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感想・レビュー・書評
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この本は売れるためだけではなく、とにかく面白い記事を作ろうじゃないかという気概に溢れた新谷様の思いの籠った素晴らしい本です。著者とこの本を出版したダイヤモンド社に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
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さすが週刊文春だと思った。週刊誌としての矜持がある。とにかくスクープを取る事に全力を挙げる。そしてそれは伝聞や噂ではなくて事実としての裏付けを取る。そこに全力を挙げる。訴訟に対して対応できる強固な記事を作る。この編集長の姿勢は素晴らしい。他のメディアのあまりにも弱腰な報道の姿勢は呆れるばかりだ。日本のジャーナリストの姿勢が問われる。
人に会い、情報を集め、交渉し、わかりやすく伝え、人の心を動かす。これに尽きる。
そしておもしろがれることを重視する。世の中で起こっている様々な出来事、あるいは話題の人々。それらをおもしろがる気持ちが、スキルやノウハウよりも大切だ。「おもしろきこともなき世をおもしろく。」政治家だろうが、芸能人だろうが、人間ておもしろいよなと思うことだ。
世の中の空気を肌で感じ、あらゆる物事に敏感になること。それが全ての原点である。人間はおもしろい、おろかだし醜いけど、かわいらしいし、美しくもある。どこに今風が吹いているのか。人々が何を知りたいと思っているのか。文春に何を求めているのか。
情報はギブアンドテイクであり、直接会う事しか信頼は生まれない。バットは降らなければ絶対ボールには当たらない。
トップが信頼している人を見つけ出すことことが1番重要である。会う人に対して覚悟を持って付き合う。どういうリーダーならついていくのか。大切なのはとにかくやり続け続けることだ。異論反論こそがリーダーを鍛える。
週刊文春の雑誌作りには、マーケティングと言う文字は無い。見たこともないモノであり、誰もが予想がつかないものを求めている。マーケティングをしてもほとんど意味は無い。どうなるか分からないからおもしろい。
サプライズとクエスチョンに答える。どうなるではなくどうするかだ。その意思が大切。
悩む暇があるなら、やる事は全部やる。まず頼んでみる、断られてからが仕事。何のために働いているかを常にかんがえる。大切なルールは、「嘘をつかない。弱い者いじめをしない。仕事から逃げない。」そして、ネタに対してフェア、人に対してもフェア、仕事に対してもフェアでないといけない。
相手にとって不都合な事実。ファクトで勝負する。論よりファクトだ。週刊文春はイデオロギーよりリアリズムで戦う。週刊文春が正義の味方でもなく悪を裁く雑誌ではない。右も左もない。あるのは事実とファクトのみ。敵とか味方とか、好きとか嫌いとかよりも、まず事実か事実じゃないかということが全てだ。常に黒と白の複眼を持つ。白くすることを怠らないこと。
雑誌が売れないと言われて久しい。本当にもう雑誌はダメなのか。大切なのは中身。どういうコンテンツならお金を払ってもらえるか。そこをとことん突き詰めるべきだろう。見たい、読みたいと言う読者のニーズに即応できなければビジネスとして生き残れない。リーダーの決断における正当性と合理性。スクープ主義と人をおもしろがれることが週刊文春の価値である。
文春砲と言われるほどに、頻繁にスクープする。政局さえも変える力がある。週刊文春の編集長は何をこだわっているのかが、実によくわかって頼もしかった。 -
人間の業の肯定。no.139
2016年3月より、一つの記事につき3万円をいただくようになった。動画は1本5万円だ。スタートから10ヶ月ほどで、記事使用による収益は3600万円を超えた。こうした収益が取材費、人件費に還元できれば、スクープを最大の武器とする週刊文春のビジネスモデルの幹はさらに太くなるのだ。no.2404 -
一世を風靡した文春砲の舞台裏は、
基本に忠実な取材だったと改めて感じた。
トップの役割、チームのあり方など、
いろいろな仕事に参考になりそう。