- Amazon.co.jp ・電子書籍 (247ページ)
感想・レビュー・書評
-
本屋大賞をとって、とてもいい本だとは聞いていたのですが、設定が暗くって重そうだったので、なかなか読めなかった一冊。
虐待、LGBT、死。
読んでみると、重いテーマが詰まっているけれど、読みだすと止まらない面白さ。
こんな風に構成で話を進めていけば、どんどん読み進められるものなのか と思いました。
読後感もすごくよくって、読んでよかった。
これなら、みんなにお勧めできると思った一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
母や、義父、主税も、52ヘルツの声をあげていたのだろうか。
-
救いのある良い話しだと思った。クジラの声を聞いてみよう。
-
苦しくて、寂しくて、怖くて、寒くて、何に怯えているのかわからないくらい心細くて震えてしまう夜を知っていますか。
必死に伸ばした手がどこにも届かなくて、絞り出した声が誰にも聞こえない虚しさを知っていますか。
知らないなら、想像してほしい。
そして、52ヘルツのクジラの孤独を知ってほしい。
知っているなら、52ヘルツの声を、聞いてほしい。
いま、この瞬間、助けが欲しくて手を伸ばす人がいるのなら、その先にこの物語があってほしい。
52ヘルツの声の先に、必ずこの本が届きますようにと願ってやまない。
読みながら頬を伝った涙は決して綺麗なものではない。
自分の内の膿みが滲み出ていくような。
読み進めれば進めるほど苦しくて、暴力的ですらある。
でも、この痛みも含めてこれが町田そのこの熱量なんだなとしみじみ。
この物語が存在しない世界は、52ヘルツのクジラの孤独に等しいよね。
未読だった昨日までの世界には戻れないよ。
しおん的にはもうベストオブ2020だわ。
キナコとイトシが同じ声で歌って笑って生きていけますように。
-
本屋大賞受賞作なので読んだ。
一気読みだが… -
世界で一番孤独だと言われる、52ヘルツのクジラ。声を上げているクジラは実は近くにいて、それを聴く力は特別な事じゃない。でも気付かない事が、どれほどあっただろうか。そんな思いを巡らせた読後感でした。