マークスの山(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2003年1月25日発売)
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合田雄一郎シリーズ第一弾。『冷血』は先に読了済み。
初期の合田と『冷血』の時の合田では、違いがあるのでそれもおもしろい。『冷血』は犯人の心を覗く合田であったが、今回は事件を追う合田である。

これまた読者の方も胃がキリキリしてしまいそうな人間関係。警察内部の歪んだ人間模様が生々しく見えてくる。こんな職場無理だ(笑)
正義やプライド、誠実や疑念が渦巻く内容。
そんな人間味ドロドロの物語の中心は、やはり謎の多い事件だ。合田が関わった過去の事件にどう繋がってくるのだろうか。真相はまだ見えてこない。水沢裕之はマークスと名乗る人格を持つ。被害者それぞれの関係や如何に。

続いて下巻へ。

以下、ネタバレ有り(備忘録)。

・水島博之
山本夫妻の経営する豆腐屋の息子(養子)。岩田の無実を証明し、損害賠償を得るなどと妄想している。重度な健忘症を患っている。
もう一つの人格であるマークスが殺人犯。どうやら金が目的。だだし、それだけではなさそう。合田がどこまで近づけるか。

・野村久志
南アルプスで発見された遺体。岩田の時計も同時に発見される。

・岩田
山小屋に住んでいた岩田。過去に結婚に二度失敗。酒を飲んでいた夜に、訪問者(野村)があった。過去の妻の幻覚に襲われ訪問者をスコップで殺害。そのスコップについて謎が残る。殺人容疑で岩田逮捕。山中の別の場所で白骨遺体発見。近くから岩田の腕時計が発見される。岩田に記憶は無し。その後、再審請求。
※訪問者がなぜ夜中に危険を冒して山小屋まで下山してきたのか謎が多い。何かに追われていたのか。

高木真知子:看護婦。水沢少年の看病をしながら、自らの性癖も満たしていた。離れたあと再開。一緒に住む。
巻末に水島のポケットから『十三日。六時。上野。電話。袋』と書かれたメモを見つける。同時に、『金があったら、真知子は何がしたいか』というメモを見て感動している。

・畠山宏
水島に殺された元ヤクザ。謎の金を持っていた。

・松井浩司
法務省刑事局刑事課長。水島に殺された。山登りをする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年12月3日
読了日 : 2021年12月3日
本棚登録日 : 2020年6月13日

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