ムーンパレスを読んだときとはまるっきり違う感じ。新潮文庫の「ピース・又吉が愛してやまない20冊」にも選ばれていたとは。
登場人物がみんな色の名前で、ただそれだけのことなんだけど匿名性?がとても高められていたように思う。人物の描写がなくても自ずとイメージが浮かんでくるんだけれど、色以上の余分な情報はシャットアウトされていて、そのバランス感覚はこれまで味わったことない種類のものな気がした。
私立探偵ブルーが、ホワイトという人物から奇妙な依頼を受けて、ブラックを見張る。単調にすすむ日々のなかでブルーが異常を来していく様子はまさに狂気。我々のまわりは幽霊たちであふれている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(海外)
- 感想投稿日 : 2021年5月31日
- 読了日 : 2021年5月6日
- 本棚登録日 : 2021年5月6日
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