三体 [Kindle]

  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 文革パートは地に着いた感じで「葉文潔の手はどこまで伸びるのか」と期待しながら読み始めました。汪森によるVRゲーム「三体」の謎解きパートが、クソゲーなのにやりこんだ人的で、とても面白いですね。パナマの切断事件は迫力がありましたが怖すぎです、引きました。コミカル【最強】史強の存在が全てにおいて救いです。〈智子〉って監視社会そのものですね。現実世界でも世界の独裁化が拡大するなか、執筆時の近未来の姿じゃないですか。既に実現しているとも...... ヒューゴー賞受賞は伊達ではありません。(2008年)

  • ワンミャオ先生と史強のバディが最高
    三体世界(VR)のミステリアスな雰囲気にグイグイ引き込まれていく
    文革のハードボイルドな雰囲気も話の重厚さを下支えする

  • 三体。あなたはこのタイトルの意味が何か分かって読み始めたでしょうか?私は全く分かっていなかった。唐突に始まる文化大革命時代(1967年)のセンセーショナルな展開に、中国歴史に明るくない自分は一体何が起こっているのか分からず。次々ででくる登場人物も中国名だから読めないし、しばらく読み進まない日々が続いた。が、しかし!途中から続読むのを止められなくなる。引き込まれたのは、ワンミャオがカメラを撮影するたびに出現するなぞのカウントダウン。自分がシャッターを切るたびにカウントダウンが進む。この現象は一体?そのなぞを追ううちにたどり着いたバーチャルゲームの世界が三体。Vスーツに身を包み、ログインすると、そこは文明発展と衰退を繰り返す別世界。太陽が3つあり、恒星と乱期が入り乱れ、生き残るためにそこに生きる者は脱水という能力を持ち得ていた。
    このバーチャルゲーム三体が本当によく出来ている。一体これは何のために作られたのか。三体とはゲームの別世界のこと?なんて思っていたらあれよあれよと事態は急展開していく!!!そう、三体とは遥か遠く、しかし、宇宙の広さを考えればそう遠くはない、太陽系にもっとも近い恒星系、三重系列として知られるケンタウルス座アルファ星系の知的生命体を宿した星のことだった。
    地球から意図的に太陽にむけて放たれたメッセージを三体が受け取り、地球に届いた返事は、、、「応答するな!応答するな!!応答するな!!!さもなくば、侵略されるぞ」と。
    ええ〜!?想定外のメッセージに胸が高鳴る。これを受け、ためらいなく短いメッセージを地球にいるイエウェンジェは返すのだった。「来て!あなたたちが必要なの!」と。えええー!!!

    三体文明は3つの太陽のせいで滅びかけている。自分たちが生きれる別の星を探している一方で地球は、交戦的な人類のせいで、同じく滅びかけている。どちらも自分の星の状態に絶望し、相手の星に希望の光を見て、交信をしてしまう。いやーやっぱり三体と比べて地球の方が断然いいよ。こんな星、やっぱり他にはそうないんだよ。だから大切にしようよ、と思わずにはいられない。

    メッセージの送受信を行った当事者2人には、違う星にいながら同じ風景が見えていた。しんと静まり返った真夜中、いちばん孤独で寂しくなる時間帯。宇宙から受信した無意味なノイズの視覚的な記録。それは寂しく、耐えられないほど長い線。一方は無限の過去へ、もう一方は無限の未来へとつながり、その中間はランダムに上下しているだけ。この姿こそが宇宙の純粋な姿だと。私はこれを大いなる絶望だと思う。
    読んでない人は何を言っているのかさっぱりだろう。三体をわかりやすく説明したいのだが、全く持って科学的にも歴史的にも人物の心情理解も難しいため許してほしい。しかし、後半の次から次に明かされる新事実には本当にドキドキするし、宇宙スケールで進む壮大な物語は、日常を忘れさせるほど魅力的なストーリーになっている。時間があればぜひ読んでみてほしい。

    そして、驚くのは、この三体、まだまだ先が長いということ。三部作の一部を読み終わったばかりでは何も語れないのだ。二部、三部はこれの倍の長さだというのだから、信じられない。(これが本当のネバーエンディングストーリーじゃない?笑)人類と三体の戦いはまだ始まってもいない。果たして私は450年後の激突を読み切ることが出来るのか?第二部にも期待!!!
    2020.7

  • 壮大の域を超えた壮大さ。非常に長い物語の序章の位置付けだと思うが、この間巻だけでも楽しい。

  • 久し振りに晩酌よりも読書の方が楽しいと思わせた。
    ある意味、SF映画を越えたSF小説。

    葉文潔の正体が前半で明かされたり、マイク・エヴァンズと救済派があっけなく潰されたのが解せない。
    葉文潔の正体はギリギリまで伏せられるべきだし、救済派には世論を揺るがすような行動をさせるべきだった。

    終盤の智子に関する記述は、物理学や天文学に乏しい人間には???だった(2001年宇宙の旅のハルみたいな存在?)。
    もう少しコンパクト、且つ判り易い形で形容して欲しかった。

  • 本屋大賞翻訳小説部門2020年3位。
    いろんなところで紹介されているし気になってたので読んでみた。
    スケールの大きい中国製SF。最初の文化大革命の部分が少し読みにくかったけど、全体的に読みやすくサクサク進む。最新の科学知識にもとずく原理説明が多いのかと思いきや、どちらかと言えば荒唐無稽のエンタメ系。
    カウントダウンの見せ方とかもう少しあり得るやつの方が良いかなとか思うし、超常現象に対する物理学的な背景の説明があんまり理解できなかった。
    特に智子についてはまったく理解できなかった。実験の失敗とかはそれなりに意味が通ってるのですかね。
    全体的に地球で発生した超常現象の謎解き的な部分でちょっと不満が残る。虚構世界の中での論理的な説明が欲しい。ナノマテリアルへの脅威についてもそもそも今回の使われ方を恐れてたわけじゃないと思うし。
    三部作の第一部だが、それなりに完結してるのかと思いきや、全然中途半端なところで突然終わった感あります。これ、続き読むべきなんでしょうね。
    まあ総評としては、意外に読みやすいし読んでおくべき小説かと。

  • 冒頭は入りづらく、読みづらい感があるが、物語の必要な要素として後から効いてくる。
    終始現実味を帯びており、作者のすごさを感じる。

  • イマジネーションの凄さ、話のスケールに圧倒された。社会的問題にも批判的な眼を向けつつ、エンターテインメントとしてワクワクさせるストーリー。続きが読みたくなる。

  • 文化大革命下の抑圧状況。
    異星人とのコンタクト。
    三体というVRゲーム。
    何なんだ、この物語感は!

    ケン・リュウによる英訳が
    アジア初、翻訳もの初の
    2015年ヒューゴー賞長篇部門を受賞。

    劉慈欣(りゅう・じきん/リウ・ツーシン)が描いた
    この壮大な中国SFが
    世界を席巻している。

    というわけで、読み始めた。

    SFなのに、
    冒頭、文化大革命下の
    陰惨な状況描写から
    始まるのに驚かされる。

    1967年、文化大革命の只中にあった中国。
    物理学者の父親が
    批判闘争大会で
    紅衛兵に惨殺されるのを
    目の当たりにし、
    自らの運命も翻弄されていく
    葉文潔(イエ・ウェンジエ)が
    1人目の主人公。
    2年後、文潔は
    内モンゴルの生産建設兵団の管理下にいた。

    一方、40数年後。
    ナノマテリアルを専門にする
    汪淼(ワン・ミャオ)教授が
    2人目の主人公。
    三体というオンラインVRゲームに
    Vスーツを着てエントリーする。

    この葉文潔と汪淼の物語が
    交互に語られていく。
    そして、2つの流れは
    ある時点で同じ物語へと
    なだれ込む。

    文革下という過去が
    SFにリアリティを与えている。

    三体というVRゲームが
    なんとも奇妙な感覚を添える。

    そして、終盤。
    三体という異星人の存在が
    明らかになっていく。

    しかし、物語は
    本書「三体」では
    三部作の
    序章に過ぎない。

    恐るべし。
    この大作を書き切る
    パワーと情報量。

    2冊目、3冊目と
    はまっていくんだろうな。

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    #ファーストコンタクト小説
    #未知との遭遇小説

  • 中国のSF
    とっつきにくいかと先入観があったが、どんどん引き込まれて行く感じですごく良い。

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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