登場人物が多いことに戸惑うかもしれないが、読み進めていくうちに掴めてくるので心配無用。かなり分厚い文庫本だが、おもしろいのでスラスラ読める。
1つの事件の裏に隠されてる真実が見え隠れする。掴めそうで掴めない。狂った悲劇の連鎖、その結末は読み手の予想を裏切ったようで、完全に予想通りだったりもする。でも本当は何があったのか。それは一体誰の秘密だったのだろうか。19年間の物語。
以下、ネタバレ有り(備忘録)。
桐原亮司と雪穂の主観が描かれないというギミックが、物語をミステリアスにしていることは明らかだ。その為、最後まで本当のことがわからないまま終わったのが粋だな、と感じた。
幼い頃の二人に何があったのか、笹垣刑事や今枝探偵の踏み込んだ調査は、どこまで真実に近づいていたのだろうかと考えることになる。
桐原と雪穂の本当の目的って何だったんだろうか。過去との決別もあっただろうし、復讐、独占、償いにも感じた。単純にサイコパスであったとしても、二人が同じ動機で動いていたのかも定かじゃない。
とにかく、桐原が死んだことで、真実は闇の中だ。
やってくれたな~(笑)良い感じ。
読了。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年10月28日
- 読了日 : 2021年10月28日
- 本棚登録日 : 2021年10月15日
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