ディファレンス・エンジン(上) (ハヤカワ文庫SF) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • お話はヴィクトリア小説なんだけど、チャールズ・バベッジら産業急進党が政権をとって、機関(エンジン=蒸気コンピュータ)で社会を革新している世界のことが書いてある。

    第一章の主人公はシビルという女性で、ラッタイト運動の指導者の娘だが、高級娼婦に零落している。ミックという機関成金とフランスにいくために、ミックが働いているテキサス元大統領の演説会に、シビルはサクラとして参加するが、テキサスからの暗殺者(ゴーリアドの天使)によって、ミックは殺され、シビルは単身どこかに向かう。

    第二章と三章はアメリカのワイオミングで、ブロントサウルスの化石を発掘したマロリーが主人公。悪漢に襲われていたエイダ・バイロンを救って、なぞのカード(=プログラム)を預かる。これで恐喝されるという筋である。蒸気ガーニー(=自動車)レースで、友人の車に賭けて大儲けをする。この車は「機能が形態をつくる」という進化論(形態学)の理論で作られている。この作品世界を説明している部分で楽しいが、いまとなっては斬新ではない。

    スチームパンクを有名にした作品である。1991年

  • 読了。難しいね。これはストーリーというより、世界観を楽しめばいいのかな。そういう意味では良かったんだけど、タイトルになっている割にディファレンス・エンジン(階差機関)そのものが決定的なファクターになっておらず、スチームパンクの道具の一つでしかないことには不満が残る。その時代にはなかったはずの機械を使って当時の(現実の)社会問題を解決するといった話ではなかった。

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著者プロフィール

ウィリアム・ギブスン
William Ford Gibson
米国のSF小説作家、脚本家。1948年、サウスカロライナ州コンウェイ生まれ。1984年発表の「ニューロマンサー」(ハヤカワ文庫刊)で長編小説デビュー。本作のヒットによって〝サイバーパンクSF〟と呼ばれる文学ジャンルが確立した。以後、「電脳」三部作、『ディファレンス・エンジン』、「橋」三部作など数多くの著作を発表している。ハリウッドからも早い段階から注目されていたものの、彼の原作である『ニューロマンサー』『クローム襲撃』なども映画化の案アナウンスは出るものの実現にはいたらなかった。ギブスンの関わった映像作品には以下がある。脚本を執筆した映画『JM』(1995)、短編『ニュー・ローズ・ホテル』を原作とした『ニューローズホテル』(1998)、テレビシリーズ『X-ファイル』の2エピソード(「キル スウィッチ」「ファースト・パーソン・シューター」)の脚本を執筆している。

「2022年 『ウィリアム・ギブスン エイリアン3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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