中国にはコソ泥はいないらしい。いるのは群れをなして襲ってくる盗賊。
広大な中国の国土に、耕作に適した土地はそう広くはないのだそうだ。
だから、農村に人が余る。仕事のない人があふれる。
そうするとどうなるか。
気が弱い人たちは乞食になり(こちらも集団)、血の気の多いのは盗賊になる。
だから、いつの時代も中国には盗賊がどこにでもいたのだそうだ。
ちなみに盗賊は正義や悪とは無縁である。
国や地方のお金で武装しているのが官軍、民間の武装勢力が盗賊なんだって。
やってることは変わらないらしい。
だから盗賊から皇帝になった人もいる。
略奪する官軍より、金持ちから奪ったものをふるまってくれる盗賊の方が民衆の支持を得たこともままあるそうだ。
この本で紹介されている盗賊は
陳勝・劉邦(漢の高祖)
朱元璋(明の太祖)
李自成(明を滅ぼし順王朝をつくるが、40日で清に北京を追われる)
洪秀全(太平天国の乱を起こした人)
毛沢東(ご存知の)
要するに、異民族に襲われるわけではなくして王朝が変わった時、政権を奪取した人を大盗賊と呼ぶということらしい。
この本を読むまで全く知らなかったこれらのことを、するする読みながら理解できるのだから高島俊男の本は素晴らしい。
一生ついていきます。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年1月8日
- 読了日 : 2019年1月8日
- 本棚登録日 : 2019年1月8日
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