おいしいコーヒーのいれ方 (7) 坂の途中 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2005年6月17日発売)
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目次
・WAIT FOR ME
・CALLING YOU

勝利って、今まで挫折したことがなかったんだな。
小学生で母親を亡くしたけれど、父親が家のことを全然できない人だったので、小学生のころから父に料理を食べさせ、洗濯してきれいな服を着せ、家の中を片付けていた。
それができる子だった。
そのうえ勉強ができないわけでもないし、運動神経もいい。
多分、自分に自信がないなんてことはなかったのだろう。

だから5つ年上のかれんの面倒を見たくてしょうがない(優位に立っていたい)し、ちょっとかれんの気持を見失うと頭の中がそれでいっぱいになる。
喫茶店で、身体を使って仕事していて、あんなに上の空になれるもの?
スポーツやっていながら、メンタルの整え方を知らなすぎじゃない?

というかねえ、やっぱり父親が悪いよ。
子どもを信じて好きなようにさせるっていうのは、ほったらかしにすることではない。
勝利の父親は一度でも勝利と向き合ったことがあるのか?
彼の悩みを聞き、迷いを知り、アドバイスしたことがあるのか?

自分の小ささを知り、自分の限界を知り、もっと強くなりたいと、もっと大きくなりたいともがくのは、中学生くらいまでじゃないかなあ。
勝利、ただいま思春期真っ最中って感じ。
大学生のメンタルではないと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年4月10日
読了日 : 2021年4月10日
本棚登録日 : 2021年4月10日

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