外国人労働者をどう受け入れるか 「安い労働力」から「戦力」へ NHK出版新書 [Kindle]
- NHK出版 (2017年8月10日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (154ページ)
感想・レビュー・書評
-
悪い本ではないのだけど中途半端だな。
岐阜のシェルター、国連に届いた手記、その反対に旭川のうまく行った例。ここはでは良かったのだけど、そのあとパキスタンハーフの兄弟の話は、話としては悪くはないがテーマに対して場違いだろう。相模原の「共生」はたしかに共生ではあるしいい話だと思うが、これもやや筋違いだ。
外国人労働者の話だから技能実習生だけではなのは分かる。しかし技能実習生について両極端な事例を出したのだから、そこから真ん中に広がるいろいろな事例をルポすべきだろうし、それによってスペクトラムを書き出すべきだろう。
NHKの金看板で本人もこういった取材には手練で、たしかにきっちりとしたルポを読んでいると思った。それだけにさあこれからというところになって、似ているようで違う話に逸らされた感じがする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Kindle Unlimited。
4年ほど前、派遣で行ってた工場では、日本語片言のベトナム人技能実習生に対して日本語で複雑な指示をして、わからないとボロクソ罵ってた。バカじゃないのかと思った。大手電気メーカーの下請け工場やったけど、酷い扱いに愕然とした。
1995年頃に来日していたマレーシア人の技能実習生たちは、ずっとビジネスホテルに泊まって楽しそうに夢を語っていたのに。
奴隷がいないと成り立たない会社は全部潰れてしまえばいいのに。
旭川の豊岡建設と、いわき市のオーシャン物産は素晴らしい!
外国人と日本人が、同じ条件で共に働ける日が来れば、治安の悪化を心配することはなくなると思う。 -
私自身が海外駐在という一種の外国人労働者なのだが、逆に海外から日本に来て働いている人々も100万人を超えているという。そんな、日本で働く外国人労働者がどんな状況に置かれているかを紹介し、今後どのように彼らを扱っていくべきか考察する。
技能実習生という制度を悪用して外国人を奴隷のようにこきつかっている経営者の話は、読んでいて実に腹立たしくなる。しかし、彼らの低賃金労働によって生産される安い商品を買っているなら、消費者である我々もまた同罪ではないだろうか。いわゆる「フェアトレード」は海外生産品に対してだけでなく、国産品についても考えるべき時代が来ている。
そして、低賃金でなくても人手不足を補うために外国人労働者が必要になるなら、彼らに対する処遇は日本人以上に気を遣うべきだと思う。故郷や家族から遠く離れて、言葉も文化も違う国で働くのは、それだけでも大変なことなのに、しかも将来の保証もないのだから。
まさに今、国会でもこの分野の法改正が論じられている。日本の人口が減って行く時代の始まりを生きる我々には、新しい労働環境を創造する責任があると感じる。