みやすくって入り込めた。
    どうしても演劇、小劇場とかを舞台にすると、なんかサブイな、、と感じてしまうことが結構あって、学生時代にすこしかじった程度にはその世界のはしくれを見てきた人間としては、なんかサッブイとおもってしまう小説が結構あって、正直売れない劇作家が主人公の時点でそれをすごく危惧した。
    芸人と演劇人はやはり似て非なるところがあるなあとおもったので。でもこのひとのすごいところは、自分の身の丈で、みてかんじたほんとうのことを書く、というところにあるなとおもった。小説に血が通っている。
    みにくいメールのやり取りも、どうしようっもない生き様も、なんか、ああ、こういう物の見方、とか。
    ところどころに息吹が感じられて、全部が全部経験則でないにしても、感じたことがあったんだろう、という生きている表現をしてくれるので、こちらもわかる!わからないけどこうなんだろうな!と色んな気持ちになる。

    ところどころにすごくいい文章があって、また出会ってしまったなあという気持ち。
    手放しで最高!ちょうおもしろい!また芥川賞だ!とはおもわなかったけど、ほんとにダメ人間だから主人公とか、やさしすぎる恋人とか、劇団員とか、登場人物たちのことはあんまり好きじゃないんだけど決して嫌いにはなれないなというかんじ。

    西田敏行がなにを演じても西田敏行がでちゃう、みたいな感じで(あえてキムタクにはしません)
    又吉はなにを書いても又吉が出ていて、それはきっと作家の個性の面ですごく貴重なことなのだろうなあ。

    そして今作は攻撃的なきもちがすごく出ていてよかったなあ。火花もそうだけど、穏やかなように見えてすごくすごく頑固だったりこだわりが強かったり曲げないんだろうなっていう面が小説を書くと浮き彫りになるのがたまらんなあとおもうのです。

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