吾輩は猫である (新潮文庫)

著者 :
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感想 : 394
4

「こころ」の次に読んだ漱石の小説。
とにかく、主人の「くしゃみ」を中心とした登場人物たちの会話が面白い。
長編小説としては、話の筋に一貫性がないが、これも一興というところか。
近代日本語?を操り、ち密に物語を構成していく文体は、日本語の美しさを大いに知れたし、各人物の滑稽話は笑いが絶えなかった。
それでいて、現代批判を婉曲的、比喩的に言い表し、滑稽話の中に自然と織り交ぜ、考えさせてくれる語り口は圧巻だった。
終盤は厭世主義的な考えが垣間見え、ダークなゾーンを感じた時もあって今の世の中に対しても自分なりに考えを深めるきっかけをくれた。
ぜひともまた読んで考察を深めたい。

個人的には、くしゃみ先生が娘たちが食事の際に繰り出す体たらくを、一言も言わず、専心自分の飯を食い、自分の汁を飲んで、楊枝を使いながら放任してるシーンが一番好きであり、笑えたw

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月9日
読了日 : 2023年1月9日
本棚登録日 : 2022年6月19日

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