幸福の「資本」論――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」 [Kindle]

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  • この本の残酷な所は、
    これから、個人が、
    「好きなことで生きていく」「得意なことで生きていく」ことが、
    「正しい生き方」であると、喝破している点だと思います。

    少し前の、日本では、それらの価値観は、「正しくない生き方」とされ、
    全否定されていました。強者以外は、それらの言葉を口にはできませんでした。
    「そんな人生甘くないよ」、「もっと現実をみろ!」というのが、
    その価値観を否定する、もっともスタンダードな言葉です。

    しかし、ここ十数年で、
    日本と日本人を取り巻く環境がガラリと変わってしまいました。

    相変わらず、政府は、経済成長、経済成長と言っていますが、
    成長できる資源は、日本は、どんどん減少しています。
    多くの識者が指摘していますが、日本の国際競争力は、
    もはやかなりの分野で、失われています。
    これから、競争力をつけるといっても、その担い手である、
    人材の絶対数が著しく減少します。
    今の状態を維持するのも、やっとだと思います。

    また、上場企業が倒産することは、珍しくなくなりました。
    リストラは今や当たり前となり、組織に依存して生きるというのが、
    かなりリスクな生き方になりました。

    日本は、超高齢化社会+人口減少社会+少子化+労働者数の減少という
    未曽有の社会に突入し、社会の様々なシステムが機能しなくなっています。

    橘氏の一連の著作は、個人が経済的合理的に生きるには、
    どうすればいいか、個人が国家や組織に依存せずに、
    どう生きればいいかという視点で書かれたものが多いですが、
    この著作では、個人の生き方をリスクヘッジする上での
    最適化する「生き方」を述べています。

    それが、自分の持っている資源(人間関係、能力、資産等)を、
    「好きなこと生きていく」、「得意なことで生きていく」へ投入するというやり方です。これが、最も個人を最適化できる生き方です。

    何かに依存することでしか安定を感じられない、そうでなければ、
    不安になるというのが、
    多くの日本人のメンタリティーです。

    以前は、会社が豊かになれば、個人が豊かになりました。
    今は、全くそうではありません。
    それは、世帯収入を見ると、はっきりします。
    94年比較で、2割以上収入が低くなっています。一方GDPは増加しています。
    一生懸命努力してきましたが多くの日本人は、貧しくなりました。
    今後は、もっとこの傾向が顕著に出てきます。

    以前まで美徳とされていた人生観や労働観が、全く役に立たなくなっています。
    それを認識する上で、橘氏の著作が一定の指示を受けるのは、非常に頷けます。

  • 自分も仕事の幸福とは何か思い悩むことがあったが本作はそれが体系的に言語化されており悩みが解消できた。そもそも働き方の選択の自由のないサラリーマンがお金に困らない人生を送るためにはとにかく長く働き続けるほかない。にも関わらず日本の企業は終身雇用や年功序列、チームワーク主義を理由に自社でしか通用しない汎用的かつゼネラリスト的な役割を求めるためいつしか骨抜きにされてしまう。そのような環境下でも将来の転職を見据え自分の市場価値を保つためには少しでも日々得意な仕事に注力し、特化したスキルを養うべきだと思った。

  • 幸福の資本論 2017

    橘玲氏による著作。
    2017年6月14日プリント版第1刷発行
    2017年6月16日電子版発行

    人生の土台論ともいうべき本。
    橘玲氏はかつての著作でも散々に経済的独立の達成こそが自由に必要不可欠であると指摘していた。ただ金融資本だけではなく、社会資本、人的資本もあっての幸福であることをまとめた内容となっている。この本から派生した他の本(専業主婦は2億円損をする、人生は攻略できる)も出るほどになっている。その意味においてこの本は橘玲氏にとってターニングポイントになったのではないかと2022年の今だから呑気に思う。
    かつて紙の本でも読み、レビューしたこともある。ただ失われた為、再度、記録しておきたいと思う。

    参考になった箇所

    ひとは、自分と似ている人からの助言が最も役に立つ。

    経済的に独立した一介の物書きとして、どんな組織にも所属せず、誰に遠慮する必要もなく好きな事を書き、(批判も含めた)読者の声を社会資本とし、誰も読んでくれなくなったらそれでお終いだと思っています。ささやかなものですが、私にとってこれ以上望むもののない人生です。
    もの書きになってからずっと、この仕事は「読者を探す旅」だと考えてきました。その一方で、読者もまた著者を探しているはずです。

    かつて「幸福」は神の専売特許でした。しかしダーウィン以降の私達は、もはや神に頼ることはできません。幸福は主観的なものですが、だからこそ「自分の幸福」については自分で考え、「設計」するしかないのです。

    困難が大きいほど、それを乗り越えた時の幸福感も大きいのなら、「幸福」は理想の人生のポートフォリオの中にあるのではないことがわかります。
    幸福な人生を目指して頑張っている時が、最も「幸福」なのかもしれません。

    1金融資産は分散投資する
    2人的資本は好きなことに集中投資する
    3社会資本は小さな愛情空間と大きな貨幣空間に分散する
    こうやって頑健な「土台」をつくった後で、それぞれが自由な選択で「幸福な人生」という家を建てればいいのです。この本で述べた事は、要するにこれだけです。

    金融資産 「経済的独立」を実現すれば、金銭的な不安から解放され、自由な人生を手にすることができる。
    人的資本  子供の頃のキャラを天職とすることで「ほんとうの自分」として自己実現できる
    社会資本  政治空間から貨幣空間に移ることで人間関係を選択できるようになる。

    「ほんとうの自分」とは、幼い頃に友達グループの中で選び取った「役割=キャラ」の別の名前です。
    このように考えると、地方のマイルドヤンキーが「自己実現」で悩まない理由がわかります。なぜなら彼らは強いつながりの中で学校時代の友達関係を維持し、同じ「キャラ」を演じ続けているのですから。

    「強いつながり」を恋人や家族にミニマル化(最小化)して、友情を含めそれ以外の関係は全て貨幣空間に置き換える
    その上で、ひとつの組織(伽藍の世界)に生活を依存するのではなく、スペシャリストやクリエイターとしての人的資本(専門的な知識や技術、コンテンツ)を活かし、プロジェクト単位で気に入った「仲間」と仕事をします。

    もうひとつは「強いつながり」が社会学でいう内集団で、メンバーの「情緒的共感」が幸福感を生む一方で、その一体感が外集団(自分たちでない者)の排除や差別からもたらされることです。学校のいじめが典型ですが、会社の同期からママ友に至るまで「友達の輪」がこうした残酷さを持つことは経験した人なら誰でも知っているでしょう。

    経済的に独立し、充実した仕事をし、家族や友人との強い絆で囲まれた人生を理想とする人は多いでしょうが、多くの場合、こうした「超充」の人生ポートフォリオは実現できません。なぜなら、お金が人間関係のトラブルを呼び込むからです。

    BOBOSたちは既に十分なお金を持っているので資産の額にはあまり関心がありません。
    高級ブランドではなくUNIQLOの服を着て、銀座の料亭ではなく近所のビストロで家族でのんびり食事をするのを好むような人たちでもあります。そんな彼らが心の底から手に入れたいと願っている希少な宝石 彼らにとって真に価値あるもの は、知的コミュニティの中での評判です。

    BOBOSの多くは弁護士やコンサルタントなどの専門家か、独立したプロジェクトを任された会社内のクリエイティブ・クラスで、自分たちをスペシャリストよりもクリエイターだと考えています。彼らの憧れは有名企業の社長や富豪ではなく、詩人や小説家、TVキャスターといった知的有名人すなわち本物のクリエイターです。
    (ここの部分は個人差あるんじゃないかと思った。尊敬できるジャーナリスト(例えば立花隆)もいれば、なんやねんこの小説家(例えば百田尚樹)という人間もいる)

    誰にも身に覚えがあるでしょうが、世の中には一定数(経験的には5%程度)の困った人がいます。彼らは今、教育の現場ではモンスターペアレント、医療現場ではモンスターペイシェントとして社会問題になっていて、その一部はサイコパスと呼ばれる精神病質者です。
    幸福感を毀損する一番の要因は、こうした人達と関係を持たざるを得なくなることです。

    幸福についての研究では、「自分の人生を自分の自由に決められる」ことが幸福感に結びつくことが分かっています。これが「自己決定権」で、人生の自由度が大きいほど人生に対する満足感は大きくなります。

    日本語の複雑な尊敬語や謙譲語は、お互いの身分や関係を常に気にしていなければならなかった時代の産物です。それが身分の違いがない現代まで残ってしまった為、命令形は全人格を否定する上から目線になってしまいました。日本語はフラットな人間関係には向いていないのです。
    老若男女を問わず異常に丁寧な言葉づかいが氾濫する理由は、人間関係のコンテキストがあまりにも複雑すぎて、日本人ですら日本語に混乱しているからかもしれません。

    同様に、個人の生活においても金融資産(貨幣空間)と社会資本(政治空間)は原理的に両立不可能です。富(金融資産)が大きくなると、全ての人間関係に金銭が介在するようになって友情は壊れていきます。地方のマイルドヤンキーが友情を維持できるのは、全員が平等に貧しいからです。
    こういう言い方をすると夢を壊すかもしれませんが、愛情と友情に包まれた億万長者は物語の中でしか存在できないのです。

    市場のゲームを「グローバリズム」とか「ネオリベ」といって嫌悪する人がたくさんいますが、戦争や内乱のような「人殺し」は政治空間でしか起こりません。貨幣空間は、原理的に暴力を排除するのです。

    権力ゲームは、敵と味方を分ける所から始まります。味方を増やし敵を殺すことで、より大きな権力が獲得できる。ドイツの法学者カール・シュミットは、政治の本質を「あいつは敵だ。敵を殺せ」と要約しましたが、政治空間は人々を熱狂させ、戦争に駆り立てる血なまぐさい世界でもあります。

    友達関係の核にあるものは何か。それを一言で言うなら「平等体験」です。

    地方のマイルドヤンキーは、乏しい金融資産と人的資本を「イツメン」という社会資本で補っています。彼らが絶対に地元を離れようとしないのは、同じ空気を共有できなければ友情は枯れてしまうことを知っているからです。友達とは、時間軸だけでなく空間的にも排他的な人間関係なのです。
    たまたま友達になったとしても、学校が変われば友達関係はリセットされます。私立学校に進学したり、大学で地元を離れればそれまでの友情は摩滅していくでしょう。異なる友達関係はお互いを排除しあうのです。
    地球上には何十億人もの人が生きていますが、私達はこの極めて限定的な条件を満たした人としか友達にはなれません。その上仮に友達になったとしても、それを維持するのはもっと難しいのですから「友達」がいること自体がひとつの奇跡です。
    こうして、40代を過ぎた頃から友達は急速に減っていきます。私は「友達が一人もいない」と悩んでいる人を何人か知っていますが、彼らは地方から上京し、自営業で働いています。日本的な友達関係から完全に切れたところで生活しているのですから、友達がいないのは当たり前で、性格に問題があるとか、生き方が間違っているとか、そんなことで悩む必要は全くありません。もし何かが間違っているのだとしたら、それは日本社会の方でしょう。

    「幸福」は社会資本からしか生まれない

    人生100年時代の人生戦略は、いかに人的資本を長く維持するかにかかっています。そのためには「好きを仕事にする」ことが唯一の選択肢なのです。
    60代、70代になっても人的資本を維持できるかどうかで、超高齢社会の格差はさらに拡大していくでしょう。私達は「好きを仕事にする」以外に生き延びることのできない残酷な世界に投げ込まれてしまったのです。

    「生涯共働き」を超える最強の人生設計はありません。

    「生涯現役」なら老後問題そのものが無くなってしまいます。

    老後とは「人的資本を全て失った状態」のことです。

    フリーエージェントへの道
    1好きなことに人的資本の全てを投入する
    2好きなことをマネタイズ(ビジネス化)できるニッチを見つける
    3官僚化した組織との取引から収益を獲得する

    弱者の3つの戦略
    1小さな土俵で勝負する
    2複雑さを味方につける↔ルールがシンプルなゲームは強者に有利になる
    3変化を好む

    組織においては「標準化はコスト減、カスタマイズはコスト増を招く」のです。
    この定理に従えば、利潤の最大化を目指す経営者はイノベーションを抑圧し、あらゆる業務を標準化しなければなりません。これを徹底したのがマクドナルドで、それによって地方の小さなハンバーガーチェーンから世界的な大企業へと成長しました。
    効率化のためにイノベーションを抑圧しなければならないのは、企業だけでなく軍隊や官僚組織も同じです。戦闘のとき、兵士が命令に従わず勝手なことをはじめたら部隊は大混乱に陥ってしまいます。巨大組織は、構成員の個性を徹底的に抑圧し、ロボットのように動かすことによってはじめて機能するのです。
    しかしその一方で、何の変化もなく旧態依然では、組織はやがて腐り果ててしまうでしょう。時代の変化に合わせて新しい製品やサービスを開発していかなければ、市場からの退出を迫られます。こうして組織は、イノベーションを抑圧しつつ、イノベーションを実現するという困難な課題を抱え込むことになるのです。

    通常の組織構造とは独立した小さなグループにイノベーションを任せる

    うまくいくこともあれば、失敗することもある。

    失敗の大きな理由は、チームがあまりに自由奔放にやりすぎると、開発された製品が現実の市場にまったく合わないことでした。高尚すぎるアイデアは、新たなコストセンターをつくるだけなのです。

    経営者自らが大きなリスクを取ってイノベーションを目指すことです。創業経営者であれば組織のしがらみにとらわれることはなく、当然のことながら、成功すれば青天井の報酬を堂々と受け取れます。日本でもすぐに何人かの経営者が思い浮かぶでしょうが、これは欧米も同じで、アップルやグーグル、フェイスブックなど成功したIT経営者はすべてカリスマ的な創業経営者が意思決定しています。(かつてのマイクロソフトも同じです)
    この法則が正しいとすると、カリスマが去って官僚化した企業からはイノベーションは生まれません。とりわけ日本の会社では、社長は「正社員の代表」でその使命はできるだけ大過なく「社員共同体」を維持することなのですから、原理的にリスクを取ることなどできるはずがないのです。
    しかしこのような会社でも、イノベーションがなければ生き残ることができません。このときの選択肢は、おそらくひとつでしょう。それは、イノベーションをすべてアウトソース(外注化)することです。
    これならリスクを取るのは外注先で、失敗すれば勝手につぶれるだけです。その一方でイノベーションに成功すれば、有利な契約によって成果を取得すればいいし、その際に社員に比べて法外な報酬を支払ったとしても社内の和を乱すこともありません。社員の関心は同僚との相対的な優劣で、よそ者のことはどうでもいいのです。


    世の中になぜ会社があるのでしょうか。この問いにはすでに、近代経済学の祖アダム・スミスが明快な答えを出しています。それは「分業した方が効率がいい」からです。

    スペシャリストになるには
    好きなことに人的資本の全てを投入する
    これだけです。

    好きなことが得意になり、それ以外のことはやってもできないのです。

    石の上にも3年→3年も座っていられるのは「好き」だからです。そうでなければ、誰もそんな拷問に耐えられないでしょう。

    35歳を過ぎると人生の選択肢は急激に減っていきますから、その前に自分の人的資本をつくらなければなりません。酷な言い方かもしれませんが、40歳を過ぎて、あるいは50代になってから「サラリーマンとしての人生」に疑問を持ったとしても、もはや別の選択はなく、できることと言えば、必死に会社にしがみつき、無事に定年を迎えて退職金と年金を受取ることを祈るだけです。

    企業であれ、個人であれ、知識社会に適応できなければ脱落するだけだ

    純化した知識ビジネスでは、イノベーションは極めて高い知能を持った人間にしか生み出せないのです。ちなみにこの「知能」は学歴とは関係ありません。ビル・ゲイツもスティーブジョブスも大学を卒業していませんし、Googleは一時、「博士コレクター」と揶揄されるほど有名大学の博士課程の卒業生を優先的に採用しましたが、彼らが全く使えなかったためわずか数年でその方針を撤回しました。

    経済合理的に行動すれば、努力などしなくても自然と倹約することになります。

    倹約のルール
    同じ結果を得られるのなら、安ければ安いほどいい。

    マイナス金利の世界では、賢い人は利潤を最大化するために金融資本よりも人的資本を有効活用する、すなわち「働く」のです。

    私の理解では、資本主義=資本市場とは「株式会社によって自己組織化した複雑系のネットワーク」です。
    株式会社というのは「複数の株主が有限責任で事業に投資することでリスクを分散する仕組み」で、大航海時代の商人はこれによって、嵐で商船が沈んだり、海賊に襲われて全財産を失うリスクを回避できました。

    お金の限界効用が逓減する
    いったんお金から「自由」になると、それ以上収入が増えても幸福度は変わらなくなる

    1年収800万円(世帯年収1500万円)までは、収入が増えるほど幸福度は増す。
    2金融資産1億円までは、資産の額が増えるほど幸福度は増す
    3収入と資産が一定額を超えると幸福度は変わらなくなる

    サラリーマンが生涯に払う「税金」は1億円(社会保険料を含む)

  • 幸福の人生への戦略として、金融資産と人的資本と社会資本という3つの要素を使って解説しています。
    この3つの要素を使って多くの人のパターンが分析できるのが面白く、例えば地方のマイルドヤンキーがこの3つの要素をどのようなバランスで持っているか、という話がわかりやすかったです。
    その上で結論として現代で幸福を得るためにそれぞれの要素でどのような戦略を取るべきかという話に納得感があり、個人的には著者の方と感性が近かったのか、満足できる結論でした。

  • 現代の幸福な人生への最適戦略がわかる

    ①経済的独立を実現すること
    ②好きな仕事で自己実現すること
    ③大切な人のごく小さな愛情空間を核にして、貨幣空間の弱いつながりで社会資本を構成すること

    無理やろと思った人は一回読んでみてほしい

  • ちょっと幸せな人生の最適ポートフォリオ。①金融資本:経済的独立を実現し、自由な人生を手にする。②人的資本:ひとつの組織に依存せず、専門知識・技術やコンテンツを活かしたスペシャリストとしてのフリーエージェント的な仕事(好きなこと、本当の自分)で自己実現を目指す。③社会資本:愛情空間(強いつながり)は家族や恋人に最小化し、友人や趣味仲間などの関係は貨幣空間(弱いつながり)に置き換える。人生の土台となる3つの資本=資産は「金融資産」自由、「人的資本」自己実現、「社会資本」共同体、人間関係、繋がり。「幸福な人生」の最適ポートフォリオは大切な人との小さな愛情空間を核とし、貨幣空間の弱いつながりで社会資本を構成すること。強いつながりを家族に最小化し、他は貨幣空間に置き換える。幸福な人生とは。①金融資産:「経済的独立」を実現すれば自由な人生を手にすることができる。②人的資本:子供の頃のキャラを天職とすることで「ほんとうの自分」に。③社会資本:政治空間から貨幣空間に移る。

  • 金融資産(金融資本) 人的資本 社会資本 の3つで幸せを考える。 凄く分かりやすいし納得のいく考え方。 この3つをどうバランスよく自分にとって心地よい形に持ってくか。それが大事。 経済的自由を目指しながら、 試行錯誤して自分の「稼ぐ力」を伸ばそうとしながら、 家族を大切にしつつSNSでも少しずつ「ゆるい繋がり」の知り合いが増えていく。 3つの資本の向上を目指す今、現在の過程がまさに「幸福」と言える。 引き続き頑張っていきたいと思えた一冊。

  • 実用的なフレームワーク。
    ただし、資本•資産という考え方だけでなくそれを獲得するための活動までブレイクダウンして実践しなければ意味がない。

  • 金融資本、人的資本、社会資本に整理され、分かりやすく、さまざまな文献から示される内容は、とても参考になった。

  • いわゆるリア充、プア充から超充という完璧な人まで8つの人生パターンを見ていき、未来を決める金融資産、人的資本、社会資本の3つの資本の観点で、先が不透明な将来に向けてどう生きていくかを説いた本です。
    本全体を通して、日本に関してはわたしより悲観的だという印象も持ちましたが、35歳や40歳にむけていかに幸福な人生に向かっていくかという意味で、知識社会に最適化した現実的な戦略案を知れたのは本当に大きかったです。

著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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