貧困のハローワーク

著者 :
  • 彩図社 (2016年9月15日発売)
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感想 : 11
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 労働に対する考え方や環境は、時代とともに変わる。それに伴い、問題点も変わる。確かにそうだと思います。ただ、この頃、今の若い人は不幸だなと感じるのは、やりがいだとか生き甲斐だとかいう部分がすごくクローズアップされてしまって、その点をクリアした職についてないと「俺はもう駄目だ」「私は充実してない」と心折れてしまう人が多いように見受けられることです。昔は学校を出たら「とにかく自力で食べていかなくちゃ」という意識が最初にあったし、やり甲斐なんて自分を追いつめるほど探求したりはしなかった。「やりたい仕事」的な目標はもちろん抱いていたけれど(今の50代はそうだし、40代はグラデーション世代なのかな?)。
 とんねるずが「ヤリガイ」という貝を背負って就職関係のコマーシャルに出て話題になったのは、いつ頃かな。80年代かなあ。その後の個性や自分を大切にする教育によって若者の意識も変わった。就活や仕事場での失敗をきっかけに引きこもったりウツになったり、そんな彼らを弱くなったの一言で片づけてしまうのは可哀相と思いつつも、自分の面倒は自分で見る気概は持ってほしいとも思います。とにかく自力で食べて生きていく力があるだけで素晴らしいのだから、まずはそんな自分を誇ってあげて大切にしてあげようよ。
 本の中身に直接関係ありませんが、働くことについて考えるきっかけをいただきました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年12月12日
読了日 : 2017年12月12日
本棚登録日 : 2017年12月12日

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