星系の消滅と共に絶滅した、特殊な能力を持つ種族「銀の三角」。3万年後に再び現れた銀の三角人を巡る、壮大なSF叙事詩。
数十年前、学生時代に一読したきりだったので、今読めば理解できるだろうかと購入。一読目、細切れ読書ではなかなか頭がついていけず。可能なら時間のあるときに、一気読みした方が、その世界観にどっぷり浸れる。
スケールの大きいタイムリープ、クローン、中性的人物、排除される異形種…これまで読んできた萩尾SFを彷彿とさせる。難解ではあるものの、繰り返し繰り返し読むことで、ストーリーが頭に入ってくる。緻密な構成の素晴らしさは勿論だけど、キャラクターも魅力的。敵か味方かわからない、歌うたいの黒髪の少女、ラグドーリン。きりっとした彼女の瞳とつかみどころのない存在にとても惹かれる。
萩尾作品全般に言えることだが、大判で読みたいな!懐と場所を考えると文庫版はありがたいのだが、美しい絵とダイナミックなストーリーを楽しむなら、断然大判がいいなと思うのだ。
何度も読み返すほどに新しい発見がありそうな、とても噛みごたえのある作品。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2023年10月11日
- 読了日 : 2023年10月11日
- 本棚登録日 : 2023年6月30日
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