ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2004年9月15日発売)
3.60
  • (3726)
  • (4695)
  • (7200)
  • (1099)
  • (386)
本棚登録 : 51036
感想 : 3486
4

過去に読んだことがある作品である。Beatlesを聴きながら読んでいた記憶が蘇る。
大阪万博やBeatlesの来日やどことなく日本経済の隆起の原点を感じる。大阪万博やBeatlesがなぜ日本経済発展と結びつく代表格なのかというと、私の中では国際社会との関わりが本格化したからだと思うのである。

更に、友人キズキの自死とその彼女である直子と渡辺の関係が、内容は異なるが設定的には夏目漱石を想起させられる。友人がKというだけではない・・・。

明治の文豪たちの作品は三角関係や不倫が場面設定されていることが多いと感じる。恋愛が文学的な叙述として大衆に受けたのであろう。しかし、この作品は、日本経済と同様に、小説を複雑な人間関係や生と死の領域を広げるきっかけになった作品のようにさえ思える。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 村上春樹
感想投稿日 : 2023年10月17日
読了日 : 2023年10月17日
本棚登録日 : 2023年10月13日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする