南総里見八犬伝 2 (岩波文庫 黄 224-2)

  • 岩波書店 (1990年7月16日発売)
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犬坂信乃は、名刀村雨丸を殿さまに献上すべく伯母夫婦の家を出る。二度と戻らないつもりなので、許嫁の浜路(伯母夫婦が引き取って育てた血の繋がりのない娘)にも、別れの言葉を告げる。
しかし浜路はあの夫婦に育てられたとは思えないくらいの貞女なのである。
事実上の婚約解消だけでも辛いのに、義理の両親は次なる相手と結婚せよと言う。(そもそも蟇六・亀篠夫婦は、浜路を嫁にやるという口約束を手当たり次第行っている)

義理とはいえ両親の言いつけを無視するわけにはいかず、だからと言って意に染まぬ男の嫁になるわけにもいかず。
いっそのこと死んでしまおうと、浜路は家をぬけだします。

そこへ現れたのは、やっぱり浜路をエサに悪事に加担させられた網乾左母二郎、これ幸いと浜路を連れ去り、自分の女にしようとします。
抵抗した浜路は逆に左母二郎に切り付けられ瀕死の重傷を負うのですが、それを見ていたのが、そうとは知らねど八犬士の一人、犬山道節忠与(ただとも)。
それがなんと、浜路の生き別れの兄であったとはこれいかに。

瀕死の浜路は、信乃の持って行った村雨丸は偽物で、この本物の村雨丸を是非に信乃の元へ届けてほしいと頼みます。
しかし親の仇を討つことが第一義である道節は、「うん」と頷くこともなく、村雨丸をもってして仇を討たんと考えます。

失意のうちに息を引き取る浜路。
それを樹の陰からじっと見ていたのは、額蔵こと犬川荘助。(だから、死ぬ前に助けろってば)
浜路の仇!というよりは村雨丸を返せ!って感じで飛び出していくが、火遁の術にて逃げられる。

一方犬塚信乃の方は、偽物の村雨丸を献上したがばっかりに、敵の間者と疑われ、追われ追われて芳流閣の、そのてっぺんの屋根の上。
新たな追手と現れし犬飼見八と組み合いし、屋根から落ちて川の中。

さくっとはしょると、この時の相手犬飼見八も、流れ着いた二人を助けてくれた古那屋文五兵衛の息子犬田小文吾も、その甥犬江新兵衛も犬士でございました。

指名手配となったうえに、破傷風で瀕死の信乃の、命を助けた新兵衛の両親。
聞くも涙、語るも涙の別れを越えて、いざ参らんか安房の国。
と思ったけれど、荘助も呼んでこねばと呼びに行きたる人々が、いずこも帰らぬそのうちに、漏れぬ秘密もなかりせば、あわや全てが水の泡!

あわやその時鳴り響く、稲光こそすさまじく、風吹きあれて雲が下り、親兵衛包みて舞い上がり、悪人体を引き裂かれ、親兵衛の姿消えにけり。

ってところでこの巻は終了。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年7月4日
読了日 : 2016年7月4日
本棚登録日 : 2016年7月4日

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