『イン・ザ・プール』に続き、伊良部先生大活躍!笑。空中ブランコのパフォーマー、ヤクザ、作家など…職業も症状や悩みも様々。迷える子羊たちは伊良部総合病院の地下室の神経科の門を叩く。
「いらっしゃーい」の甲高い声、来てすぐの「おーい、マユミちゃん」からの即注射、気のない診察と「僕もやってみたい…」は定番の流れ。患者は診察で思いついた事をただ口にする伊良部先生のアドバイス?に「…一理ある」と内心感じながらもすぐには実行に移せない。
悩んで視野が狭くなっているし、長年染み付いた認知や行動の仕方はすぐに変えられるものではない。病んでいる時はどこか周りのせいにしがちで、自分に原因があってそれを変えていこうとは中々出来ないがそういうのがリアルに描かれていると感じました。
面白いのは伊良部先生の5歳児全開の興味 笑。「僕もやってみたい…」は社交辞令でもなんでもなくて、黄緑色のポルシェを乗り回して患者の職場にズケズケ土足で上がりこむ。空中ブランコでも怖いものという認識がないのでやりたいと言う。無駄な緊張や強張りがないからそこそこやれたりする笑。
奥田英朗さんは『家日和』を読んで、人物描写の凄さと明るい笑えるストーリー、余韻を大切にした終わり方がいいなと思ってました。伊良部先生シリーズでもそれは変わらずで、脇役でも人間らしさはあるし細かい所までストーリーが作り込まれていて面白い。最終話でマユミさんの意外な一面が見られた事も良かったです。いやっほー!
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- 感想投稿日 : 2023年11月28日
- 読了日 : 2023年11月27日
- 本棚登録日 : 2023年11月24日
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コメント 2件
yukimisakeさんのコメント
2023/11/28
アンシロさんのコメント
2023/11/28