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- / ISBN・EAN: 4907953211674
感想・レビュー・書評
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2018年日本公開作品。面白かったとコメントして良いのかわからないです。軽いものではなく、とても興味深い考えさせる作品です。アメリカという自由と夢の国という明るく肯定的なイメージと真逆な重く暗い部分を全面に押し出している内容です。アメリカの負のイメージは、黒人差別。ネイティブアメリカンに対する差別も聞いたことはありましたが、想像を超えていました。悲しい最後を遂げた少女。なぜ、そうなったのかを追う女性FBI捜査官・自分の娘も悲しい最後を遂げたハンター。2人とも熱演です。特にハンター、悲しみから逃げずに立ち向かう姿に感銘を受けます。背景の雪に閉ざされた大地・青い空が印象的です。胸に残る引っかかる作品です。
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広々とした平原と森は深い雪をかぶり、晴れた夜空には煌々と輝く月が浮かぶ。誰しも美しい景色と思うだろう。しかし、住めば「この土地は凍った地獄だ。あるのは雪と静寂だ」という希望のない世界だと知る。この町の住人は強制的に連れてこられたネイティブだ。殺されたナタリーは頭が良くても未来はない。彼女に罪があるとするなら、外に出ることを渇望したということだ。アメリカは今も冷酷な人種差別主義者の国という別の顔を持っている。
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ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『ボーダーライン』の脚本家として知られるテイラー・シェリダンが、初めて自ら監督した(もちろん脚本も)映画。
『ボーダーライン』がそうであったように、これも暗く重い映画だ。
本作のヒロイン――FBIの新人女性捜査官を演じるエリザベス・オルセンは、『ボーダーライン』のヒロイン(エミリー・ブラント)とオーバーラップする。
どちらも「陽の当たるアメリカ」からやってきた異邦人であり、アメリカ社会の闇を目の当たりにして愕然とする役回りなのだ。
この映画で描かれるアメリカの暗部は、「リザベーション」――先住民(ネイティヴ・アメリカン)居留地の無残な現実だ。
「ウインド・リバー」とは、ワイオミング州の雪深い山間地に作られたリザベーションの名。そこで、先住民の娘・エミリーが、雪の荒野で遺体となって発見される。
エミリーは裸足で、足には凍傷。死因は、氷点下30℃の中を走ったことによって肺が凍りついて破裂したことだった。
なぜ、彼女はそのような死に方をしなければならなかったのか? 派遣されたFBI捜査官が、地元のハンターであるコリー(ジェレミー・レナー)と協力して謎を解いていく。その果てに、リザベーションの荒涼たる現実が浮かび上がる。
先住民女性と結婚したコリーの娘はエミリーの親友だったが、3年前、同じように荒野で遺体として発見された。その事件は、いまだ解決されていない。
リザベーションの息苦しい人間関係をタテ糸に、事件の謎解きをヨコ糸にして、やりきれない悲劇が紡ぎ出されていく。
コリーのハンターとしての技量・経験を駆動力とした、アクション映画としてもよくできている。終盤の銃撃戦の迫力もすごい。だが、エンタメと呼ぶにはあまりにヘビーな物語た。
テイラー・シェリダンが作る物語には、人間の暴力性の根源に迫るような凄みがある。
それでも、雪山の風景は美しく、深い余韻を残す傑作である。カンヌ映画祭で「ある視点」部門の監督賞を得たのもうなずける。 -
とても面白かった。
舞台はほかの映画にはない極寒冷地。
その中で生きるアメリカンネイティブやそれを取り巻く仲間と思える人達と、そうでない人達。
この地では強い人が生き残る。
最初に犠牲者として出てきた女性はとても強かったが亡くなった。
そこに送られてきた若い女性のFBIエージェント。
住人たちが守ってる暗黙のルールを知らず、あくまでFBIのルーフに従おうとする。
しかし、周りの人達と接していくうちに段々理解を示すようになる。
特にランバートがとても頼りになることに気づく。この2人を中心に事件を解決していく。
実話ということだが舞台設定の表現方法が素晴らしい。
とても厳しく人間一人で放り出されたら直ぐに死んでしまう環境なのだが、美しい映像でこの映画の全体を包み込む、と言うよりも画面の外に拡がっているように思える。
いくつもの心に残る言葉があった。
娘を失ったことに対して「乗り越えようとすると忘れてしまう。苦しむことを受け入れることで心の中に残る。」
「ここでは運はない、鹿は運が悪いから死ぬのではなく弱いから死ぬ。生き残った君(ジェーン)は強かったからだ。」
そして、ジェーンはこう言う。
「亡くなった少女は6マイルも裸足で走り続けたのか」と。
映画全体にわたる各シーンの表現も素晴らしいし、出演者の演技も素晴らしい。
コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)かっこいい。 -
ストーリーとしては 静かで淡々としているように見えて
ネィティブアメリカンの保留地とされる場所を舞台に アメリカの闇を垣間見た気がした。
アメリカの辺境を舞台に現代社会が抱える問題や現実をあぶりだした「ボーダーライン」「最後の追跡」で、2年連続アカデミー賞にノミネートされた脚本家テイラー・シェリダンが、前2作に続いて辺境の地で起こる事件を描いた自らのオリジナル脚本をもとに初メガホンをとったクライムサスペンス。主演は「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナーと、「アベンジャーズ」シリーズのエリザベス・オルセン。ネイティブアメリカンが追いやられたワイオミング州の雪深い土地、ウィンド・リバーで、女性の遺体が発見された。FBIの新人捜査官ジェーン・バナー(オルセン)が現地に派遣されるが、不安定な気候や慣れない雪山に捜査は難航。遺体の第一発見者である地元のベテランハンター、コリー・ランバート(ジェレミー.レナー)に協力を求め、共に事件の真相を追うが…
容疑者を追って 事件の鍵になる物証となる建物の部屋をノックしたところから 事件の回想シーンに切り替わるのは 面白い味を出していた 殺人だけど他殺にならないという そこに本当の闇を感じた。 -
シェルダン監督は、2015年に『ボーダーライン』、2016年に『最後の追跡』の脚本を手がけ、2017年の『ウインド・リバー』では監督と脚本を担当。
「ボーダーライン」と本作しか見てませんが、彼は硬派なサスペンスが得意分野のようで、中でも冷静沈着にターゲットを始末する陰のある男を描かせたらピカ一の手腕を発揮するようです。本作ではネイティブアメリカンの社会問題を題材にしながら、主役のジェレミー・レナーがいい仕事をしているので、とても奥深い作品となっています。ラストの「ネイティブアメリカンの失踪者の統計は存在せず、数は依然不明」という事実も胸を打ちます。
『ウインド・リバー』(Wind River)は、2017年米映画、監督・脚本はテイラー・シェリダン、主演はジェレミー・レナーとエリザベス・オルセンが務めた。なお、本作はシェリダンの監督デビュー作でもある。
本作は2017年5月に開催された第70回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、シェリダンが監督賞を受賞した。
ワイオミング州ウインド・リバー・インディアン居留地。FWS(合衆国魚類野生生物局)のハンター、コリーは雪山に囲まれた雪原の中で、ネイティブ・アメリカンの少女ナタリーの死体を発見した。
BIA(インディアン部族警察)署長のベンは、FBI(連邦捜査局)に捜査を依頼するが、派遣されたのは新人捜査官のジェーン1人だった。ジェーンは過酷な環境での捜査に難渋し、コリーに捜査への協力を依頼した。
検死を行うと裂傷やレイプ痕があり、殺人の可能性が高いが、死因は冷気を吸ったことによる、肺の出血と窒息死であり他殺とは断定されなかった。 捜査を進めて行くと、ナタリーが極寒の中を10キロもの距離を裸足で逃げていたことが分かり、さらにナタリーの恋人マットの遺体が森の中で見つかる。
謎は深まるが、コリー、ジェーンらはマットの勤務先である、掘削地の警備員たちに目星をつけるが、2人は真実とともにネイティブ・アメリカン社会の闇に直面することになる。(Wikipedia)
運悪く轢かれてしまい大怪我でしたが、運良く脊髄は無事でした!
リハビリ頑張ります。
また感想楽しみに...
運悪く轢かれてしまい大怪我でしたが、運良く脊髄は無事でした!
リハビリ頑張ります。
また感想楽しみにしていますねー(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)♡