半導体産業のすべて――世界の先端企業から日本メーカーの展望まで [Kindle]
- ダイヤモンド社 (2023年2月28日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (458ページ)
感想・レビュー・書評
-
正直、私には難しかった。
特に製造工程の章あたりは。
多分、わかりやすい図を多用して、可能な限りシンプルに書いてくれているんだと思うけど、わかりづらいところは読み飛ばした。
それでも、この本は図書館で借りたけど、そのうち買おうかなと思ってる。
難しいからもう1回読みたいという意味ではなく、投資ネタで半導体がらみのネタが出てきたときに逆引き辞書のように使えそうに思ったから。
わからないところは読み飛ばしても、それなりに得るものはあった。
なお、自分がアナリスト時代に、大学で半導体の研究をしていたという若い同僚がいた。
なんで、証券アナリストの世界に来たの?って思ったけど、その理由がこの本を読んで少しわかった気がする。
後日ブログにします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
半導体はよく耳にするが、よく分かっていなかった。興味があり読んでみた。専門的な話や説明もあるが、大枠を掴むにはいい一冊。半導体関連ニュースから目が離せなくなる。
-
2022年現在、我が国で健闘している半導体メーカーのキオクシア( 2017年に東芝から分社化)は NANDフラッシュメモリを手がけ、ソニーはイメージセンサーというデファクト製品を、さらにルネサスはデファクトとまではいかないものの車載用に多く使われる低消費電力マイコンを持っています。
産業技術の下流に行けば行くほど、より経験的あるいは試行錯誤的なノウハウが必要となってくることです。
このため、後発メーカーは先行するメーカーになかなか追いつき追い越せない、という現実が存在していると思われます。
 IDM——設計、製造から販売まで一貫して行なう半導体産業の業界としては、まず ID M(アイディーエム: Integrated Device Manufacturer)と呼ばれる企業群、つまり垂直統合型の LSI製造メーカーがあります。これは半導体デバイスを自ら設計し、製造から販売までを一貫して自社で行なうメーカーのことで、インテル、サムスン電子、キオクシアなど、私たちが一般に「半導体メーカー」と呼ぶときにイメージする企業群が ID M企業なのです。
IDMは自社の製造ラインを持っているにもかかわらず、ファウンドリーに前工程を委託するのには、主に三つの理由があります。
一つ目の理由は、自社のラインで製造できる半導体でも、製造キャパシティが不足している、あるいは製造リードタイムを短縮したい場合です。
二つ目の理由は、半導体製品の需給バランスの変動に対する「バッファ」(緩衝)として、ファウンドリーを利用したい場合です。
三つめの理由は、自社で保有しているラインでは製造できないような先端技術製品を開発・製品化したい場合です。
半導体に使われている材料は?半導体の代表的な材料は無機材料です(一部、有機材料もある)。
その無機半導体に限れば、 ①元素半導体、 ②化合物半導体、 ③酸化物半導体の3つがあります。
元素半導体とは、「単一の元素からなる半導体」のことです。シリコン(ケイ素: Si)、ゲルマニウム( Ge)、セレン( Se)などがあります。一般に「半導体 =シリコン」と考えられがちですが、さまざまな材料があります。 -
連日メディアを賑わし、我々の生活や社会を根底で支え、最重要の戦略物質とも言われる半導体。右肩上がりのマーケットは、6000億ドルに迫る。本書は、その半導体産業の全体像を掴むのにちょうど良い入門書である。
・半導体を取り巻くグローバルな環境
・ファブレス、ファウンドリー、OSAT
・製造装置メーカーや材料メーカー、その中で検討する日本企業
・半導体製造工程
・半導体の役割、何に使われるか
構成もまず全体→細部と理解しやすいように書かれていて読みやすい。サクッと読めた。 -
「産業のすべて」と題するのであれば流通、サービスなどのビジネス視点でも語ってほしかったところ。
結局は技術ドリブンの文脈でに終始しており、売るために何が本質的に重要なのかは何も見えてこない。
情報の粒度もバラバラで、そこまで掘り下げる必要がある?と思うところもあればそんな雑な説明で良いの?と思うところもあったりで、個人的にはいろいろ残念でした。