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感想・レビュー・書評
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約1年半に及ぶグリコ森永事件の全過程をたどり直し、知られざる事件構造を解明。犯人グループのリーダー・キツネ目の男の素顔と属性、グループのメンバーについて描く。
グリコ森永事件については「闇に消えた怪人」や「罪の声」などこれまでに何冊か読んでいて基本的なことは知っているつもりだった。それでも本作のような読み応えのある調査報道を読むと初耳なことが多かった。多くの人が思っているように裏取引に応じた企業があったことを匂わせながらも、いまひとつ事件の真相には突っ込めなかった印象。
(B)詳細をみるコメント1件をすべて表示-
g2altさん確かに、いまひとつ。知らなかったのは自殺した方が、ノンキャリアの中でも別格の昇進していたこと。確かに、いまひとつ。知らなかったのは自殺した方が、ノンキャリアの中でも別格の昇進していたこと。2021/09/08
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私は当時住んでいた町周辺でうごめいた昭和の劇場型犯罪を時代を経ても様々な媒体で注視しており、犯罪者の言動は恐怖と歓喜が交錯した奇妙な親近感さえ抱いている。この書籍はこの未解決事件の軌跡をもう一度振り返るとともに知り得なかった関係者の言葉を紡ぎあげていくことで実行犯の悪運と警察機構の脆弱を露呈する。誰もが予想しなかった滋賀県警本部長の自死。あまりにやるせないノンキャリアの決断は事件終結から遠のいた自責と組織上層部そしてマスメディアからの無慈悲な糾弾が導いた悲劇である。この劇場型は首謀者だけでなく世間を共犯者にした社会の病巣を物語る。
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読み応えありました。
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