クリエイターたちが共同生活をしているシェアハウス、スロウハイツが題名。人気作家のチヨダ・コーキ、大家で作家の赤羽環を中心に共同生活を通じて、それぞれが持つコンプレックスに悩みつつ制作活動が描かれているが、同居人たちの紹介に伏線がある。
コーキの小説を模倣した10年前の殺人事件とどう繋がっていくのかが楽しみである。
そして新たな同居人がやってきて、物語が転機を迎える。
青年たちの生きることへの自問、クリエイターならではの想いが描かれていて、私にとっては、ノスタルジーを感じる作品だ。異性への思いも相まって、さまざまな憶測や社会との関わりに晒されることで、社会に対する諦めさえ感じてしまう。そんな葛藤は苦い過去を思い出さされた。
読書状況:読み終わった
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辻村深月
- 感想投稿日 : 2023年10月28日
- 読了日 : 2023年10月28日
- 本棚登録日 : 2023年10月26日
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