入門 東南アジア近現代史 (講談社現代新書) [Kindle]

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  • タイ植民地にならなかった理由が分かって良かった。
    モノカルチャーと植民地化は関連しているということを知れて良かった。
    1500年のGDPの比率は中国とインドのみで50%を占める、ということを知れて良かった。

  •  東南アジア諸国は多くが欧米植民地となり、日本による占領を経て独立したが、その成り立ちや社会や経済の制度はそれぞれ異なっているいる。「多様化の中の統一」をキーワードに、ASEANなどの地域協調組織を形成し今も経済発展の途中にある東南アジア国家について概観している。

     中国の次は東南アジアに赴任する可能性が高くなっているため、多少は勉強しておこうと読んでみたが、この地域についてほとんど何も知らなかったことを痛感した。

     中国も多民族国家だが大半が漢民族で、政府も一党独裁で強権的に統一されている。これに対して東南アジアの場合、複数の主要民族の格差やバランスに配慮した政治が不可欠となるほど本格的な多民族国家となっていることが多い。

     また国家間でも多様だ。独立後すぐ自由主義になった国もあれば社会主義になった国もあり、発展度合いも異なる。人口も2億を超える国から数百万しかいない国まである。天然資源の豊富な国もあれば何もない国もある。主要宗教も仏教、イスラム教、キリスト教と異なる。国の中でも外でも、まとめるのは大変だろう。

     しかし、キリスト教の自由主義国というひとつの価値観でまとめようとしたEUで様々な問題が起きている現状を見ると、「多様性の中の統一」という東南アジアのゆるやかな協調方式は、長い目で見ればうまくいくのではないかと思われる。

  • ベトナムは 「外 」から中国に攻撃されると 、国家危機を乗り切る国民統合の一環として 、 「内 」なる中国ともいえる華人国民の粛清に乗り出した 。南部の主要都市ホ ー ・チミンなどに住む華人国民の財産を没収し 、山岳僻地への入植か 、海外出国を迫り 、海外出国を選択した者を 、着の身着のまま老朽化した漁船などに乗せて南シナ海に放り出した 。これが 、国際社会から強く非難された 「ボ ート ・ピ ープル 」である 。

  • 東南アジアの近代史の入門書。「多様性の中の統一」をキーワードに、各国の政治から経済、ASEANに至るまでを分かりやすくかつコンパクトにまとめる。

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著者プロフィール

元アジア経済研究所地域研究第一部主任研究員
元拓殖大学国際学部教授

「2023年 『現代アジアの「民主主義」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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