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感想・レビュー・書評
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勉強にはアイロニー(疑うこと)とユーモア(視点を変えること)が必要でどちらも無限性を伴うが個人の享楽的なこだわりがそれらを有限なものにするという原理編が前半、実践編が後半。勉強を始めると一時的に新たな環境の言葉が不慣れになりキモい状態(原文通り)になるとあったが、この読書感想文の取り組み自体が本当にそういう感じを持ちながら書いているのですごく納得感があった。
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限られた時間のなかで、人は勉強に対して、どのように向き合うべきか。哲学を専門とする著者は、本格的に哲学書を読む前の段階で、入門書と教科書レベルの本を読むべきだと考える。それも1冊に絞るのではなく、複数で、しかも半年から一年ほどの期間をかけて学ぶべきらしい。これはあらゆる学問、分野においても共通する手法で、いずれにせよ、初めて学ぶ分野において、すぐには習得できないことがわかる。それをふまえたうえで、勉強に向き合うべきである。
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読み応えがありました。タイトルからは『勉強』についてその方法を説く物のように書かれています。一言で言うなら、これまでの自分を壊して再構築し、拡張させる。その方法と考え方が書かれています。ただ、読み進めるうちにただの勉強法ではない、端的に例えば受験に成功する方法とか、学校の勉強ができる方法とかそういった『勉強』のことではないことがわかってきます。そういった勉強も含まれるのですが、最終的に千葉氏は、自分らしさが光る『クリエイティビティ』の引き出し方に到達する、自分自身を自由に解放していく方法を述べています。
自分の中にあるオリジナリティ溢れる表現をいかに見つけて引き出していくか、それには日々、どんなことを習慣としてやるべきか、を抽象的ではありますが、具体的にどういったやり方なのかも補足しつつ書かれています。それがイコール勉強にも活かせる、仕事にも活かせる、趣味にも活かせる、自分の芸術性を引き出せる、そういうことに繋がっています。
個人的に思うのですが、クリエイティビティというのは何にでも発揮できるのではないでしょうか。仕事は義務だし、勉強もやらなければならないし、人物画はデッサン力がないとダメだし、
という視野しか持てていないとクリエイティビティは失われてしまう。要は千葉氏はここでその自分の中にある凝り固まった無自覚の枠の制限を取っ払う方法を説いているのですが『生きる』こと自体もクリエイティブな作業にできるのですよね。自分流の『生き様』というものも。これを読みながらそんなことを思いました。 -
Kindle Unlimitedで読む
知識を得るためというよりは、ちゃんと考えるためのテキスト、練習として読んでみる
読んでいるときには、「なるほど」と理解して読めているつもりだったのに、章ごとに「なにが書いてあったのか」を振り返ろうとして、自分の理解がおぼつかないことに気づくのは、記憶力が落ちているからなのか、ちゃんと理解できていないからなのか
1月ほどかけてゆっくりと読み進めてやっと読めた気がする
読み応えがあった -
「勉強が気になっているすべての人に向けて」という書き出し始めの言葉となっている。勉強が深まると周りとの共感性のノリが悪くなりバカができなくなり、今までの自分を喪失し、最終的に新たなノリを獲得するという。
英語を勉強し始めてちょっとしゃべれるようになったときに、英語も日本語もかえって下手になる感じを言語化してくれているよう。
言語習得とは、ある環境において、ものをどう考えるかの根っこのレベルで「洗脳」を受けるようなことということ、ユーモアは何か新たな「見方」をその場に導入するコード変換という指摘にはうなずける。教師は勉強の有限化をしてくれる存在、読書は知らない部屋にバッと入って他の位置関係を把握するようなイメージ、勉強とは別の考え方=言い方をする環境へ引っ越すなど心躍る表現で前向きになれる。
自己分析の方法として「欲望年表」、他人に見られたら不審に思われるコンテンポラリーダンスみたいな動きもやってみよう。
言葉をリズム的に扱うことを面白さとして、俳句は絶妙な瞬間をとらえるスナップ写真、短歌は主観的、心情的な性格が強いとし、リズムと意味の両面で言葉選びができる、詩は言語それ自体を自由にしようとするジャンルであること、日常生活を小説的にとらえるということ、などを実践編で紹介している。言語と欲望の問題に踏み込む内容とあとがきで触れており、読みきれていない部分もあるので何回か読み直す必要がある良書。 -
哲学的な視点から勉強とは何かを考察した本。
勉強について哲学的に掘り下げるだけでなく、大学での勉強の仕方についても書かれています。大学生は一読することをオススメします。
勉強とは今の自分を壊して、新たな自分を創ること。それの繰り返し。 -
現代思想をベースに噛み砕いてゆるーい言葉をあえて使って教えてくれていると思う。「バカ」と「来たるべきバカ」は見た目なにも変わらない、というところが笑えたが、これは裏返すと人は見た目で判断できない、ということにつながるな。勉強の有限化という言い方が好きだ。
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自由連想法として文章を箇条書きでもいいから書いてみようかと思わせてくれた。
ツッコミとボケの対比は分かりやすかった。そしてボケの優位を言っていると感じた。ボケは探索の一つの方法だと思った。その点、ツッコミはそこだけを掘り下げていくというような。
読書も中途半端がいいと著者は言う。というよりは完璧はないのだ。ただ一つ反論させていただくなら、読書は途中では結論と異なる可能性があるということだ。しかし、その本の批判者にならないのであれば、善なる誤解とも言えよう。
私は今、精神分析と社会学と戯曲に興味をもっている。本を読んで、変身していくのは怖いけど、おそらく、それでいいのだと思う。
学校は有限性のためであることは納得した。 -
勉強のススメ。
勉強について決して単純化せずに、しかしわたしにでも察することができるように、深い考察が書かれています。
感想というか、わたし自身の変化について。
1.勉強に対するモチベーションが過去最高を更新していること。2.今までの仕事(製造業ですが)への取り組みは間違っていなかったと自信を持てたこと。3.やっぱり哲学って、実はみんな多かれ少なかれやっていて、この本に書かれているような「哲学」を、実践で体得してやっているんだなあ、との仮説をより強く持ったこと。
最後は、涙してしまいました。
さらに自覚をもって、勉強続けます! -
今までで1番しっくりくる勉強の仕方、を学んだかもしれない。わくわくして早速取り組んでる