ナイフをひねれば ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]
- 東京創元社 (2023年9月8日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (444ページ)
感想・レビュー・書評
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英国の小説家アンソニー・ホロヴィッツの「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズ第4弾「ナイフをひねれば(THE TWIST OF A KNIFE)」読了。
このシリーズは、作者のアンソニー・ホロヴィッツ自身がワトソン役として小説内に登場する探偵物。探偵役は、元刑事で現在探偵をやっているダニエル・ホーソーン(こちらは架空の人物)。
作中で、ホーソーンの伝記執筆の契約は3作品ということになっていて、この小説は、契約を延ばそうとするホーソーンに対して、ホロヴィッツが契約延長はしない!と宣告するところから始まる(とかいって、この小説自体が4作目なわけですからね、うまく決別できなかったってことが最初からわかるわけなんですが 笑)。
自身のことを全く語ろうとしない謎多きホーソーンに嫌気がさしていたホロヴィッツだったのだけど、なんと、直後にホロヴィッツ自身が殺人容疑で勾留される、という大事件によって、決別したはずのホーソーンに頼らざるを得ない状況に!
証拠不十分で釈放されている間にホーソーンと共に、真犯人を探し当てなくてはならない、見つけ出せなければホロヴィッツが殺人犯として起訴されてしまう!というハラハラドキドキのお話でした。
舞台は舞台。
(※物語の設定(舞台)は、ホロヴィッツが脚本を書いた演劇作品(舞台)ってことw)。
ホロヴィッツ自身、舞台の脚本をいくつも手がけているらしく、相変わらず、本当の自分の仕事と、作中の自身の仕事がクロスオーバーしていて、ホロヴィッツファンとしては、へー、そんな仕事もしているのかー、といろいろな情報を得られて面白い。作中ではホーソーンシリーズ第2作目を執筆中で、第1作目の「メインテーマは殺人」が高評価を得ている、という話も。
ところで、シリーズ4作目、英国で発表された時から題名が気になっていました。
今までの3作は
・THE WORD IS MURDER(メインテーマは殺人)
・THE SENTENCE IS DEATH(その裁きは死)
・A LINE TO KILL(殺しへのライン)
「WORD」「SENTENCE」「LINE」と、文法用語を使ったタイトル。
なのに、4作目は「THE TWIST OF A KNIFE」。
文法用語、が、ない???
それについても作中でホロヴィッツ自身が指摘していて、4作目以降を書こうと思っても、もう文法用語がネタ切れだから、4作目は書けないんだ、的な。
作者による、それ以上の言及はなかったのだけれど、解説の三橋曉さんの推測では、「嫌なことを思い出させる、古傷に触れる」という意味の慣用句に「twist the knife」というのがあるらしく、それをもじっているのでは、と。
確かに、今まで小出しにされてきたホーソーンの過去がある程度まで明かされるシーンが出てきていたし、ホロヴィッツの過去についても触れられたくない失敗などもちらほらと。
作中のホロヴィッツは、ホーソーンと出版エージェントに丸め込まれて、残り4作を書くという契約をさせられているので、このシリーズ、あと3作は続く、ということのようです(現実と虚構を一致させるならばw)。
少しずつ明かされていくホーソーンの人物像が、少しずつ暴かれていくことになるんでしょうか。楽しみです。
ドラマの脚本家としてのホロヴィッツのファンとしては、もちろん面白い小説だったのですが、事件が起こるまでがちょっとまったりしていたことと、作者自身が殺人犯であったり、殺人犯として起訴されて投獄される、というのは考えにくい、というバイアスがかかっているので、ストーリーの「ハラハラ度合い」としてはちょっとマイナスかな、というところで、星4つ、ってところ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
元刑事ホーソン&作家ホロヴィッツシリーズ第4弾。
ネタ不足なのかどうかホロヴィッツ脚本戯曲初日に辛辣な記事を書いた女性評論家が翌朝刺殺されホロヴィッツ自身が逮捕勾留されてしまう。なんとか保釈されたが残された48時間。時間内に犯人まで辿り着くことは出来るのか。まだまだシリーズは続くようです -
作者≒ワトソン役のミステリーシリーズ。一冊ごとの謎はスッキリ解決。シリーズの謎の探偵の過去が気になる。
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2024.05.02
このシリーズの良さは「トニー」が良い意味でマヌケに描かれていることにある。
読者は「トニー」と同じ立場にたって、ヒヤヒヤし、もどかしい思いをし、ゴールにたどりついたときはほっとする。
本作も楽しく読んだ。 -
2023年9月8日 発売! 犯人を当てるという内容よりは・・・。
※私はダンガンロンパが好きで現在ミステリー本を読み漁ってます。
【ストーリーはいいが、欠点は・・・】
今もっとも熱いミステリー作家といえば、
アンソニー・ホロヴィッツ!
代表作のカササギ等を読むか、最新作を読むか。
というわけで最新作の『ナイフをひねれば』を購入。
ホロヴィッツとホーソーンの掛け合いも不快にならない、
ちょうど良い距離感。
ただ、自分の考えたミステリーとは違うタイプで、
ノートに『証拠・証言等』をまとめて犯人を探す。
タイプではない・・・かなぁ。といった感じです。
現実的に考えて無理じゃん!とか言われても、奇怪なトリック含め全て
伏線回収されるミステリーを探していたため、
あまり刺さらなかったかも。。
ただ、他のアンソニー・ホロヴィッツ作品は、明確に
"犯人当て"とあらすじで紹介されていましたので
他の本も読んでみたいです。