応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) [Kindle]

著者 :
  • 中央公論新社
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感想・レビュー・書評

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  • 「応仁の乱」はある意味日本の中世の終わりの始まりのような事件だったんだな、と思う。この本はその状況を詳細に詳しく解説している。
    舞台になった場所をこの本を読んだ後で歩くと実際の風景の中にかすかな痕跡を認めることがあり、とても楽しい。
    今は状況的に出かけることも難しいが、機会があったら近畿のあたりを訪ねてみたいと思う。

  • 30頁で断念。しばらく積読。

  • 新書ではあるが、非常に読み応えがあった。巷で評判になった本ではあるが、それだけのことがある。
    誰もが知っている割りに、誰もがよく知らない応仁の乱ではあるが、関係が深い当時の観察者の視点で丁寧に推移が書き記されることで、非常に面白く読むことが出来た。

    筆者が後書きで、当時の関係者の視点で事態を理解することに努めたと書いていたが、まさにそうした熱意が伝わってきた。

  •  太平洋戦争で京都が空襲を受けなかったことから、京都で「こないだの戦争」といえば応仁の乱のことだ、というジョークがある。そんな関係で名前だけは有名だが、応仁の乱は誰と誰が争って誰が勝ったのかと聞かれるとよく知らない。私が無知なだけでなく世間一般にもあまりよく理解されていない乱のようで、大河ドラマなどで取り上げられても人気が出ないという。

     そんな応仁の乱を詳しく紹介するという、一般向けの新書としてはやや無謀なテーマを扱った本書だが、なぜかベストセラーになったと聞いて読んでみることにした。著者は以前読んだ『一揆の原理』と同じ呉座勇一氏だ。定説と自説を適度に織り交ぜながら生き生きと語る文章は、読む人を引き込む力があると期待した。

     しかしそんな呉座氏の筆力をもってしても、応仁の乱の経緯をわかりやすくするのは困難だったようだ。困難である理由は簡単で、関与した人物の数があまりに多く、また経緯があまりにも複雑で、結末もはっきりしておらず、要するにグダグダな乱だったからだ。

     武家でも公家でも、室町時代の有力人物には戦国武将ほどの華がない。細かい合戦をクローズアップすればそれなりのドラマになると思うが、全体像はグダグダとしか言いようがない。東軍と西軍に別れたと言っても同じ家で分裂していたり途中で乗り換えたり、場所も京都や河内、大和、さらには越前など遠方の領地の利害も絡んでいて、どう頑張ってもすっきりした解説は無理だろう。

     一番納得できる説明はあとがきにあった。応仁の乱は第一次世界大戦と似た構図を持つというものだ。

    (引用ここから)
     ‥‥各国の指導層は必ずしも好戦的ではなく、むしろ誰も意図しないまま世界大戦に突入していった。しかも全ての参加国が短期決戦を志向したにもかかわらず、戦争は長期化し総力戦の様相を呈した。‥‥
     応仁の乱も‥‥東西両軍は共に短期決戦を志向したが、戦争は長期化し足軽や郷民を動員する総力戦の様相を呈した。‥‥古今東西を問わず、人類は同じような過ちを繰り返すのかもしれない。
    (引用ここまで)

     繰り返すのは過去だけではない。今の世界情勢を見ていると、この先もやはり同じ過ちを繰り返すのではないかと心配になる。多分、ある程度は避けられないのだろう。

  • 難しかったがおもしろいです。何回も読み直そうと思います

  • 著者の問題は知ってますが脇に置いておいて読了。『新九郎、奔る!』を読んでこの辺の時代よく知らんなあと思ったため読んでみたものの、主要人物の顔が浮かんで名前が結構識別できるというこれ以上ない勉強タイミングなのにまあよく分からない。伊勢氏は想像より勢力大きかったんですね。

  • 読み応えがあった。大和国と興福寺のことも分かった。

  • 名前は絶対知っているけれど、中身が良く分からない日本史上最大のイベント、応仁の乱について一般人に分かるような本は初めてなのかもしれません。
    大和の視点というのも新鮮でした。

  • こんなに細かく枝分かれして説明されても、整理がつかないままになる。

  • 内乱としか知らない応仁の乱の詳細な解説。
    登場人物が多く、整理が必要。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター助教
著書・論文:『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中央公論新社、2016年)、「永享九年の『大乱』 関東永享の乱の始期をめぐって」(植田真平編『足利持氏』シリーズ・中世関東武士の研究第二〇巻、戎光祥出版、2016年、初出2013年)、「足利安王・春王の日光山逃避伝説の生成過程」(倉本一宏編『説話研究を拓く 説話文学と歴史史料の間に』思文閣出版、2019年)など。

「2019年 『平和の世は来るか 太平記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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