- Amazon.co.jp ・電子書籍 (175ページ)
感想・レビュー・書評
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スローリーディングの実践、深く丁寧に読み込むことを推奨している。
読書は「量」より「質」だと著者は言う。
以下、主な大きなポイント
・書き手の仕掛けや工夫を見落とさないこと
・自分だったらどう感じどう行動するか
・作者は読み手を意識し書いているので作者の意図していることを考えて読む
・人に説明することを前提に読む
・助詞、助動詞に注意する
スローリーディングでこれらのことを実践することで深く読むことができ更に読書が楽しくなる。
言葉を深く理解し描写が頭の中に絵で残るイメージが持てる、
言葉を大切にしていくことを教えてくれた本。 -
「本の読み方」の「本」を読んでみました。
実は最近、本を読むのに疲れてきていて、もっとゆっくり読めばいいのかしら?何かヒントになることが書いてあるかしら?と思っていたんですよね。そこに、KindleUnlimitedにこのタイトルの本が! もしや、Amazonさん、私の気持ちまで「推測」して「おすすめ」してきたのか!?とちょっと怖くなりましたよね(笑)
基本的には、あまり本を読まない人に向けての「本ってこんなふにじっくり読むと知識になりますよ」っていうことを言いたい本なのかな。そして、「速読」に対して、いやいや、それでは身にならないよ、という提言をしている、という感じでもあるのかな。
きちんとメモを取らずに読んだので、ざっと思い返してみると
・速読コンプレックスから解放されましょうよ とか
・作者の意図を考えながら読むといいよ とか
・接続詞に気をつけて読むといいよ とか
・人に説明することを前提に読むといいよ とか
・複数の本を比較して読むといいよ とか
そんな感じのことが書いてありました。
うん、なるほど。そうだね。
すごくいいことが書いてある、と思う。
いや、でも、実は、私が悩んでいたのは、本を読むときに、レビュー(感想)を書かなくちゃならない、だからメモを取りながら読まなくちゃならない、というプレッシャーがかかっているからだったので、この本に書かれていることはなんとなく実践しているし、それが「疲れ」になってるんだけどなーとか思いながら読んでました。
後半では、いくつかの有名どころの小説の一部を例題にして、どの方に読み進めるといいのか、どういうところに気をつけると内容がわかるのか、を解説してくれていました。
私にとっては、テクニック部分よりも、題名は知っているけれど、実際には読んだことがない(もしくは子供の頃に「読まされた」記憶しかなくて覚えていない)作品に触れる、いいきっかけになりました。
夏目漱石「こころ」、森鴎外「高瀬舟」、カフカ「橋」、三島由紀夫「金閣寺」、川端康成「伊豆の踊り子」、金原ひとみ「蛇にピアス」、平野啓一郎「葬送」、フーコー「世の歴史1 知への意志」
ちょこっとつまみ食いをすることができたのはよかったかな。
さて、結局のところ、私の疑問点、というのか、悩みは解決できなかったわけなので、引き続き、正反対の「高速読書」って本を読んでみることにします。あはは。 -
読書好きの人や本の魅力をあまり理解できない人、どんな人にでも自信を持ってこの本を勧めたい。
これからの人生で経験するであろう読書の体験をより彩やかに感じさせてくれる筆者の主張が豊富に含まれている良い本だった。
今まで自分は1人の人間が1つの人生で経験できることや獲得出来る視点は極少ないものだと感じていて、「本」言い換えれば何人かの人生がつまった作品に触れることで自分では到達できなかった物の捉え方や言葉を見つけて自身の世界を拡張していくことがこれまでの自分にとっての読書の意義であった。
もちろん、筆者はこのような読書の意義についても語ってくれているのだが、さらに読書を奥へと進めてくれる意義について色々と学ぶことが出来た。以下では簡単に自分の琴線に触れた主張を挙げる。
・ある作家のある1つの作品の背後にあるさらに途方もなく広大な言葉の世界を感じる
・作品のリズムを作る助詞、助動詞に注意する
・「誤読」を楽しむ魅力について
・外観の変化を実感させてくれるのは写真や動画であるのに対して内面の変化を実感させてくれるのは本である
自分に影響を与えた主張は他にも多くあって、それら1つ1つが自分の読書への向き合い方を大きく変えてくれた。
今世の中には膨大な量の本で溢れている。その全てを読むことは不可能であって、昔はここまで本に溢れていたわけでなく、読める本も少なかったのにデカルトや他の哲学者達が深い思考に到達できたように量を読むより質を重視した読み方をしていくべきである。
スローリーディングの魅力について存分に理解を深めることが出来た。最後に筆者が作品の冒頭あたりで述べていた主張を引用して締めたいと思う。
「読書は何よりも楽しみであり、慌てることはないのである」
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本著は「本は、ゆっくり丁寧に、そして深く読みましょー!」と作家さん視点からの読書法について書かれています。
とても参考になり、読書が益々したくなるような本でした。 -
今まで速読できたらなぁぁと思ってたのが、速読なんてしなくて良いんだと納得させられた一冊
スローリーディングで読むことによって、自分がその本から得られる情報は薄っぺらなものではなく、何段もの階層を内包したより深みのあるものになるであろう。
この本で筆者は、国語の問題を解くときのように本にマークを付けるのがいいとしていたが、難解な本には適用していきたいと思う。
小説でどんな構造があり、それがどんな歴史的な背景を持ち、その時代でのイデオロギーはなんだとか考えながら読むと、作品の理解が進み、今まで踏み込みていなかった領域まで到達できる! -
今まで何気に本を読んでいたが、本書を読んで今後の読書がさらに楽しみになった。
具体的な内容は本書を読んでいただくとして、読書に限らず思考を巡らすということがやはり重要である。
自分も著者と同様遅読であり、もっと速く読むことが出来ればと考えたこともある。しかし、どんなに速く読むことが出来たとして一生のうちに読める本には限りがある。
せっかく出会えた本なので、今後はじっくりと味わって読むことにしよう。 -
アンチ速読本。書いてあることは既に知っていることもいくつかあったけど、第3部の実践編は勉強になった。現代文の授業を思い出した(笑)実践編でのかなり深く読む方法を毎回するのはチョット疲れちゃうな…と思ったが、これも著者が言うように続けていけば慣れるのだろう。スローリーディングで深く読むのはとても理想的な読書だと感じた。でも私は読書はもっと気楽に楽しみたいのでスローリーディングにとらわれず、情報収集のときは速読、本を隅から隅まで楽しみたい時は遅読と目的によって使い分けた読書をしたい。読書の仕方のひとつとして知ることができたので読んで良かった。実践編で取り上げられていた本を読みたくなった。こころは学生の頃読んだきりなので大人になった今再読したくなったし、森鴎外もちゃんと読んだことなかったので読みたいな。
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もっと早くこの本に出会いたかった。
私はどちらかと言うと、本を読むのが早いと言われることが多いです。けれど、内容をあまり覚えてなく、人に感想を伝えるのも上手く出来なかった。
この本を読んでやっと理由がわかった気がします。要するに、流し読みをしていたのでしょう。
これからはもっと頭を使って考えながら質の良い読書を経験することで、人生を豊かにしていきたいと思います。 -
ベストセラー芥川賞作家平野啓一郎さんによる「本の読み方スローリーディングの実践」速読では自己啓発本などでは有効だが古典や小説、哲学の本では深く理解できない。量ではなく質にこだわったスローリーディングが必要とか。スマホ時代コスパタイパ重視の若者達に伝わるかどうかは不明(泣)