52ヘルツのクジラたち [Kindle]

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  • 中央公論新社
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感想・レビュー・書評

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  • 本屋大賞をとって、とてもいい本だとは聞いていたのですが、設定が暗くって重そうだったので、なかなか読めなかった一冊。

    虐待、LGBT、死。
    読んでみると、重いテーマが詰まっているけれど、読みだすと止まらない面白さ。
    こんな風に構成で話を進めていけば、どんどん読み進められるものなのか と思いました。

    読後感もすごくよくって、読んでよかった。
    これなら、みんなにお勧めできると思った一冊でした。

  • 母や、義父、主税も、52ヘルツの声をあげていたのだろうか。

  • 救いのある良い話しだと思った。クジラの声を聞いてみよう。


  • 苦しくて、寂しくて、怖くて、寒くて、何に怯えているのかわからないくらい心細くて震えてしまう夜を知っていますか。
    必死に伸ばした手がどこにも届かなくて、絞り出した声が誰にも聞こえない虚しさを知っていますか。

    知らないなら、想像してほしい。
    そして、52ヘルツのクジラの孤独を知ってほしい。
    知っているなら、52ヘルツの声を、聞いてほしい。

    いま、この瞬間、助けが欲しくて手を伸ばす人がいるのなら、その先にこの物語があってほしい。
    52ヘルツの声の先に、必ずこの本が届きますようにと願ってやまない。

    読みながら頬を伝った涙は決して綺麗なものではない。
    自分の内の膿みが滲み出ていくような。
    読み進めれば進めるほど苦しくて、暴力的ですらある。
    でも、この痛みも含めてこれが町田そのこの熱量なんだなとしみじみ。

    この物語が存在しない世界は、52ヘルツのクジラの孤独に等しいよね。
    未読だった昨日までの世界には戻れないよ。

    しおん的にはもうベストオブ2020だわ。

    キナコとイトシが同じ声で歌って笑って生きていけますように。

  • 本を選ぶとき、あらすじをあまりチェックしないで、タイトルや装丁の雰囲気だけで決めてしまうことがある。
    本書がまさにそのパターンで、また最近話題の本だからおもしろいのだろうなという軽い気持ちだった。
    私が苦手な分野のなかに、児童虐待があるのだが、本書のテーマがまさにそこ。しかも、DVやトランスジェンダーといった、現代の問題がぎゅうぎゅうに押し込まれ…
    優しい、癒し系の話だろうという、私の勝手な予想は見事に打ち砕かれてしまった。
    とはいえ、話が決しておもしろくなかったわけではない。
    きちんと救いのある話になっていたし。登場人物も傷付きながらも逞しく乗り越えようとしていく様子がと描かれていて応援したくなる内容だった。
    ただ読んでいてつらい。
    最後がハッピーエンドだったのが救いだった。

  • 人間の身勝手な気持ちは、狂気とも言える行動を駆り立ててしまう。そして、自分にとって都合の良い面だけを見てしまい、都合の良い言葉だけに耳を貸してしまう。
    本当に大事なことは、物事をしっかり見れば分かるし、しっかり聴いていれば分かるはずなのに、それがなかなかできないもの。主人公は、この不都合な現実(人間の身勝手さ)を嫌というほど経験し、真摯に向き合い苦しむ。
    自分は忙しい日々にかまけて、他人のことを考える心の余裕が全く無かった。一生懸命な主人公の生きざまから、人を慈しみ、愛し、支えることで、自分も成長するという真理を感じ取り、清々しい気分になった。

  • 本屋大賞受賞作なので読んだ。
    一気読みだが…

  • 世界で一番孤独だと言われる、52ヘルツのクジラ。声を上げているクジラは実は近くにいて、それを聴く力は特別な事じゃない。でも気付かない事が、どれほどあっただろうか。そんな思いを巡らせた読後感でした。

  • 題名と装丁がツボ過ぎてずっと気になっていた本でした。
    鯨の出てくる作品は池澤夏樹さんの氷山の南やまた海獣の子供など大好きな作品が多く勝手にハードルを上げすぎてしまいました。
    色々問題が山盛りで飽きないけれど韓流ドラマのような
    または漫画を見ているような感じがしました。今の私には響かなかったけれどまた違う機会に読んだら違うのかもしれません。

  • 「2020年4月作品 本屋さん大賞」
    最近の身近な問題を上手く書いている気がする。

    「52ヘルツの鯨」キーワードが、登場人物(2人)を引き立たせ、引き寄せ「孤独」への理解に繋がる。

    小説とは無関係化も?
    日本人は欧米人の資本主義や民法、刑法を唱えながらも、それに反した行動をする。
    団子(談合)3兄弟の多い業界、不正の多い業界などが色々ある隠蔽の社会なので、 一夫一妻制から結婚制度を変えて一夫多妻制・一妻多夫制でもいいかもしれない。益々、格差・競争社会を生み出すかもしれない。

    全員が自律する社会は夢であろう。セーフティーネットワーク社会ができることを望む。
    社会のルールを守れない、自律できない大人がどんどん増えると、日本経済は益々、低迷するな。

    最近の成人(20ー90代)の暴走事件は子供じみて、
    みんなを困られるという考えには困ったもんだ。

    コロナが落ち着き、電車に乗ったが動かない。え!
    ・・・・。
    この本をその時間の中で読んだ思い出となった。

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著者プロフィール

町田そのこ
一九八〇年生まれ。福岡県在住。
「カメルーンの青い魚」で、第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。二〇一七年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」シリーズ(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)などがある。本作で二〇二一年本屋大賞を受賞。
近著に『星を掬う』(中央公論新社)、『宙ごはん』 (小学館)、『あなたはここにいなくとも』(新潮社)。

「2023年 『52ヘルツのクジラたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

町田そのこの作品

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