スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

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著者 : 辻村深月
  • 講談社 (2010年1月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765565

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スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 赤羽環のような女性は、苦手だ。
    男性のことを「男」と呼び、「セックス」という言葉をあえて口にする。
    仕事はばりばりこなす(それはいい)。自分の信念に裏打ちされた正しい言葉をストレートに放ち、周りを切り刻む。
    一見さばさばしているようだが、こういう人が一番自分の女性的な部分を意識していて、関係がこじれると厄介なタイプなのだ。

    狩野荘太も長野正義も苦手だ。
    そりゃ僕も『ミツバチのささやき』も『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』も好きだが、自分たちが特別だと思っているその感じがつらい。
    そして、森永すみれ。
    じつは頑固で芯の部分で揺るがないのが彼女だと思う。最も手強い。

    タイプは違えど過剰な自意識の塊のようなスロウハイツの住人たちに居心地の悪さを覚える。
    しかしそれは、録音された自分の声を聴く時の違和感や、街なかのショーウィンドウに映った無防備な自分の姿に感じる恥ずかしさと同様のものだった。

    映画やドラマを観ていて「こいつ嫌な奴だな」と思う時は、いい脚本に力のある役者さんの魅力がばっちりはまった時だ。
    『スロウハイツ』という建物は辻村深月さん自身で、彼女の分身であるスタンスの異なるクリエイターたちが、いつも心の中でせめぎ合い、闘い、葛藤しながら作品が生み出されているんだろうなぁと、ふと思う。

    スロウハイツの住人たちが次第に気になり始め、見守りたくなってきた。彼らはどうなっていくのか。全てのカードは出揃ったのだろうか。
    辻村深月さんが華麗に裏切ってくれることを期待して下巻へ。

    (余談だが、チヨダ・コーキは西尾維新を、狩野荘太は若き日の藤子・F・不二雄先生をイメージしながら読んだ。『ダークウェル』の幹永舞と夜真下陸男も『DEATH NOTE』の大場つぐみ・小畑健コンビを想像してしまった。
    『スロウハイツ』も『トキワ荘』みたいだ、と思っていたら、そのまんま作品内で言及されていたので、僕は作者の手のひらで踊らされているのかもしれない。下巻が楽しみです。)

  • 上巻は下巻につながる序章という感じ。
    スロウハイツに住む住人たちの紹介。
    個性豊かな住人たちばかりで、なかなか面白い。
    後半に少し話が動き出し、きっと下巻では何かあるよねぇと期待を膨らませずにはいられない。
    下巻が楽しみ♫

  • 職場の先輩に薦めてもらった本。
    心が温まる話とのことだったけど、上巻を読み終わった時点では温まる兆しはない。
    どうしたことか。
    ただ、先輩はすぐに下巻を読むこと!と強調していたので、とにかく下巻まで読んでから判断せねばならない。

    ここまではなんとも不思議な小説だなという感想。
    登場人物>シナリオと言ったらおかしいだろうか。
    この小説で描きたいのはスロウハイツで起こる出来事ではなくて、そこに住む住人の関係や、嗜好や、思考ではないかと思う。
    小説家、脚本家、画家の卵、漫画家の卵、映画監督の卵と、クリエイター揃いの住人と、その間で生まれる様々な感情を切り取ることが目的ではないだろうか。
    作者の意図がそうでなかったとしても私はそこばかりが気になってしまった。

    かけがえのない友人であり、ライバル。または憧れの存在。
    人間とクリエイター、その両方の視点から評価を下しあう関係。
    実はあまり気安くないような気がして、私まで緊張してしまう。
    でも、なぜか続きが気になってすいすい読み進めてしまう。
    不思議。
    そうなんとも不思議。

    下巻で心温まる物語になったらますます分からない。
    もう、楽しみで仕方ない。

  • 現代版トキワ荘を舞台に、住人たちの詳細な人物像が浮かび上がる上巻。少々くどいくらいに描写が繰り返されるのはきっと伏線なんだな。。。

    すでに夢を叶えて成功したり、実現に向かって突き進む住人たちだがどこか欠けている。このドコカ・カケル感じが下巻ではどう変化するのかな。

  • 敢えて再び
    最も私を感動させてくれたこの作品のレビュー欄に続きを書きこもう。

    辻村深月「鍵のない夢を見る」にて「直木賞」受賞後の雑感:その2
    (前編は下記に)
    http://booklog.jp/users/koshouji/archives/1/4062758229

    辻村さんは、今後どちらの路線の小説を中心に書いていくのだろうか……。

    直木賞受賞作品なので購入して読んだという方々のレビューを色々なところで拝見した。
    予想通り、「鍵のない夢を見る」の評判はあまり良くない。
    多かったのが、「心理描写はすごいが、読後感が悪い」というもの。
    やはりなあ、というのが正直な気持ちだ。
    その方たちに伝えてあげたい。
    断言するが、辻村深月作品の魅力は、けしてそこにあるのではない、と。

    「鍵のない夢を見る」について、ある方のレビューを別のサイトで読んだのだが、
    ”今回は誰にも共感や同情する間も無く、全てのお話があっけなく終わってしまいました。
    彼女の持ち味であるイタさや不快さがもの足りなくて。辻村ワールドが味わえなかった”
    と書かれていて驚いた。
    「オーダーメイド殺人クラブ」や「水底フェスタ」など、最近の彼女の作品を読んだ方は、彼女の持ち味を”イタさ”や”不快さ”と思うのか……と愕然とした。
    「スロウハイツの神様」「名前探しの放課後」「ロードムービー」「凍りのくじら」などの講談社路線を読み続けてきた読者とは、彼女の小説に向き合う感覚が全く異なってしまうのだ。
    講談社路線を読んだ人は、彼女の持ち味が”イタさ”や”不快さ”などだとは頭の片隅にも浮かばないだろう。
    もちろん私も、彼女の持ち味が“イタさ”や“不快さ”であるなどとは夢にも思ったことはない。

    *「闇が深ければ深いほど、そこに射し込む光は柔らかく温かいはず」と彼女は断言していたのだから。「これからも気取ることなくハッピーエンドを提示していきたい」と語っていたのだから。
    (*:「野生時代 2009年8月号の『辻村深月インタビュー』より」
    だからこそ、それを見事に表現した「スロウハイツの神様」や「名前探しの放課後」に感動し、私は感涙したのだから。

    よもや彼女はこのまま『文藝春秋路線』の作風に向かってしまうのではあるまい。
    彼女を貶めるつもりは毛頭ないが、だとしたらそれは一ファンとしてとても哀しいことである。
    そんなことをふと思うのは私だけの勝手なワガママでしょうか?

    註:ちなみに、来週7月28日のTBS「王様のブランチ」に辻村深月さんが出演するらしいので、何を語るのかよく聞いてみたいと思っています。

  • 下をはやくよんで!
    こんな、感想なんか読まないで、今すぐに下を読んで!

  • 売れっ子脚本家の環が所有する「スロウハイツ」に暮らす、漫画家志望の狩野、監督志望の正義、正義の恋人にして画家の卵すみれ、そして若者に絶大な人気を誇る(彼の作品に影響を受けた若者の殺人事件まで起こる始末)、作家の公輝とその雑誌編集長の黒木。
    彼らの共同生活が3年目を迎える頃、それぞれが迎える変化。

    フィクションにおいて「誰かとの共同生活」、とりわけクリエーター同士の共同生活はいつか終わりを迎えるものであり、この小説ももちろん例に漏れない。
    でも二度と帰ってこない瞬間だからこそ放ちうる瑞々しさや輝きは、登場人物だけではなく、それを憧れながら読んでいる読者にも深くそして長く留まる。
    この小説も、読み終わった後にじわじわと来る素敵な作品だった。

    作中に仕掛けられた(?)「XXの正体は誰だ」という謎や、その他いくつかの伏線は、あまりにも分かりやすく、恐らく作者はこれらの謎や伏線でミスリードをしようという気は無かったと思われる。
    じゃあ何故そういう伏線をばらまいたのかっていうのがイマイチ私の中では答えが出てないんだけど、まぁそれは些末な話なので深く考えないでおく。

    コウちゃんこと公輝と環の、二人の「愛」と軽々しく呼ぶことも憚られるほどの想い(でも敢えて名づけるなら「純愛」だよねー、やっぱり)が素晴らしい。特に最終章(公輝パート)が無かったら、私はこの小説の評価をあと1段階下げていたと思う。
    たとえ通じなくても、そばにいられなくても、その人がいると思うだけで強く前向きに進もうと思える気持ちって、素晴らしい。
    一方で作者は、誰かに寄りかかることは、この気持ちとは似て非なるものだということをスーによって冷静に(でも決して冷徹にではなく)提示する。辻村深月という人はとてもバランスの取れた人なのだと思う。

    余談ながら、辻村深月とちょっと語感の似ている水村美苗は、まさにこの作品の環を地で行く作家。母に対する描写の数々なんて、まるで水村の描く水村節子氏のようだった。

  • きっと全ての人にそれぞれのチヨダコーキがいて、それが小説でないにしろ、会った事もない他人を拠り所にして生きている。

    私にとってのチヨダコーキは辻村さんであり、アジカンであり、身近にいる家族や友達と同じかそれ以上に彼等に救われてきました。

    うまく言えないですが、どんな表現者も誰かにとってのチヨダコーキ。
    軽い気持ちでの批判中傷はしてはいけないな〜と、改めて思いました。
    …全然感想じゃない。

  • 好きな作家がいる、というだけで
    酷い状況を潜り抜けられることがある。

    コウちゃんの本は人を殺しませんー
    コウちゃんの本があったから、今まで生きてこられたー

    毎日学校で酷い目にあって、学校から帰ってきて家に居場所がないとき、
    高島屋の屋上から何度も地面を見つめても、
    海辺のカフカの下巻が文庫になるまでは乗り切ろう、とか、
    学校の行きに、或は、帰りに、線路に飛び込むタイミングを計っても、荻原規子の3部作が完了するまでは、乗り越えようとか、何度も何度も考えて、乗り切ってきた。

    それらの本を読んだ後の世界が、今まで苦痛に満ちた世界と少し変わっていることを信じていたし、その期待は裏切られなかったから。

    すべての本好きに捧げる、
    本の力で、過酷な状況を乗り越える切符を手にする話しだ。
    そしてこの本もまた、その切符になった。

  • 辻村作品の中でも大好きな作品です。
    才能のある人間が集い住んでいるスローハイツ。そこのオーナーは才能あふれる若き女性脚本家で、自分の母親をネタにのし上がって行った過去がある。
    スローハイツには様々な結果を残す優秀な人間が集まっているが、主人公が注目する新たな人物が存在することに気づいた。
    作中、色んな伏線があって、あとから驚いたり感心したりし通しです。
    長編ですが、飽きずに楽しませてくれます。

  • いろいろ悪口も言ってきたし、この人の書くきれいすぎる世界に少し現実感がないってのはあるのだけれど、この作品にはやられた。

    いや、文句はそれでもあるよ。
    そこまでして?なんで言わないの?いやいやそれはあまりに?
    ピュアと言えばピュアだけど、いくらなんでもそれは現実離れしすぎです。

    とはいえ。

    ストーカーのくだり、コスプレのくだり、そうして図書館に全部揃ったチヨダ・コーキの本のくだり。ザッピングのように目線が変わるからよけい、ちりばめられていたコンポーネントのつながりが、最後に際立つ。

    このできばえ、この美しさ。

    とても現実感がない分、はかなく美しく輝く、この感性が、今回はパズルとして完成度高くはまった。いつも通りの不満はあるけど辻村作品に、今回は★5つです。

  • 上下巻を読んでの感想
    傍に置いていつでも手に取れるようにしておきたい物語がある。
    「スロウハイツの神様」は私にとってはそんな1冊だ。
    いつまでも手元に置いて何かあると開いてみる特別な1冊だ。
    第一章で語られる赤羽環は強い人だ。
    彼女なりのきちんとした「美学」がありけっしてそれを崩そうとはしない。
    「スロウハイツ」の住人たちは、環の「美学」に合格した人たちばかりである。
    環には迷いがないように周囲からは見える。
    繊細で傷つきやすいところも、弱いところも、すべてを自力で抑え込んでスッと立っている。
    環が別れた元恋人を何故「スロウハイツ」に誘わなかったのか?と聞かれたときの答えがいい。
    たとえ元恋人だろうと容赦なく分析しているところが、いかにも環らしい。
    「美学」に反していても恋人ならば許せる。
    けれど、同居人や友だちには対しては一切妥協はしない。
    環の中では恋人が占める比重はごく軽いものだったのだろうと思ってしまった。
    下巻の最後まで読み終えたとき、どうしようもない切なさがわきあがってきた。
    公輝はなんて素敵な人なんだろう。
    そして、なんて哀しい人なんだろう。
    環を公輝をめぐる人たち。
    彼らの生きている姿が、前に進もうとあがいたり悩んだりする姿が、どうにもならないこともあるのだと受け入れる姿がとても好きだ。
    人の価値は見た目ではわからない。
    近くにいてもなかなかその本質的なものは見えないし、どんな人なのかなんてわからないことが多いだろう。
    大人になればなるほど、自分を隠すことが上手になる。
    相手の望む自分・・・無意識にでも意識的にでも・・・になろうとしているときがある。
    本当はちょっと不愉快なときでも、無邪気さを装って笑ってその場を凌いだりする。
    環のようには生きられない。
    傷つくことを誰よりも怖れながら、傷ついてもかまわないと思える強さなんて持てないから。
    だからこそ、この物語は手放せない。
    ときどきは環や公輝に会って、言い訳好きな自分を環目線で見つめたくなるから。

  • 読み出すと、どこで止めていいのかわからなくなる。
    言葉の端々が痛い。言葉が刺さる気がするのですよ。

    連続殺人があるわけでも、だれかが誘拐されるわけでもない普段の生活の中の生きている上での、仲間とのケンカだとか嫉妬がこんなに衝撃的だなんて~。
    読んでてクラクラする。
    下巻も楽しみ。

  • 私が一番最初に読んだ辻村深月さんの作品で、この作品をきっかけに辻村深月さんを読み漁ることになりました。

    過去に読んだけど、また読み返してみました。
    辻村深月さんの作品は他の作品と繋がっているので、何作か読んだ後また読み返してみると新しい気づきがあって楽しいです。

    読んでいると、スロウハイツの住民達をすごく好きになってしまいます。
    皆クリエイターなんですが、それぞれが自分が好きなもの、目標にしている夢にちゃんとこだわりを持っていてお互い尊敬しあって、時には意見したりして。
    住民達の友情にこういうのいいなあ、と思ってしまいます。

    上巻ではサラッと書いてある出来事が、下巻で え!そう言うこと?ちゃんと意味があって描かれていたのか!ってなるので、細かいとこも記憶に留めつつ読んでおく事をおすすめします。

  • 初、辻村深月。

    作品名は幾つか知っているけれど、なかなか手を出していなかった。

    スロウハイツのオーナーで、人気脚本家の赤羽環。そして、彼女が共に住もうと考えた小説家、漫画家、画家、映画監督。
    環以上に絶大な人気を誇る小説家、チヨダ•コーキ以外はまだまだ、卵の段階なのだが。

    上巻なので、人物紹介がメインな所があるが、それぞれに一長一短な姿を見ていると愛おしくなる。

    中でも赤羽環の痛さと、コーキの無垢さが好きだ。

    さてこれが、どう「カンドウ」に結びつくか。
    下巻に進む。

  • 話題の辻村深月を読む。
    やはりというか、女性の作家さんが書く小説というものはどこか苦手だ。
    これは賛辞の意味でだが。男性をここまでかというほどよく描写している。
    男なら誰もが持っている虚無感というものをよく描く。
    このスロウハイツの神様に至っても同じことが言える。

    人気脚本家の環の管理するスロウハイツというアパートに住む、
    彼女の友達である芸術家の卵たち。
    友達と言う枠組みの中でうまく関係性を築いていってると思いきや、
    1人の新しい住人の登場によって何かが崩れていくような・・・予感。

    まだ上巻を読んだだけなので、このような陳腐な感想になってしまうが。
    リアリティを感じるようで、感じないとこもあったにはあった。
    それでも描写する登場人物たち、特に男性陣の気持ちには胸が詰まる。
    どこか恥ずかしくも感じるのは自分の気持ちを見透かされてるからなのか

    主に上巻はスロウハイツの住人たちの紹介。そこに費やされている。
    彼らが愛すべき人なのか、そうでないのか。下巻が楽しみな作品。

  • 上下巻まとめてのレビュー。

    青春小説、クリエイターたちの物語という体裁をとりながら、その洞察はあまりにも深い。言ってはいけない負け惜しみがあるということ、闇から拾い出す物語と温かみだけで作られる物語があるということ。

    さらにぐいぐい引き込まれるのがディテールの描写だ。実生活で私たちはほんの些細なヒントを拾い集め、友人あるいは恋人の状況を察知していく。それが実にくどくないかたちで、でもさらっと温かみのニュアンスで描かれている。

    強情で頑固な環と、優しくみんなを観察できるいる萩野と。。。一人ひとりの人物像が作りこまれていて、発言からも行動からも。そこがすごくリアルで、とても成功した群像劇となっている。

    最後はありふれたアメリカのホームドラマみたいな形で、すべての複線を回収してみんなをハッピーにしすぎて、ちょっとうそ臭くなってしまったけど、それでも、世界に愛が満ち溢れるのはいいことです。上巻のほうが、おすすめ。

  • 上巻だけで評価しないように!

    正直、上巻だけなら★3つがいいとこですが、下巻のラストはもう最高です。

    ちょっとだけ我慢して、下巻まで読破して下さい。

    かなりオススメです!

  • 上下巻の長編だけど、最後はすべての布石を拾い集めて、丁寧にうまくまとまってました。うるっときてしまった。。。

    少し、ホッコリした気持ちになったのと、キャラクターが相変わらず魅力的でした。この辺の深月さんの作品は良物が多いね。

  • 上巻は大部分が登場人物たちの紹介。
    終わりの方で少しずつ物事が動き出しているのを感じました。
    続きを読むのが楽しみ。

    辻村さんの作品は登場人物たちの内面の描写が細かくて深く染みる。
    みんなバラバラな性格だけど、登場する人物それぞれの良さがあって、好き。
    ただいわゆる萌え系のアニメやマンガに興味が無いので、コウチャンの作品にみんなが夢中なところにちょっとついていけていない、私がいます。笑

  • ああ、上巻のレビューかこれは。まぁこっちに書こう。
    少しでも引っかかりそうな人は読んでみるべき。本当に人を愛せる話です。ただそれは下巻までいかないといけない。だから下巻も一緒に買おう。最後の100ページの気持ちよさの為に、600ページをのんびり読もう。
    買うべし。

  • 読了するその過程であらゆる感情に触れさせてもらえる物語。やるせなさ、愛しさ、切なさ、楽しさ、喜びや悲しみ。

    強くてかっこよくて、でも不器用でどこか可憐しさを感じさせる環と、弱々しくて不器用で、でも強さも優しさも感じる公輝との愛という感情の繋がりがピアノ線のように見え隠れして、なにより登場人物の人間関係がとても心地よく、現実的ではないけども決して白々しさを感じさせない。

    物語としての感動を味わうだけなら一度でいいけど、二度読めば作品としての素晴らしさをより感じられるのではないでしょうか。とるに足らない一文が、それらは決して重要ではないのだけれども、恒星に従う惑星のように多様な感情という光を浴びる伏線として多数存在しています。



    不言実行と有言実行、どちらを美徳とするにしても、絶対に譲れない、折ってはならない支柱を登場人物は皆、自分の中にもつ。

    「あらゆる物語のテーマは愛」「愛は執着」というなら、
    自分の支柱に執着することが「人生」という物語には欠かせないということなのでしょうか。

  • 私の大好きな一冊の一つになった作品。
    登場人物である環のことが大好きです。
    不器用で、純粋な人。才能があり、友達思いの優しい人。
    私もこんな人になりたいです。

    内容もミステリー調に進んでいき、とてもおもしろかった。
    私もクリティブな学校に進んでいるのでとても共感できる部分も多く、自分の励みにもなった。

    おすすめの一冊です。

  • 脚本、小説、映画、絵画とそれぞれの方向で才能を持つ、クリエイター達の物語。
    こんな大成しそうな奴らが一ヶ所に固まっとるわけないやん、というぐらいしかいちゃもんつけられるところがなく、その難癖も俺が今立つ場所と辻村深月が立つ場所から来る違い、と言われれば「ぐぬぬ」としか言えない。
    視点は少年漫画家を目指す狩野が多いけれど、主人公は苛烈で優しく才能ある脚本家の、環だ。クリエイターを目指す人なら、彼女のような人に憧れや羨望を抱くんだろう。でも魅力的な人物は彼女だけじゃない。優しい狩野も、イケメン正義もハイパークール黒木も・・・・・・って書いたら何か安いな。実際は、現実に則した魅力を持っている。絵師にはやきもきさせられるけれど。

    創ることと生きること、創るためにどう生きるか、どう生きたから何が創れるか、彼らの悩みがひしひしと感じられる。

    一番好きなシーンは、狩野がコロコロでボツにされた作品を環が泣きながら読むシーンだ。感情移入しやすいキャラが憧れやすいキャラに認められるっていう、ありがちなシーンではあるけれど、それでも熱かった。
    章題も「チヨダコーキの話しをしよう」なんかはすごく格好良い。

  • 後半につづく・・・

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スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)の作品紹介

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ-あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。

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