- Amazon.co.jp ・電子書籍 (235ページ)
感想・レビュー・書評
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古くて都合の悪い取り決め=新しくて見栄えの良い取り決め+密約
この式に当てはめてみると、不思議でしかなかった、ほとんどの謎が、すっきり解ける。軍事面から見た戦後日本の歴史とは、米軍が朝鮮戦争の最中に描いたこの安保条約の原案が多くの時間をかけて、少しずつ実践されていく、長い1本のプロセスと言える。
事実は、きちんと見た方が良い。事実を知りその全体像を解明するところからしか、事態を打開する方策が生まれてこない。
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知ってはいけない
隠された日本支配の構造
力作です。
本書は冒頭、「私たちが暮らす 『戦後日本』という国には 、国民はもちろん 、首相でさえもよくわかっていないそうした 『ウラの掟 』が数多く存在し 、社会全体の構造を大きく歪めてしまっています 。そして残念なことに 、そういう掟のほとんどは 、じつは日米両政府のあいだではなく 、米軍と日本のエリ ート官僚のあいだで直接結ばれた 、占領期以来の軍事上の密約を起源としているのです 」と断言しています。
そして、目次を見ると、「日本の空は、すべて米軍に支配されている」、「日本の国土は 、すべて米軍の治外法権下にある」、「国のトップは 『米軍 +官僚 』である」、「政府は憲法にしばられない」等々。平成30年においても、GHQによる支配がまだ続いているような事象が記されます。
例えば、「ところが日本だけは 、米軍ヘリやオスプレイの墜落事故のケ ースを見てもわかるように 、敗戦後70年以上たってもなお 、事実上 、国土全体が米軍に対して治外法権下にあるのです 」とストレートな表現で如何に我々日本人が米国になおも支配されているかが、根拠をもって示されていきます。
最初、胡散臭い印象もありましたが、読み進んでいくうちに、「そうかもしれない」という気持ちにさせられます。
圧巻は第9章の「アメリカは国ではなく、国連である」の章。素朴な疑問として、ポツダム宣言には 、占領の目的が達成されたら 「占領軍はただちに撤退する 」と明確に書かれているのに、なぜ米軍基地があるのか?国連憲章には、「国連加盟国は国連軍に基地を提供する義務を持つ」という条文があります。著者は、当時のダレス国務省顧問が、殆ど詐欺のような手法で「国連軍」を米軍にすり替えてしまった経緯を、公開された米国の外交文書から読み込んでいきます。
9本の4コママンガも面白く、特に本書を通読した後に見直すと印象がより深くなります。
おススメの★★★★。ただ、知ってしまった我々が何をすべきかについては、若干の歯切れの悪さも感じました。でも、それを論じるのは著者の役目ではないですね。 -
日本はいまだに米軍の影響下にあることを解説した本。
本書の内容が事実であれば、今でも日本はアメリカ「軍」の植民地というべき状態になっています。 -
知ってはいけない2を先に読んでいたが、こちらの方がわかりやすい。
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日本は本当の意味で独立国なのか。
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戦後の日米関係、特に朝鮮戦争からの関係の裏側がよく分かった。
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航空自衛官だった父に読んでもらって感想を聞きたい。
あとアメリカ国民がこのことを認識しているかも知りたい。 -
日本の空も土地もアメリカが自由に使えるなんて、恐ろしい。憲法の保証する基本的人権も安保が上位だから、守られないなど信じがたい現実。
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図書館
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日本がアメリカを中心とした連合国によって負かされた太平洋戦争。その時から始まるアメリカの支配の歴史。表の歴史の裏を支配するその構造について詳細に書かれています。なぜ日本にアメリカ軍の基地があるのか。そのためにどのようなことになっているのか。この日本に厳然たる影響を及ぼし続けているもの。アメリカとのいくつもの条約や密約を丁寧に紐解くことでその正体を知ることができます。
緊急事態が起こらなければ、それでも問題ないとは思います。またある程度の状況でしたら、いまの現実は仕方ないと思えるのかもしれません。しかし自分の足で立つこと。それはずいぶん長く忘れられてしまっているのかもしれないと考えさせられました。その悪影響は、取り返しのきかないところまできているのかもしれません。少しずつ、今を修正していくことも必要なのではと思います。