国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1995年10月4日発売)
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率直さ
他人との関係にも現れる独りよがり
メタフォリカルでも示唆的でもない世界に生きている自分には
それはそれで新鮮にストレートでさしこまれた
恋愛の話とも思えるし失われた個人的な可能性の話とも思える
全体としてはただの自惚の強い男の話なんだけど潮の満ち引きのように感情が揺り動かされてほとんど涙ぐみそうになる
ハードボイルドとかロマンチストとかじゃなくただただ独りよがり
社会の原理に飲み込まれることで世界が悪い方向に向かう
ボガートのようなタフガイではないからレノックスのように決定的に欠落していないから
ほとんど虚勢だけど『アラビアのロレンス』を愛してるよ
独りよがりに生きることに対する諦め、区切り、人のありようを直視する

裏表紙待望の文庫化をアピールするには文庫化から時間経ち過ぎてる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月4日
読了日 : 2022年11月4日
本棚登録日 : 2022年11月4日

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