私という病

著者 :
  • 新潮社 (2006年3月16日発売)
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本棚登録 : 323
感想 : 60
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内容が内容だからか、これまでの女王様シリーズとはかなり違う文体で、固く固くなっている。こんなふうにも書けるのか、と最初驚いたほど。もともと最初はそうだったんだろうが、あそこまでくだけ文体に落として書き続けて、戻せるものなのかと。
しかしそれだけ内容は重い。私にとっては、かもしれない。たった1日2日で逃げ出したデリヘルだとはいえ、中村うさぎはもはや笑えないことをしてしまった。風俗が悪いと言っているのではない。東電OLにシンパシーを感じたみたいなことを書いているが、彼女は自己表現をしたかったわけではない。中村うさぎは、仕事のためにやったのか? 自分の、あらがえない業に突き動かされたのか? たんなる物見遊山か? なんにせよ私には、やりたくないけど周りが止まらなかった、としか見えなかった。彼女は断れない人なのだ。なぜ、本当に周りの誰かが「それは笑えませんよ」と止めてやれなかったのだ?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年2月9日
読了日 : 2011年2月9日
本棚登録日 : 2011年2月9日

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