【全1-6セット】王妃のプライド【イラスト付】 (ロイヤルキス) [Kindle]
- ジュリアンパブリッシング (2019年1月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (439ページ)
感想・レビュー・書評
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見事な王妃のプライド。初めて読んだとき、続刊に気付かず物語の引き際の素晴らしさに放心した。それぞれの視点で同じ場面を繰り返すのはくどいと感じる場合が多いが、この作品については、作者さんの文章の上手さですんなり読めた。
続きも王と王妃の関係性やそれぞれの心境の変化が見られて良かったが、最初に読んだときの感動はやはりこちらの巻。 -
最高に面白かった。結婚相手が子供だった為に蔑ろにしてしまった王が、美しく成長した王妃を誘惑するだけの話だと思っていました。もっと骨太な話だった。王妃が王に顧みられなかった事で厳しく辛い苛めに。その為、決して王に身も心も許さないと強く決意した王妃に同情し、私も同じく絶対に王を許さないと思っていました。でも王目線の年月を読むと王にも王の都合があったのだと思い直しました。何より王の懐の広さが良い。そして王妃の賢さに感嘆です。続編が楽しみです。
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冒頭は齢12歳でかつての敵国に戦後、同盟の証として嫁いだ王女・ティルダが虐げられていく。
夫となるカーライル王に退けられてしまい、王の愛人からの嫌がらせなどで苦汁をなめる生活をしながらも、その知略を巡らせてゆく展開に引き込まれてゆく。
自身が表に立たずとも国を豊かにし、王の不在時でも臆せず「国のために」という思いに一貫して行動するティルダの強さに惹かれてゆく。
タイトルの『王妃のプライド』は、“虐げられた王妃個人を守る”プライドから、“一国の王妃として”のプライドとなってゆく。
その中で真にカーライル王に愛されてゆく過程に、冒頭からの昇華されてゆく過程が心地よい。
ティルダの知略と同じくらい、本当は頭いい?はずだけど猪突猛進なカーライル……
結果として今まで蔑ろにしてしまったティルダの立場を回復させてゆく過程と溺愛される過程が同時進行。
Web掲載よりも経緯や各キャラクターの描写が細かく書かれている。カーライル王が自身の気持ちをよりストレートにティルダに伝えるところにちょっとだけ戸惑いを覚えつつも……
ティルダやカーライル王、他の人物たちの視点から、同じ事件を追っていく。
カーライル王がティルダをどう想い行動していたのかが具体的に描写される。…それらは独りよがりでお門違いであった訳だけれど。
あと、イラストがついたのでイメージが新鮮…ティルダは私個人のイメージに近かった。
Kindle Unlimited 読了。 -
物語は秀逸。
王族としての責任感も自負もある少女が若干12歳で敵国に嫁がされ、その先で6年も放置されて王妃としての矜持だけを支えに耐え抜いた話。
どんな言い訳をしても王は6年も王妃をかえりみず放置したし、更に12歳の少女に欲情したのをその少女に当たって誤魔化す最低男なので、床に頭擦り付けて謝罪するくらいして欲しかった。作者に思い入れがあるのか、一応ヒーローだから体面を保ってやろうとしたのか知らないが、軽く「すまん」と言って済む問題ではない。
だけどその王をぎゃふんと言わせるくだりもあるので、爽快感も得られてとても面白かった。 -
読みごたえあった。
市尾さんの本領発揮な内容で。
虐げられた王妃を延々と書いていくんだけど、それがまたなかなか引き込まれて、読んだ。
率直な感想は、王が調子良すぎ。