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感想・レビュー・書評
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父への反発としての反体制
セゾン文化=生活総合産業
事業拡張とそのほころび詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白い 堤義明のHard→堤清二のSoft 時代の変化
堤清二は反体制の思想家 出自がそうさせたのか?
「生活統合産業」『セゾン文化
究極の自己否定=無印良品
西武百貨店 PARCO ファミリーマート ロフト リブロ チケットセゾン 西洋環境
1.無印良品 消費者の自由の確保 反体制商品
2.西友の『質販店』戦略
効率至上への反発 渥美俊一チェーンストア理論
①チェーンオペレーション②大量販売③安売り
3.企業文化 長い年月 一朝一夕には変えられない
4.2004年10月西武鉄道 堤義明 有価証券報告書偽造
5.経営者の思想 顧客に阿ってはダメ
何を大切にするのか 銭勘定より大事なもの
本質は何なのか
⇒最後には、不動産事業へ 経営者として失脚
それは堤康二郎への強い情念のなせる -
今まで当然のように触れてきた西友や無印良品などがどのような経営者と社会背景から生まれてきたのかを学ぶことができて非常に勉強になった。
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1980~90年代のセゾンはとにかく格好良かった。
そもそもが「セゾン」とか「パルコ」とか「ロフト」とかネーミングセンスが抜群。「無印良品」ってダイレクトに伝わるコンセプトにも惹かれた。
結局バブルに踊らされてグループは解散したけど、またこんなセンスのある企業が生まれてほしいもんだ。
追記。
「あとがき」に書かれていた著者の「売ろうとしすぎるから、売れない」論には同意。 -
堤清二の名前は知っていたけど、新聞から伝えられるバブルに踊らされた経営者という印象しか持っていなかった。
セゾングループを一代で築き上げるまでの姿をこの本を通じて知ることができた。
著者の言う通り、今も色褪せない先見性には驚かされた。また、堤のリクエストに応えるため、各会社のスタッフが何を考えて、どう動いたのかも、とても興味深かった。
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2018年12月③
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先日読んだ大塚英志の記事(https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/16/100100031/102200010/)はこの本の宣伝を兼ねていたわけだけど、スペイン坂スタジオというセゾン文化の最期の切れ端みたいなところのクローズに立ち会った身として、何か縁を感じて読んでみた。
ぼくは横浜・京急沿線育ちなので西武という言葉に特に印象がないし(西友能見台店も行ったことがない)、セゾン・西武鉄道の相次ぐ崩壊は、ガキだったぼくは「いつのまにかそごうが白いクマのキャラになってnanacoが使えるようになった」くらいの捉え方をしていたというのが本音。とはいえ、80年代生まれのぼくもたしかに無印良品やロフトの影響を多分に受けているし、J-WAVEに乗ってくる音楽につられてこんな業界にいるような気もするので、やはり影響は受けている。吉野家だってD&C時代に何杯食べたことか。(八景島もそうだっけ?と思ったけど、これはプリンスホテル傘下なので、セゾンではなく西武鉄道系ですね)
本書は経済畑の筆者が文化の面で再評価しようと書いた連載をまとめなおしたものなので、そうとはいえやはり経済記事なのだけど(記号文化論としてはもっと掘り下げたいところは山ほどある)、いまとなってはバラバラに解体されてしまったセゾングループがもつ「匂い」の原料はおぼろげに理解できたし、なぜクレディセゾンがアイドルをわざわざ自社で作ろうとしているのか、も、DNAとして理解すると腑に落ちる。