- Amazon.co.jp ・電子書籍 (198ページ)
感想・レビュー・書評
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デジタルトランスフォーメーションを進めるのに重要な概念「OMO」を中国の事例をもとに分かりやすく解説。事例が豊富だからこそOMOの考え方や日本に落とし込んだ場合のケースが分かりやすく学べた。
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・無人化は、人とのやりとりにおいて、人間らしいやりとりを妨げる・遮る障害(例:決済など)を機械・自動化し、人が人間らしいやりとり(例:思いやりなど)に注力させるようにすること。
・顧客の置かれた状況に対して、どのような解決方法を提示しているかという観点で整理すること
┗人や属性ではなく、状況を捉える -
デジタル「トランスフォーメーション」をしないといけない日本企業と、新陳代謝の早い中国の新興企業ではスタートラインが違いすぎるうえ、早くトライアンドエラーできている分だけ有利であり、日系は長年続いてきた企業ということが特に有利な要素になってもいない苦しい上級が理解できた。
バリュージャーニーとして、顧客や個客のレベルより更に踏み込んだモーメントでの区分けや、そこへのUX的な考え方でのビジネスアプローチ(バニラシェイクのケース)など具体例含めイメージできたし、今まではそのように実際の観察が必須だったがデータとしてデジタルに可視化できうる。平安保険などはとてもうまくデータを活用し、ジャーニーとして価値創出ができている。
O2OでなくOMOであり、区分けしている事自体がナンセンス。これらが2010年のコロナ前の状況とすると、今はどの程度進んでいるのだろうか。 -
まず、アフターデジタルがデジタル時代がもうすぐ終わってさらに次の段階に進むのかと誤解して読み始めたら、デジタルが生活の中に浸透した話だった…読み間違い。
内容は主に中国でのスマホ(デジタル)利用がメインだった。
これを書いているのがたぶん2018年のコロナ前で、そこから更にコロナ禍でさらにデジタルとリアルが織り混ざった世界になっている。
住んでいるのもあって身に覚えのある内容ばかりだった。
日本に導入するなら中国のように上から下に下ろすのではなく、徐々に気づいたらデジタルが融合した生活を送ってた、くらいの方が反発少なくて良いんじゃないかなぁ…突然やると反発が多い。
読んでてふと思ったのは、日本はあんまり人と関わり合いたくない人多そうなのにデジタル化に乗り気じゃなくて温かいふれあいとかおもてなしが好きで、中国はデジタル(新しい物)を取り入れるのにあまり抵抗ないけど知らない人同士話すし、分からない人に対して説明するのとか苦にしない。そんな場面を目にすることが多い気がする。
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ふむ
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リアルとデジタルが入れ替わった新しい世界が、すでに始まっている、それがとてもわかりやすく説明されていた。
私の勤務する病院はデジタル化がなかなか進まず、世の中とは隔絶している感もあるが、世界ではどんどん動き出しており、蓄積したデータを元に新たな医療が提供されていくのかもしれない。 -
4年前の書籍ですが、答え合わせも含めて読んでみました。この本で指摘されているDX化の概念、進め方ができている日本企業はいまだに多くなく、点と点の取り組みに感じます。
本書は事例が多くわかりやすいのですが、自分ごとに置き換えた時にさてどこから?を考えるのが重要で、そこに辿り着くのはなかなか難しいとも感じました。
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まえがき
多くの日本企業はオフラインを軸にしてオンラインを活用しているに過ぎない。
顧客接点データを多く持ち、それをエクスペリエンスの良さに還元するという新たな改善ループをいかに高速で回せるか。
第1章 知らずには生き残れない、デジタル化する世界の本質
先進事例 エストニア、スウェーデン、中国
日本はサービスが点で終了線になっていない
中国のシェアリング自転車→移動データ活用可能
行動データ→信用経済・評価経済への活用
第2章 アフターデジタル時代のOMO型ビジネス
オフラインを前提にしたオンラインではない
3つの異なる接点を組み合わせて顧客関係強化
ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチ
スタバ事例…イートインスペース不要
第3章 アフターデジタル事例による思考訓練
データは公共財なのか私有財なのか?
無人店舗…データ取得が目的、効率化ではない
あらゆる情報をIDに紐付けて活用できる基盤
第4章 アフターデジタルを見据えた日本式ビジネス変革
高頻度接点による行動データ取得とエクスペリエンス品質の向上ループ
ターゲットだけでなく最適なタイミングで最適なコンテンツを最適なコミュニケーションで提供
単一接点型から常時寄り添い型へ
人や属性によるターゲッティングではなく状況によるターゲッティング
ボトムアップで早く成功体験を積む
トップ以下幹部クラスでイメージ共有
モーメント分析…状況の推移を辿る -
「OMO」という考え方が気づきが多く企業事例も参考になりました。
デジタルがベースインフラとして普及したからこそ、
その上での顧客体験が重要だというのが大きな気づきでした。
(デジタル化することがゴールではないことの再認識)
今後のデジタル界の覇権を担っていくのは、
GAFAではなく決済サービスというのも納得感ありました。
kindleで購読 -
デジタル化が進む中国の事例を参照しつつ、「デジタル化」後について説明している。
デジタル化が進む程、OnlineとOff-lineの境界が無くなり、顧客のジャーニーに基づく価値提供が焦点となる(Onlie Mergees with Offline、OMO)。
更に、データを使った継続的な改善により、デジタル化されたインフラが強化される。
たいへん分かり易い説明である。
しかし、デジタル・インフラは寡占化しやすく(例:GAFAによるデータの支配)、中国での「テンセント陣営」、「アリババ陣営」の2つが競い合っている状況は、今後も続くか不透明。片方が倒れれば独裁政権による国民の監視システムに容易に取り込まれるリスクがある。
また、社会のデジタル化を支えるキャッシュレスについて、現金の持つ匿名性がキャッシュレスにより阻害されることも気になる。不正資金の流通という問題はあるが、他人に「いつ」「どこで」「何を」買ったか、把握される事に気持ち悪さを感じる日本人やドイツ人は多い(ドイツはEUでキャッシュレス化が遅れ、日本と同じく現金決済が主流の国)。歴史の教訓として、権力側に資本の情報を管理される事のリスクを捉え、キャッシュレス化にブレーキがかかっているのは理解できる。逆に、国家権力の暴走リスクの高い中国や、自由を重んじる(はずの)アメリカでキャッシュレスが進んでいる方が私には理解しづらい。
さらに、日本の場合は超高齢社会の中でデジタル・デバイドの影響を受けないキャッシュレス・システムが必要。スマートフォンを使いこなせない高齢者を取りこぼさないキャッシュレスの仕組みを(高齢者人口の割合が高い)地方を中心に普及できないと、日本のデジタル化やその先のOMOの普及は進まないと予想する。
しかし、デジタル化・OMOが進んだ企業と遅れた企業の収益性の差が広がり、遅れた企業が淘汰される(ディストピアな、もしくはバラ色の)社会は、それなりの信憑性がある。 -
ユーザーエクスペリエンスについて中国の事例を紹介しながら書かれていて概念が理解しやすい。