書く瞑想――1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される [Kindle]
- ダイヤモンド社 (2022年1月11日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (255ページ)
感想・レビュー・書評
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頭の中でごちゃごちゃしてしまった思考を、見える化して整理することの有効性がわかる本です。
環境変化の激しい時代では、その変化についていくので精一杯になり、頭の中が整理されないまま、流されて日常を過ごすことも多いような気がします。
「書く」ことで思考を「見える化」できれば、自分を変えるきっかけになりますし、それが習慣化できれば、自然と人生は良い方向に進みそうです。
習慣化のプロとして数多くの著書を出している実績のある著者が、これまで蓄積したノウハウを生かし、その重要性と方法を教えてくれます。
何となく日々忙しいと感じながら、時間だけが過ぎていってしまうことに不安を感じる方などが読むと、その解決のヒントが得られる1冊ではないでしょうか。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「人生の変化は、気づきから始まる。『そうか!』と腹落ちしたとき、人は本当に変わるきっかけをつかむことができる。書くことで『自己対話』を続けることで、ディープインパクトの気付きが自分の内側に起きると、人は行動習慣も思考習慣も、人間関係もびっくりするくらい変わる。」
「書くことにより、①気づき(人生を変える洞察と着想が生まれる)、②片付け(大切なこと、不要なことが明確になる)、③自己認識(自分が深く求めていることがわかる)、という3つの効果が生まれ、心や生活を整理し、ひいては人生まで変えることができる。」
「書くことを単なる内省にとどめず、行動と相互循環させて進化していく。行動すれば、より価値観が明確になり、理想・目標の輪郭もはっきりしていく。少しずつ行動して自分に自信が持てるようになれば、セルフイメージが向上して、さらに高い次元の人生を自分に求められるようになる。」
→最近では「壁打ち」という方法も浸透してきましたが、他人との対話が必要で、いつでもできるわけではありません。書く習慣で「自己対話」ができるようになれば、自分の棚卸しもしやすくなります。自分の「強み」を見つけるのに使えますね。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・「書く」ことに様々な効果があることは学術的な研究からもわかっている。意識的な思考ではなく、自分でも気づかない深層の「感情」をすくい上げることで、自分への理解が進む。ぐるぐると堂々巡りしていた悩みが、「感情」に焦点を当てることで不思議なくらい解決される。
・人生の変化は、気づきから始まる。「そうか!」と腹落ちしたとき、人は本当に変わるきっかけをつかむことができる。書くことで「自己対話」を続けることで、ディープインパクトの気付きが自分の内側に起きると、人は行動習慣も思考習慣も、人間関係もびっくりするくらい変わる。
・人を変える力は願望にある。もっとも深い願望から運命は形作られる。この願望に気づくことができれば、自分らしく、豊かな人生を手に入れることができる。深い願望をつかみ、目標に組み込めれば、意思、決意、行動が生まれ、運命が変わる。
○書いて、整える
・書くことにより、①気づき(人生を変える洞察と着想が生まれる)、②片付け(大切なこと、不要なことが明確になる)、③自己認識(自分が深く求めていることがわかる)、という3つの効果が生まれ、心や生活を整理し、ひいては人生まで変えることができる。
・書くことの効果は学術的にもいろいろ紹介されているが、ネガティブな感情の浄化効果、客観視による気づき効果、書くことで自ら気づくオートクライン効果の3つが代表的。
○考えず、呼吸するように書く
・1日の中で感情、気分、エネルギーを下げたものを書き出す「放電ログ」と、上げたものを書き出す「充電ログ」を箇条書きスタイルで出す。放電ログで自浄効果によりストレスが緩和される。放電だけではマイナスがゼロに戻るだけなので、充電ログで心の充足を得ると、心がメンテナンスされる。
・その後、「今、何が一番嫌なのか、つらいのか」と「今、一番良いと感じていることは何か」を自分に問いかけながら、心に浮かぶ言葉を文章で書く「セルフトーク」をしていくと、より深層の感情に気づける。
○出す、分ける、変える
・心の片づけのプロセスは、モノの片づけと共通していて、①とにかく全部出すことから始める、②必要なこと・不要なことを感情基準で分ける、③不要なことを減らし、必要なことを増やす、という3つになる。
・自分の人生を変えるには、価値観を探り、理想と行動を明確にして、そこに時間を多く取る。1日は24時間しかないので、何かの時間をなくしたり、圧縮して減らしたりすることを同時に行わなければならない。心を整えるためには、自分にとって大切なこと、不要なことを明確にすることが欠かせない。
○書いて、結晶化させる
・ログをもとに、心と生活のパターンを俯瞰して、より良くなる行動を見つけて改善し、深層の価値観と理想を探り、自分の人生の方向性を見つける「書く片付け」は、自己対話の集中力が求められる作業で、時間もかかる。月1回時間をとってじっくりと向き合う。(そこまで必要ない場合は、しなくてよい)
・生活習慣は自分の思考や感情から、周りの人との関係まで連動している有機体のような側面がある。いい生活習慣のリズムというのは、全体が好循環で回るという統合性がある状態。答えは1つではないが、大切なことは、生活の中で実際に実験し、試行錯誤を繰り返し、自分なりの充実した生活リズムを見つけること。生きがいを見つけるためには、何をするか以上に、「なぜするのか」を知ることが大切。
○書き出すと、変わっていく
・書くことを単なる内省にとどめず、行動と相互循環させて進化していく。行動すれば、より価値観が明確になり、理想・目標の輪郭もはっきりしていく。少しずつ行動して自分に自信が持てるようになれば、セルフイメージが向上して、さらに高い次元の人生を自分に求められるようになる。
・書く習慣は、①(気持ちと状況を)俯瞰、②最適化(小さなチューニングを繰り返し状態を上げていく)、③自己洞察(自己認識を進めて一段深いテーマにも目を向ける)、④真の望み(やりたいことのビジョンを結晶化する)、⑤日々進化(日々の行動と気づきから進化を続ける)、の5つのステップがある。
・1年の抱負を立てても「何もできなかった」と後悔する原因は、「振り返り」の機会がないこと、1年という時間感覚が長すぎることの2つ。3ヶ月サイクルの「振り返り」で、1年に4度の振り返りと再スタートの機会を作る。
・書く習慣のリズムは約30日で定着していくが、最初の抵抗を乗り越えるための3つのコツは、①時間を短くしたり難易度を下げ、小さく(ベビーステップで)始める、②タイミング(いつ、どこで、何をするのか)を決めておく、③最高、最低の基準を作り、完璧を求めない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
手書きで思っていることを書き出すことにより、自己回復・自己管理をできるようにするといった内容だった。通常のジャーナリングでは書き出しっぱなしで終了して自己との対話が進まないことが多い点を指摘して、本書ではそれを解決するために3つのステップに分けたジャーナリングを提案している。ステップ1は1日でよかったこと(充電ログ)とわるかったこと(放電ログ)を箇条書きの形式と自由な文書の2つの形式で記録していく。ステップ2は月一で書き出した項目を5つの視点で整理する。ステップ3は習慣化としている。
月1での頻出点を見出すことや改善のための行動をリストアップするなどの見返しは、毎日のメモが破棄されそう・1か月分のメモの保存が手間な面もあるので実際に行うのが難しそうに感じた。負の側面を見やすい効果としてツァイガルニク効果が存在することを初めて知った。