久々の1巻から16巻までの一気読み。
やはり、色あせない名作だった。
自分は将棋は全くわからないけれど、静かに胸を熱くさせられた。
漫画でしか表現できない、目にはみえない孤高の世界がここにある。
主人公、零くんも中身の濃い17歳だけど、それが霞むくらいそれぞれのキャラが癖があって魅力的。
繊細で内気な少年も、枯れたじいさんも、虚弱体質でネガティヴ思考も、みんな中身はゴリゴリのファイターなのだ。
(藤井聡太さんも知的で静かな印象だけど、きっと中身は屈強な猛者なのかも☆と妄想が膨らむ)
そんな中、絶対的王者である宗谷冬司は儚くて、頼りなげな不思議ちゃんに描かれているが、人間力も精神論も全部すっとばして強いやつがとにかく強い!という、常人を拒絶したこの世界の身も蓋もなさを示す象徴的なキャラになっている。
それぞれのひたむきさに触れ、始めはウザく感じていた二階堂も、いつの間にか『もっと二階堂のシーンくれ!』となっている自分に気づく。そんな風に曲者ほど愛すべきキャラに変貌しているのだ。
そしてじいさん達の悪あがきがカッコいい!(こんなにいろんなおじいさんが出てくる青年漫画ある?)
そんな棋士たちの言葉のいらない関係性が尊い。
”ガツン”と”ほっこり”がなぜか共存してるこの世界。それはもう羽海野マジックとしか言いようがないのだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
森の本棚
- 感想投稿日 : 2022年6月23日
- 読了日 : 2022年6月23日
- 本棚登録日 : 2022年6月23日
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