火星の人〔新版〕 下 (ハヤカワ文庫SF) [Kindle]

  • 早川書房
4.45
  • (49)
  • (29)
  • (8)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 307
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (261ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 映画を先に観て内容を知っていても原作はめちゃくちゃ面白かった!

    火星に取り残されたマーク・ワトニー。
    どうにか生きようと何度も訪れる危機に対する発想力や機転の利かせ方が凄い。
    植物学者だというのにメカや化学の知識も持ち合わせているなんてさすが宇宙飛行士だ。圧倒的な孤独なのにマークが明るくてユーモアたっぷりで孤独さを全く感じさず、とても楽しませてもらった。

    マークを何が何でも救おうと奮闘する地球の人々の情熱やヘルメスのクルーのやり取りも大好き。

  • あまりに無謀なので深刻な気持ちになっていたら、ワトニーがふと笑わせにくるから思わずホッとする。主人公がこの性格でなければ乗り切れない事態の連続だった。
    最後の最後まで予想外の問題が起きて、まぁきっと最後にはクルーみんなで地球に帰れるのだろうと分かっていても、ずっとハラハラそわそわさせてくれる展開だった。その道のプロたちが全力で考えて実行を重ねていったのが面白かったし、最後は祈るしかないという地球の人々と同じ気持ちになって読み終えた。
    究極のサバイバルをやり遂げたワトニーが無事救出されて、遅くなったけれど仲間と一緒に地球に帰れる。地球の人々の協力も含めて最高のラストだった。

  • 興味があった本、読了。
    The Martian、まさに火星の人。
    一日一日を希望をもって過ごすことって大事なんだなと。トラブルだらけの中、ユーモアある主人公にクスッとさせられながらも一緒に時間を過ごさせてもらった気分。

    人間はだれでも助け合うのが基本、本能だと思う。そうは思えないときもあるかもしれないがそれが真実、、なにかあれば気にかけてくれる人間が圧倒的に多いんだと。この言葉になんだか共感して、まだまだ人の世も捨てたもんじゃないなと。

    いい本でした!

  • アンディ・ウィアーの「火星の人」上下巻読了。

    映画「オデッセイ」(2015)の原作。映画は、テレビで放映された時に見ていました。とはいえ、思い出すのは火星に取り残された主人公が畑を作ってジャガイモを育てていたところ、ぐらい。どんな終わりかただったのかを覚えていなかったので、ハラハラしながら読むことができました。

    「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読んだ後に「火星の人」を読んだわけなんですが、こちらも、シビアな状況を軽快な軽口で綴っていて、とても読みやすい。主人公が科学的な考察をしながら作業をしていて、かなり細かい数字や設定などを語るんだけど、それも過不足なく面白い。


    そして、小説を読み終わった後に、Amazon Primeで映画「オデッセイ」も見てみました。

    ふむふむ、細かいところは省いてあったり、エピソードも省いてあったりするけれど、全体的な面白さは失われていない。文章だけではわからないスケール感なども視覚化されて、面白い映画だったんだな〜と再認識。小説も読んだし、きっと、もう、結末を忘れることはないでしょう。

    面白かった〜。

    「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の映画化も楽しみです。

  • マーク・ワトニーは決して諦めない。どんな過酷な試練が次々と訪れようとも。彼は必ず前向きに行動し、生き残るべく最善の策を模索し続ける。
    火星一タフな人間なのだ。

  • トレーラーの改造やベッドルームの製作、空気調整器の蓄熱パイプ、MAVの解体作業などの複雑な作業がいっぱいあり、機能や仕組みがいったいどうなっているのかわからない描写も多かった。

    砂嵐に巻き込まれたりローバーを横転させてしまったりと、相変わらずトラブル続きのワトニーだが、持ち前の科学知識と判断力で切り抜けていくのがハラハラして面白い。
    <パスファインダー>が破壊され、NASAとの交信手段がなくなってしまったあと、自力で危機を切り抜け、アレス4へと向かうワトニーの姿は、衛星写真の点でしかない。
    しかしその点のような男の行動が地球の大勢の人の心をうごかし、NASAの天才集団は何度も失敗しながらも、手を差し伸べ助けようとする。
    人間の感性が共鳴し、たったひとりを助けるという情報社会のダイナミズムは、以下のワトニーのひと言にも要約されている。

    「ぼくを生かすためにかかったコストは何億ドルにもなるはずだ。ばかな植物学者ひとりを救うために、なんでそこまで?  うん、オーケイ。ぼくはその答えを知っている。一部はぼくが象徴しているもののためだろう──進歩、科学、そしてぼくらが何世紀も前から描いてきた惑星間宇宙の未来。だが、ほんとうのところは、人間はだれでも互いに助け合うのが基本であり、本能だからだと思う。そうは思えないときもあるかもしれないが、それが真実なのだ。」

    ほぼ誰にも気づかれることなく二十八年も孤島で暮らしていたロビンソン・クルーソーとは大きく違うところだ。人類の進化を感じる部分でもある。

    仮にロビンソンが救出困難な絶海の孤島に取り残されていることを、(ピューリタン革命や王政復古で慌ただしかった)当時のイングランドが知ったとしても、当時の人々のものの考え方や社会的通念で彼を助けようという気になっただろうか。

    最後、いよいよ火星軌道上にワトニーが打ち上がって救出されるときに、いざとなったらグローブに穴を開けて、空気もれの反動で宇宙空間を移動しコンタクトするという案がワトニーから出て、結局実行されなかったけれど、たしか「オデッセイ」だとそれやってなかったっけ?
    → 後日映画を確認したらやっぱりそうだった。しかもベックではなくワトニーを見捨てた責任を感じているルイス船長がみずから助けに行っていた。映像的にはそのほうがいいね。

    また砂嵐を避けたローバーがだいぶ南側へ移動してしまったとき、オポチュニティ探査機が近くにあって、地球との通信復活に利用できるので寄り道したい誘惑にかられるが、結局行かないというくだりもある。
    こうやって、事前に伏線らしきものが張られるが結局活用されずに終わるというパターンがちらほら存在するのが興味深い。
    劇中に登場させた小道具や設定はかならずしも回収しないというところが、かえって臨場感があるのかもしれない。

  • なんちゃって理系なので技術的なところの理解が不十分だと思うけど、兎に角面白かった。95点。図解火星の人が補足資料にあれば100点。それにしても火星に1人で549ソル(火星での1日の単位)なんて小説とわかっていても凄い。ワトニー君のメンタルを見習いたいものです。

    • shintak5555さん
      映画オデッセイも面白かったですが、原作は良かったです!
      映画オデッセイも面白かったですが、原作は良かったです!
      2023/02/23
  • メカニカルエンジニアでもある植物学者が火星で生きのびるために行った数々のトライがすごい
    今さらだけど、科学の知識ってこうやって生きのびるために必要だったんだ
    平和な日常生活だと科学的知識がなくてもあまり困らないけど、これぞ平和ボケ 
    後半はハラハラの連続で感動的だった
    ミンディとワトニーが結ばれるのじゃないかと勝手に想像してしまった

  • エンタメ感が半端ない!リアルな描写もあり、面白かった。

  • 下巻も楽しく読めた。どんなに絶望的とも思える状況でも1つ1つ問題を解決していくマークはとても良かった。真面目な場面なのについ笑ってしまうブラックジョークも引き続き存在していて、クスクス笑いながら読めた。自分もこのように現実を受け止めながら楽しんでいきたいなと思った。

全32件中 1 - 10件を表示

アンディ・ウィアーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
マシュー・サイド
劉 慈欣
劉 慈欣
エルヴェ ル テ...
テッド チャン
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×