パラサイト 半地下の家族 [DVD]

監督 : ポン・ジュノ 
出演 : ソン・ガンホ  イ・ソンギュン  チョ・ヨジョン  チェ・ウシク  パク・ソダム  イ・ジョンウン  チャン・ヘジン 
制作 : チョン・ジェイル 
  • バップ
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感想 : 217
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988021140331

感想・レビュー・書評

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  • 再び訪れる自粛モード。
    だから今週末は、絶対に映画を観て過ごすぞと、決めてたんだ。

    しかしである。
    長年愛用していたポケットWi-Fiが先月ぶっ壊れ、とりあえずテザリングで過ごしてみることになった今月。
    なるほど、自宅でのネット環境の大切さに気付いたのである。
    ちょっとゴロゴロすると、呼吸するように開いてしまうTwitterやYouTube(最近柴犬の動画にはまってる)。
    意外と通信量がかかってたことに気付かされる。
    さらに、「このデータ残量じゃトレーニングなんてできないしな~」とか言って、寒くなってからトレーニングなんて全然やってないし、つまりトレーニングをやろうにもデータ残量がない、ということをさらなるサボリの理由にしているのである。もともとサボってたのに!なんて奴だ!

    つまり何が言いたいのかというと。
    今まで何も気にせずネット使いまくってたけど、今かなりデータ残量と戦っていて、そんな中で観た映画だった、ってこと。(いつもより画質を下げて鑑賞したにも関わらず、それが特に気になることもなく。)
    そうしたら。この作品、まさにそんなシーンから始まる作品でした。
    わたしと同様、主人公一家もネット環境と戦っていたのである。

    アカデミー賞とパルムドール賞を受賞した本作品。
    「格差社会」を描いておきながら、日本映画のような暗さがない。
    描かれているのは、日本映画のような絶望ではなく、希望なのだ。
    改めて、日本人は「罪の意識」が好きなんだなと実感。
    作品を観る前から、類似作品として頭に浮かんでいたのは『万引き家族』である。「家族」「格差」「抱えている秘密」「愛」、それらが類似点として挙げられるけれど、『万引き家族』とは違って『パラサイト』はコメディとして、しかし自国の社会問題に目を向けつつ、国を超えて共感を得られるという凄み。お見事でした。
    さらに、階段や坂の描写、そこを昇ったり降りたりするシーンの多さ。暗示とサブリミナル効果。
    晴れた日にゆっくりと坂を昇り日を浴びるシーンと、土砂降りの中急いで坂を下りていくシーンの対称性。こうした演出も素晴らしく、文句なしの★5つ。

    最初は平和なパラサイトから、どんどん度を超えたパラサイトへ。
    「うまく回ってる」って、実は一番心地よくて、一番平和なのかも。

    • naonaonao16gさん
      たけさん

      こんばんは~

      実はトレーニングさぼってました!爆
      ネット環境が言い訳として厳しいなら、これはどうですか?
      冬って寒...
      たけさん

      こんばんは~

      実はトレーニングさぼってました!爆
      ネット環境が言い訳として厳しいなら、これはどうですか?
      冬って寒いじゃないですか、だからトレーニングウェアになかなか着替えられなくて…わたしの部屋、冬は暖房器具ハロゲンだけなんで…

      と、なぜか言い訳選手権(笑)

      『パラサイト』ですが、是非観てみてください!
      全てが希望ではないかもしれないですが、絶望が描かれていたとしても、それが最終的に希望になるという感じです。ブラックジョークのような描写もあるんですが、日本映画じゃそんな描写絶対ないですもんね。あったとしても、日本映画の場合うまく笑えないというか(笑)
      2022/01/30
    • たけさん
      トレーニングで体動かすと温かくなりますよ。
      今日夕方、外はめちゃくちゃ寒かったけど、走ってたらちょうどいい感じになりましたから。

      残念なが...
      トレーニングで体動かすと温かくなりますよ。
      今日夕方、外はめちゃくちゃ寒かったけど、走ってたらちょうどいい感じになりましたから。

      残念ながら、寒さは言い訳にはならない、かな笑

      パラサイト、近いうちに見ます!

      最近アマプラで「モダンライフ・イズ・ラビッシュ」を見ました。タイトルがブラーの素晴らしいアルバムと一緒だったので。
      ストーリーは平凡ですが、主人公のクズ男ぶりがnaonaoさんの好みではないかと思いました笑
      おすすめします。
      2022/01/30
    • naonaonao16gさん
      今日久々に朝ヨガして、結構気持ちよくて、やっぱり身体動かすの大事ですよね~
      再開しようかなと思いました!
      寒さは言い訳にはならなかったようで...
      今日久々に朝ヨガして、結構気持ちよくて、やっぱり身体動かすの大事ですよね~
      再開しようかなと思いました!
      寒さは言い訳にはならなかったようですね…笑

      「モダンライフイズラビッシュ」調べてみました!
      どうやらバンドマンの話!?
      早速ウォッチリストに登録しました!見るの楽しみです^^
      2022/01/30
  • 韓国の格差社会がテーマ。
    徹底した高低差が表現されている。

    物語の冒頭から半地下に住む家族が、道路を見上げて、立ちしょんべんする男に毒づく。トイレが、半地下のためか一段高いところにある。家族は、トイレより低いところで、食卓を囲む。

    ある日、家族の長男は、友人からお金持ちの家の家庭教師の代打を頼まれて引き受ける。この長男は、お金は無いが、勉強はめちゃくちゃ出来て、キレもの。

    韓国社会は、仕事がなく、いくら出来る人でも、熾烈な競争レース(想像を絶する)を勝つためには、お金も必要。とにかく貧乏になると抜け出せない。

    お金持ちの家は、高台にある。
    そこで長男は、お金持ち家族から信頼を得て、なんと家族全員(姉、父、母)を美術の家庭教師、運転手、家政婦として、雇い入れる。

    もうひとつ、格差は目線の高低だけでなく、嗅覚でも表現される。半地下の家族の生活のにおいを、豪邸の家族は、肌感覚で受け入れられない何かとして描かれている。埋められない格差の絶望的なにおい。

    においが「臭い」として表現されている。
    この臭いが、同じ人間なのに、まるで人間の上下を決定付けるように、要所要所で豪邸の家族の鼻につく。

    そして、豪邸に侵入した家族は、衝撃の事実を知り、更なる高低差を目の当たりにする。また格差意識により、家族にも悲劇と不幸が訪れる。結末の戦慄とやり切れなさ、そしてブラックユーモア満載の作品。

    最後に希望を少し。
    豪邸の子供達2人は、においを「臭い」とは表現していない。これは社会を変えるには、世代交代が必要ということ。前に読んだ「ミライの授業」でも未来を作るのは、今の子供達と世代交代と出でくる。

    このスパイスがなければ、救われない!

    あわせて「超高速!参勤交代」を見たけど、高低差、においでの観点で真逆。とても楽しめた。

  • めちゃくちゃ面白かった!前半はコメディー調、後半はサスペンス調の味変があり、飽きずに観られるポイント。
    ほとんど韓国映画を観ないので登場人物の名前を覚えるのに苦労した。

    ◉エグいほどの格差
    日本も貧富の差は広がっている感覚だけど、韓国ほどじゃないなって正直思った。
    貧乏一家は知恵も働くし肝が据わっているし、全員能力が高い。優秀なのに、貧乏から抜け出せない。それほどに仕事がない。

    この映画のうまいところは金持ち一家を乗っ取ろうとする貧乏一家を、なぜか憎めない存在として描いてるところだと思う。
    決して悪人ではない。
    「金持ちだからここの人は純粋で素直」と言ったり。むしろ軽い気持ちで、冷やかしのような感覚で楽しんで取り入っているところがある。こちらもワクワクとした気持ちで観る。
    中盤物語の急転を迎えたあたりから、心情が変化し始める。

    ◉貧乏は誰のせい?
    金持ち一家にはなんの罪もない。
    ある金をある様に無邪気に使っているだけ。
    他人に興味がない社長。
    家事が苦手で何でも信じ込みやすい妻。
    (変な英語を使うバカっぽい感じがイライラを募らせる笑)
    その悪意のなさに、胸が詰まる思いが強くなる。彼らに仕えるほど、虚しさで叫び出したくなる。

    【無計画でいる事が計画を失敗させないポイント】と説く飄々とした貧乏父さんが最後に起こした事。あの表情。
    彼だってこんな人生を望んだわけではない。
    どうしようもないから気にしてないふりをして生きてきただけ。
    自分の人生の無念さがそのまま、金持ち一家への苛立ちに変わる。
    こうなったのは誰のせい?
    俺の人生を返せ!!!
    そんな叫びにも聞こえた。

    それでも結局は何も変わらないのだ。
    「金持ちになる夢」をあの半地下の家でずっと描き続ける事を示唆するラスト。
    これは忘れられない映画。
    居た堪れない気持ちになった。

    • naonaonao16gさん
      ミオナちゃん

      こんばんは~

      これ昨日わたしも観た!
      日本映画じゃありえないくらい、社会問題を描いているのにコメディ調で暗すぎないって、す...
      ミオナちゃん

      こんばんは~

      これ昨日わたしも観た!
      日本映画じゃありえないくらい、社会問題を描いているのにコメディ調で暗すぎないって、すごいよね。

      ラスト。わたしはいつも暗すぎる日本映画を観すぎているからか、あれを希望に感じたんだよね~
      2022/01/30
    • ミオナさん
      こんばんは!
      前半のブラックユーモアすごいよね

      私、あの山口もえみたいな奥さんツボやったわぁ笑
      急展開すぎて、観てるこっちが混乱するよね
      ...
      こんばんは!
      前半のブラックユーモアすごいよね

      私、あの山口もえみたいな奥さんツボやったわぁ笑
      急展開すぎて、観てるこっちが混乱するよね

      あのラストに希望を感じる?
      さすが…( ͡° ͜ʖ ͡°)
      2022/02/01
    • naonaonao16gさん
      こんばんは~

      山口もえみたいな奥さんw
      確かにww
      信頼してる人の信頼できる人=信頼できる人、って式は間違ってない。
      だけど、どこかに信頼...
      こんばんは~

      山口もえみたいな奥さんw
      確かにww
      信頼してる人の信頼できる人=信頼できる人、って式は間違ってない。
      だけど、どこかに信頼できない人が混ざると一気に全員不審者になるよねw

      たぶん、ラストの感覚は日本映画の見すぎ&慣れすぎ…笑
      なんか、「希望を描けること」が、つまり「希望」って感じかな。
      2022/02/01
  • これねぇ
    気になってしまって…
    半地下に住む家族
    妄想を掻き立てられる
    昔読んだ村上春樹のイタリア、ギリシャで暮らしていた時のエッセイ「遠い太鼓」を懐かしく思い出した
    イタリアで半地下に住んでいたことがある…というエピソードが出てくる
    人間の住むところじゃないと嘆いておられた
    そうよね
    そうでしょうとも
    ここでもいきなり酔っ払いの立小便が家の窓から映し出される
    なんせ目線の上が道路なのだから
    そう充分この家族の貧しさが理解できる
    両親は職なし、長男は賢いが金銭面で大学に行けず、美大を目指す妹も同様
    細々と内職をしてなんとか身を寄せあって生きている
    それでも悲壮感のない家族たちだ
    ひょんなことから長男が超お金持ちの家へ家庭教師に行くことに…
    これを機にこの家の運転手、家政婦、家庭教師を半地下家族が乗っ取る作戦に
    ここまでは見事に作戦成功
    テンポも良く、見事なまでは格差社会をコミカルに描いている

    後半からは読めない展開が続きスリルが加速
    当然いつまでも成功は続かない
    ジリジリと半地下家族が追い詰められるハメに…
    さらに半地下じゃない、それ以上のまさかの世界があった

    お金持ちだって悪気はない
    良い人たちである
    半地下家族だってそれなりに楽しくやっている
    しかし金持ち父であるIT社長が運転手になった半地下父の「匂い」に言及し出す
    弟もいう「みんな同じ匂いがする…」と
    どう繕っても、どう足掻いても格差社会は埋まらない象徴のようであった
    日本より根深い韓国の格差社会を世界に知らしめた非常によく出来た作品だ
    それはよくよくわかる
    それなりに楽しんだ
    前半と後半の対極さのコントラストもお見事である

    ただただ趣向に合わないので評価は…すみません

  • カンヌ国際映画祭で審査員満場一致で[最高賞]パルムドールに輝いた『パラサイト 半地下の家族』。見始めてすぐに、なぜか「万引き家族」が頭に浮かんだ。

    普段、韓国ドラマや韓国映画を全く見ないので、どうかな~と思いつつ見始めたが...いやいや引き込まれる、引き込まれる。

    前半はコメディっぽく、コンフィデンスマン.jpのような雰囲気だったが...話が進むにつれてじんわりと手が汗ばみ、クライマックスではぐっしょりだった。

    ブログにて詳しいレビューしています*
    https://happybooks.fun/entry/2021/02/22/070330

    見終わった後も、しばらく鼓動が早いままで...心がざわざわする、そんな映画。

  • アカデミー賞の作品賞に受賞されたという、この作品に期待持ち過ぎたかもって感じでした(率直な感想)韓国の貧富の差をコメディかつスリラーぽく
    表現したかったのか?その意図は理解出来るけど、
    これがアカデミー賞とった作品なのかぁ…って感覚と、思ってたイメージの内容ではなかった。
    最初は面白そうだったのに、どんどんつまらなくなった 伏線は一応回収していたのかもしれないが、韓国映画だったら、もう少し捻りの効いた社会的作品にしても、納得ゆくような唸らせた作品に出来たんじゃないか?なんて、期待大き過ぎてのか残念。

    「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。第92回アカデミー賞でも外国語映画として史上初となる作品賞を受賞したほか、監督賞、脚本、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の4部門に輝くなど世界的に注目を集めた。キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。
    話題も加速し過ぎた感あり。

  • 話題作なのでレンタル開始日にさっそく借りて見ました。先の読めない展開で最後まで面白かった。サスペンスでもあるけど基本はコメディですね。でも、切なさも感じました。山の手と下町とは言うけど、あの半地下住宅を見せられた後に出てくる山の手の豪邸は本当に優雅です。世の中には毎日この景色この空間の中で生活している人がいのですね。大きすぎる格差を感じました。

  • 本作に出てくる地下、半地下、地上階、さらには2階が階級を象徴していて、その線で見てもけっこう楽しめるのだけれど、ひとつ気が付いたことがある。

    くだんの一家が暮らす半地下の住まいはきっと、映画館の比喩だろうと思った。その住まいには地上が見える窓があり、そこから町の様子が見える。この窓がスクリーンだ。
    一家はそれぞれの役柄を演じるために、半地下の家から地上へ、スクリーンの向こう側へと出ていく。
    幻のような世界へ。

    事件後の、息子ギウの発作的な笑いの意味はここにあるのだと思った。つまり、人々がみな、似合いもしない社会的な役柄を演じていることを笑っているのだ。ギウはその幻のような頼りない世界で生きていくことを決意するのだが、その結末は、完全に開かれている。

  • いろんな賞を取りまくった話題作。
    描かれるのは徹底的な格差と、人間の残酷性か。
    貧しいキム家の面々が金持ちの家に入り込み、家庭教師、運転手、家政婦として”寄生”していく。しかしこの家にはさらに寄生する人がいた。
    決して悪人でなく金持ち的な寛容さを持つが”一線”を強く意識する裕福なパク氏。「美しくシンプルな」妻のヨンギョ。
    貧しいが頭が回るジウとギジョンの兄妹と、パク夫妻のキャラクターが魅力的。

    軽快に進みながらの衝撃のラスト。どれほど繕っても身に染み込む”臭い”は消せないということか。自らが排除されていることを認識したとき、人はとことん残酷になってしまう。
    この映画が高く評価されたのは、刹那的なラストが身近にある、と多くの人が思えるほど世界は分断が進んでしまっているからでしょうか。びっくりしたけれど観入ってしまった。

  • 久しぶりに映画館に観に行った作品

    もっとおどろおどろしい話かと思いきや、かなりの社会派作品だった
    結果、大満足

    プライムで配信されていたので再度観たけど、映画館では気付けなかったような部分も発見できて また満足

    ソン・ガンホが出演している作品は色々観てるけどハズレがない印象

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著者プロフィール

1969年生まれ。映画監督。2019年『パラサイト 半地下の家族』がカンヌ国際映画祭でパルム・ドール、アカデミー賞で作品賞を含む4部門受賞。監督作品に『ほえる犬は噛まない』『母なる証明』ほか。

「2021年 『ポン・ジュノ映画術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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