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- / ISBN・EAN: 4580117626356
感想・レビュー・書評
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問題意識はわかるが、普通の母親、小池栄子をまるでステレオタイプな悪役かのように仕立てるシナリオには辟易とする。なにかにくらべればまし的な対比がうさんくさい。子役はうまい。しかし、この映画には何故か父親が登場しない。母親に対する息子も。子役が女児だからかろうじてなりたっているリアリティなんでは?、
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トランスジェンダーがテーマで腹立たしい映画。「トランスジェンダーは普通の人ではない。」「つきあうな。」「病院は男病室になる。」「女性にはなれても母親にはなれない。」とこれだけ露骨な性差別者を悪役として出してきて、それを単純に非難するというコンセプトに何の意味があるのだろう。なんともイージーなつくりだ。
性同一性障害については理解が進んでいて、それを前提としてそれでも残る偏見とか苦悩とか孤独とかもっと深いところでのとりあげることはできなかったのだろうか。
母親は子どもを捨てて遊び歩いていて、これにも批判的なんだが、瀬戸内寂聴を連想する。悪いとなじることはカンタンだが子どもを捨ててしまうほどの人間の業とは何なのだろうかと考えることもできたのではないだろうか。どこまでも表面的。男根形毛糸を108編んで燃やすというのも本人がそれで満足なら別にいいことだが、こちらにはセンチメンタルなだけで何も響かない。
黒板に落書きされていて、それは仲の悪い男友達以外考えられないのに急に仲良くなったり、それをまた親が偶然見かけたり、その子もトランスジェンダーの可能性があるのにそちらの話は放置だったり不自然なシーンが目につく。
唯一良かったのは生田斗真の好演でしょうか。ちょっと善人すぎてこれも表層的なんだがそれはスタッフの責任として抑えて難しい役ををこなしている。